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世界最大のハッキングイベント「DEFCON」のドキュメンタリー映像がYouTubeで公開中


世界中のハッカーが集まり、さまざまな講演やハッカーコンテストを行ったり、参加者なら誰でもウェルカムのパーティーなどが開催されるイベントが「DEFCON(デフコン)」です。2012年に開催20周年を迎えたDEFCONの様子を収めた長編ドキュメンタリーがYouTubeで公開されています。

DEFCON - The Full Documentary


首から「HACK3R」のプレートをぶら下げた男性


こちらのペアが手に持つポールの先にはミラーボールが取り付けられています。


コンピューターから無数に伸びる配線がつながれたボードでは、色とりどりのLEDが点滅しています。


巨大なバブルの中に全裸の女性が入り、プールに飛び込んだかと思えば……


ホテルのロビーには、なにやらピカピカ光るカートが登場したりしています。


全米のみならず、全世界から数多くのハッカーが集まるコンベンション「DEFCON」は2012年に20周年を迎えました。


DEFCONを初めて開催し、現在でも運営を続けているのは「Dark Tangent(ダーク・タンジェント)」のハッカーネームを名乗っていたジェフ・モス氏。仲間と「ハッカー同士が交流するイベントを開催したい」という話題で盛り上がり、「よし、じゃあラスベガスで開催しよう」ということでDEFCONをスタートさせました。ラスベガスに決めた理由は「飛行機で安く行ける場所だから」だったそうです。


「最初はDEFCONに行くつもりはなかった」と語るNoid氏。友人に「ぜひ」と誘われて参加したところ、現在は運営側として開催に携わっているとのこと。


第1回のDEFCONを終えたモス氏のもとには「スゴかった」「次はいつ?」といった問い合わせのメールが殺到。「メールを読むまでは次を開催するつもりはなかった」と語るモス氏でしたが、次々に改善を重ねるうちに20周年を迎えることになったとこれまでの経緯を振り返ります。


DEFCON20に向けて飾り付けが進められる会場のホテル。


テーブルが並べられ、物々しい会議の雰囲気が漂います。


「第1回目となった『DEFCON1』には100名程度しか集まらなかったけど、DEFCON20は1万5000人の来場を見込んでいる」と語るのは運営者のDead Addict氏。


クレーンを使ってホテルの巨大なバンケットルームに設営されるステージ。その雰囲気はまるでコンサートのよう。


「毎年、7月になると全く時間はなくなるの。7月4日の独立記念日なんてもう7年以上も参加してないわ」と語る運営チームのNikitaさん。


別の運営チームスタッフであるPyroさんは「DEFCONには非常に多くの時間を費やすことになる。その年のDEFCONが終わるとすぐに次の準備が始まるんだ」と語ります。


「いちおう、正式には2年前に引退したことになってるんだけど、結局また戻ってきてしまう。それだけ僕の一部になっているんだ」と語るRuss RogersさんもDEFCONから抜け出せないうちの一人。


1057さんも「この10年というもの、DEFCONは僕の人生の大部分を占めてきた。自分の時間をほとんどDEFCONに費やしてきたよ。僕にとってその年のDEFCONが終わることは、次の年のDEFCONがスタートすることを意味するんだ」と語ります。


DEFCONが近づくと多くの人びとがラスベガスに向けて移動を開始。道中のレストランに集結した集団はさらに目的地に向けてキャラバンを続けます。


バーベキューが始まったり……


どことなくギークなビールが振る舞われたりします。


オープン前日、23時頃のロビーにはチケットを求める参加者の姿。


「何を飲んでるんだい?」「撮るな!」などのやりとりが交わされるという一幕も。


朝の2時半にピザを食べていたと思ったら……


そのままピザの箱を枕代わりにして仮眠をとる参加者。


そしてオープン当日の朝を迎えます。


開場前の入り口の前にはすでに長蛇の列


そしてついにDEFCONが開幕。「Yeah!グッモーニン、ベイビー!」とテンション激上がりの参加者の姿も。


カウンター越しに参加者バッジとグッズを受け取る参加者


DEFCONに参加したきっかけは「ダンナが去年のDEFCONに来てて、その時のビデオを見たの。そしたら『これはすごいわ』ってなって」と語る女性。


「俺よりも頭のいいヤツが集まってるから、何かを学ぼうと思ってきたんだ」


「知的な人が集まる場所だから来たの。すごく興奮してるわ」


「いつもならネット上で匿名でやりとりしている相手と実際に会える機会なので」


左の男性はどうやら学校の教師で、生徒をDEFCONに連れてきた様子でした。


カンファレンス開催にあたり、会場ではオリエンテーションが開始されました。「バックアップには、3-2-1ルールに従い、毎日バックアップをとること」という説明のほか、「最低でも3時間は寝て、食事を2回摂り、そしてシャワーを1回は浴びること!さもないと、参加者が放つ刺激的なアロマによって大事故が起こることになります。『参加者+デオドラント用品=みんなで勝ち組』になります!」のアナウンスに会場からは拍手喝采が起こるという、なんだか世界どこでも同じだなぁと感じさせる一幕も。


「会場内には多くの『ジェフ』や『スティーブ』や『クリス』がうようよしているので、誰ともかぶらないハンドルネームを使うようにしてください」


「DEFCONのメリットは、普段はオンライン上でチャットしているような相手と実際に会って話すことができることです。お互いに話しかけて、一緒にビールを飲んでパーティーに参加し、友だちになってください」


「集団に取り残されてウロウロしているだけでも多くを学ぶことはできます。でも、それだけでは参加費の200ドル(約2万円)の元を取れるかと言うと疑問が残ります。この会場には、各地から天才と呼ばれるような人が集まってきているので、どんどん話しかけてください」


「そして、『わかりません』と言うことをためらわないでください。頭のいい人たちに『教えてください』とお願いして、あらゆることを吸収してください」など、イベントを堪能し尽くすためのアドバイスが送られていました。


世界中からハッカーが集まるイベントということで、あたかも「犯罪者集団が何か悪いことを行うイベント」と思われがちなDEFCONですが、実際に参加してみたこの男性が感じたのは「公開で行われる、クールな人びとが集まるパーティーのようなものだね」とその印象を語っています。


「DEFCONはハッカーにとってクリスマスとお正月と誕生日が一度にやってくるような場所さ」


会場では物販ブースなども設けられていますが、その参加条件は「ハッカーコミュニティに寄与していること」とされており、利益は二の次とされています。


また、20周年となるDEFCON20には特別ゲストとして、NSAのアレキサンダー長官(当時)がゲストとして参加するというサプライズも用意されていました。


DEFCONの参加者が首からかけているのは、受付で配布された参加者バッジ。


LEDや通信チップなどが搭載された特殊なものとなっています。


会場では各種のワークショップが開催され……


こんなギークな装置が作られたりもします。


そして目玉の一つは、CTF(キャプチャー・ザ・フラッグ)と呼ばれるセキュリティ技術コンテストです。


参加者にはハッキング技術を求められる課題が与えられ、もっとも速く答えにたどり着いた人が表彰されます。


カンファレンスも後半になると大騒ぎのパーティーの様相を呈することも。


もう、えらいことになってしまいました。


このようにDEFCONは、大騒ぎのパーティーからコンピューター技術の交流、そしてハッキング技術コンテストが競われるという「知的遊戯イベント」となっています。2014年のDEFCONは8月7日(木)~10日(日)の4日間にわたってネバダ州ラスベガスの「リオ ホテル&カジノ」を会場に開催される予定となっています。

DEF CON® 22 Hacking Conference
https://www.defcon.org/html/defcon-22/dc-22-index.html

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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