アート

コットン・ウール・紙を3Dプリントして靴底を織り上げる「3D織り機」


立体物を「印刷」できる3Dプリンターの進化はとどまるところを知らず、ピザキャンディなどの食べ物が印刷できたり、実際に着用が可能な衣服一軒家を20時間で建ててしまうプロジェクトが進められていたり、挙げ句の果てには3Dプリンター銃を作って逮捕者が出るという困った事態を引き起こしているほど。そんな3Dプリンターですが、ロンドンの美術学校に通っていた学生によるプロジェクトでは、毛糸や紙などといった自然素材をもとにして織物を織り上げる「3D織り機」が作成されています。

Oluwaseyi Sosanya invents 3D-weaving machine
http://www.dezeen.com/2014/06/23/oluwaseyi-sosanya-invents-3d-weaving-machine-show-rca-2014/

3D織り機が実際に毛糸を使って立体物を織り上げる様子は以下のムービーなどで見ることができます。

3D WEAVER on Vimeo


この3D織り機を作成したのはロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン王立美術大学)を卒業したナイジェリア系アメリカ人のOluwaseyi Sosanyaさん。卒業制作の一環としてこの機械を作り上げました。


こちらがその機械。台の部分には毛糸が収納され、上部の機械部分に送り込まれるようになっています。


上から眺めると、無数の鉄パイプが並べられている様子が確認できます。


編まれる毛糸は、パイプの間をぬうように巻き付けられているようです。


こんな感じにうねうね。ムービーを見ると、狭いパイプの間を動き回る織りパイプの様子を見ることができます。


そして織りあがったのがこちらのサイコロ状の物体。強度に優れるハニカム構造を形づくっています。


上からこぶしを押しつけてもほとんど変形なし。


しかし、すこし織り方を変えて違った構造にすると……


軽い力で押しつぶされるようになりました。


そしてさらに別のジグザグ形状。


引っ張りにも強い構造となっています。


Sosanyaさんは「いろいろな機械を参考にしましたが、縫製を行うミシンと産業用織り機の動きに最もひきつけられました。バネの力で糸にテンションがかけられ、自由に機械の中を駆け巡る様子にインスパイアを受けました」とこの作品を作り上げることになったきっかけを語ります。

毛糸などの素材をもとに自由な強度を持たせることができるこの機械を使って、Sosanyaさんはシューズのソールを織り上げることに。


用いられた素材は、主にコットンやウール、紙などの自然素材で、仕上げに液体状のシリコンの中に沈めて全体の形状を固定化させたとのこと。


実際に履いてみた様子もムービーに収められています。


意外なほど違和感を感じさせない形状と質感。非常に軽そうな様子も漂っています。


主に毛糸などを用いているせいか、ムービーからは着地時のクッション性に優れている様子を感じることができます。


Sosanyaさんは、自由な素材である糸が構造によって強度を変える特性に着目し、その素材を用いたプロジェクトを進めることにしたそうで、この技術を応用することで医療や建築関連への活用の可能性を信じているとのこと。3Dプリンターの進化はまだまだこれからも続いて行くことになりそうです。

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