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RGBではなく赤・黄・青の「RYB」カラーモデルで色を選択する方法とは?

by vtdainfo

ウェブ上のツールやソフトウェアではRGBカラーが主流であり、印刷物ではCMYKが主流ですが、学校でまず習う3原色は赤・黄・青というRYBカラーモデルです。これらの違いは何なのか?ということで、エンジニアのDave Eddyさんが3つの違いやRYBカラーを使うことの利点についてまとめ、そして開発したRYBカラーホイールを公開しています。

Red, Yellow, and Blue | dave eddy
http://www.daveeddy.com/2014/07/01/red-yellow-and-blue/

これはエンジニアのDave Eddyさんが友人の「本当のカラーピッカーが欲しい」という発言を聞いたことを発端とします。インターネットやソフトウェアの中にカラーピッカーやカラーホイールがあふれているため、当時Eddyさんは友人の発言の意味が分からなかったそうです。

そもそも、小学校など教育の場では赤・黄・青の3つが色の3原色と呼ばれ、この3つを混ぜることであらゆる色が表現可能になり、混ぜれば混ぜるほど色が暗くなって最終的には黒になると言われています。しかし、テレビやコンピューターで使われているのは赤・黄・青ではなく、赤・緑・青のRGBカラーモデルです。そしてさらに言うと、プリンターなど印刷物はRGBではなくCMYK(シアン・マゼンダ・イエロー・ブラック)カラーモデルを使用しています。

by Dome Poon

RYB・RGB・CMYKという3つのカラーモデルが存在しますが、複雑になりすぎないよう、まずRGBとCMYKの違いから説明すると、RGBはRed(赤)・Green(緑)・Blue(青)からなるカラーモデルです。3色の光を加法混合で混ぜていくことで新しい色を作り出すため、テレビやパソコンのモニターなどで使用されます。そして100%の赤と100%と緑と100%の青を混ぜると「#ffffff」、つまり白色が生まれます。

一方、CMYKはCyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Black(ブラック)の4色を減法混合することで新たな生み出します。RGBとは反対に、全ての色を混ぜると黒に近づくのですが、印刷の場合、より容易かつ安価に黒を表現するためにCMYではなく、ブラックを加えたCMYKになっています。

この時、減法混合とは0%が最も明るく混ぜれば混ぜるほど光が減っていくのでこの名前がつけれられており、反対に加法混色は加えていくほど明るくなり、減らすと黒に近づくことから名付けられています。混合法の違いがあるのでRGBとRYBを比べるのは適正とは言えないかもしれませんが、では、なぜわざわざ赤・黄・青のRYBではなく近似のシアン・マゼンタ・イエローのCMYが使われているのでしょうか。

Wikipediaではシアン・マゼンタ・イエローについて以下の通り説明されています。


RYBカラーモデルは「マゼンダ・イエロー・シアンが混色によって広範囲で鮮やかな色を作り出すのに最も向いている3色である」という現在の色理論に先行するものです。赤はマゼンタとイエローによって作られ、青はシアンとマゼンタによって作られ、緑はイエローとシアンを混ぜることによって作成可能。RYBカラーモデルにおいては、マゼンタで表現されるものが赤、シアンで表現されるものが青に置き換わります。

つまり、赤・黄・青はシアン・マゼンダ・イエローよりも鮮やかな色を作るのに向いていないということ。「real primary colors(本当の原色)」という言葉をGoogle検索すると「RYB is dead, long live CMYK(RYBは死に、CMYKが生きながらえた)」というような検索結果が出てくることからも、現在はCMYが本当の3原色として捉えられていることが分かります。

これがRYBによるカラーホイール。


そしてこれがCMYによるカラーホイール。上記と鮮やかさが全く異なるこれらのカラーたちは、自然界に存在しないとのこと。


しかし、自然界に存在するRYBカラーを受け入れずに、自然界に存在しないCMYというカラーを利用することは不自然です。そこでEddyさんはコンピューター上で本物の絵画とより近い色表現を実現すべく、rygcbm(Red/赤、Yellow/黄、Green/緑、cyan/シアン、Blue/青、Magenta/マゼンタ)ではなくroygbiv(Red/赤、Orange/オレンジ、Yellow/黄、Green/緑、Blue/青、Indigo/インディゴ、Violet/すみれ)を使ったカラーホイールの作成に取りかかりました。

◆RGBカラーモデルの代わりにRYBカラーモデル


RYBカラーモデル作成のために調査を進めていたEddyさんが発見したのはミネソタ大学によるRYB混合に関する論文でした。論文はRYBに価値を置いたもので、赤・黄・青の量から赤・緑・青の量を決定して、同じ色をモニター上で作ってくれるというものでした。

これはRGBの色空間をあらかじめ定義されたRYBの色空間の色に書き換えるというアルゴリズム。あらかじめ定義しておく色は、芸術家ヨハネス・イッテンの作ったカラーホイールから選ばれています。

例えば、以下の立方体にはそれぞれの角にRGB色のついた8つの点が存在します。赤はR軸、黄はY軸、青はB軸で表されるので、RGBで表現される色がRYBの3軸をどれだけ動かして得られたのかが分かるというわけです。立方体の中には全てのRYB色が存在し、アルゴリズムによってRYBカラーをモニターでRGBとして表すとどうなるのか?ということを明らかにします。


この論文を利用しEddyさんが作ったRGBをRYBに変換する以下のウェブサービス。

RYB Color Wheel
http://bahamas10.github.io/ryb/



明度の調整や……


分割を細かくしたり、大きくしたり。


リングの数の変更。


ホイールの回転。


ストロークの太さの調整。


マスクをして色の相性を確認することも可能です。


ソースコードはGitHubで公開されています。

bahamas10/ryb · GitHub
https://github.com/bahamas10/ryb

なお、RYB Color Wheelはランダムという機能があり、「interpolation」を開いた先にある「Random」ボタンを押すと、さまざまなカラーホイールを表すことができるので、いつもとはちょっと違うカラーホイールから色の選択をすることも可能になります。

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in デザイン, Posted by darkhorse_log

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