Google Glass向けの映像・画像・電子カルテを保存する医療用アプリが登場
By Dirk Vorderstraße
ベータ版の一般販売がアメリカで開始されたGoogleの「Google Glass」は、さまざまな使用法が期待されるウェアラブル端末です。アメリカでは、iPad向けの電子カルテ管理アプリを販売している企業が、世界で初めてGoogle Glassで電子カルテを管理・共有できるアプリを公開しています。
Startup launches 'first wearable health record' for Google Glass | Reuters
http://www.reuters.com/article/2014/06/12/google-health-idUSL2N0OT1PL20140612
発表されたのは「Drchrono」というiPad向けにすでに公開されているアプリのGoogle Glass版です。 Google Glass向けDrchronoに登録した医師は、患者の許可を取れば診察や手術の映像や画像、電子カルテや健康状態などをアプリ、もしくはクラウドストレージサービス「Box」に保存することが可能になります。患者に関するデータをアプリやクラウドに保存し共有することで、スムーズな情報のやり取りができるというわけ。
By Fotos GOVBA
Google Glassをすでに患者の手術や診察に取り入れているBill J. Metaxas医師によると、Google GlassでDrchronoを使用するには、患者の許可を得たり、絶対に情報漏えいなどの問題が起きてしまわないようにセキュリティを設定したりするなど、事前に注意しておかなければならない要素がたくさんあるとのこと。また、Metaxas医師は「医療現場ではiPadなどのタブレット端末をすでに取り入れています。Google Glassの安全性は、タブレット端末と同じようなものですが、医療現場に取り入れるには少し早い気もしますね」とも述べています。
Google Glassは他人が気づかないメガネで写真撮影や録画機能をできてしまい、他人が撮影されていることを気づかないことがあり、大きな批判を受けることがありますが、医療といった最先端のテクノロジーを導入する現場からは新しい風を吹き込む可能性があるとして、評価されています。
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Googla Glassの開発チームはサンフランシスコで医療業者や福祉業者を集めてミーティングを開き、どうすればGoogle Glassを活用できるか、議論を交わしました。ミーティングに参加したDrchronoの創業者、Daniel Kivatinos氏は「Googleは、Google Glassの最適な活用法をまだ明確にできていないようです。しかしながら、Google Glassを医療現場に取りいれることを強く望んでいる医者がいるのも事実です」と語っています。
すでに6万人もの医師がDrchronoに登録済で、300人以上が使用を開始しているとのこと。アプリは記事執筆現在無料ですが、近い将来有料化することもあり得るそうです。なお、GoogleはDrchronoに関してノーコメントの姿勢を貫いています。
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