ソフトウェア

Androidのとどまるところを知らない進化の過程を一挙に振り返るとこうなる

By Lynn Wallenstein

AppleがiPhoneで切り開いたスマートフォン市場に、GoogleはAndroid OSで参戦し、現在ではiOSを圧倒するシェアを獲得するまでになりました。Googleが育ててきたAndroid OSの7年間の進化の歴史を、OSの画面表示とともに振り返るとこんな感じになります。

The history of Android: The endless iterations of Google’s mobile OS | Ars Technica
http://arstechnica.com/gadgets/2014/06/building-android-a-40000-word-history-of-googles-mobile-os/

Android 0.5(Milestone 3)
最初にAndroidが公式にリリースされたのは2007年11月5日のことで、公開されたのは「m3-rc20a」と呼ばれるベータ版でした。この当時はまだバージョン表記はありませんでしたが、ブラウザのユーザーエージェントでは「Android 0.5」と表記されていました。


スマートフォンOSである「Android」の構想と当時「G-Phone」と呼ばれていたプロトタイプのスマートフォンについて、Googleが紹介しているのがこのムービーです。

Android Demo - YouTube


UIはこんな感じ。左からホーム画面、通知、アプリケーションアイコン。もちろんこの当時はタッチ操作には対応していないのでアイコンをタッチしても何も起きず。


左から画面の拡大・縮小操作、壁紙の選択、ボリュームコントロール。


電話をかけるときはこんな感じ。


電話帳のリスト。なお、番号からリストを検索することはできなかったとのこと。


Googleの検索画面(左・中央)はこんな感じ。履歴はサムネイル表示されるようです(右)。


これはGoogleマップの画面。ディスプレイサイズが小さすぎて情報量は多くありません。


Androidは2007年12月14日にリリースされた「m3-rc37a」でタッチスクリーンに対応。Android用エミュレータの画面サイズが480×320に拡大されています。


Android 0.5(Milestone 5)
M3のリリースからわずか3カ月後に、GoogleはMilestone 5(M5)を発表。当時、Googleは2カ月半という驚異的なペースで新バージョンをリリースしていたとのこと。


左から通知パネル、Googleマップ、開発者ツール画面。今ではお馴染みのリストビュー(右)が登場しています。


電話機能ではダイヤル画面も登場。ようやくスマート「フォン」らしくなってきました。


保留機能(右)も搭載。


ブラウザ画面もM3から大幅に進化。しかし、iPhoneのようなピンチアウト・インによる拡大・縮小には未対応で、Googleマップで使われているズームボタンを搭載しています。


Android 0.9 Beta
M5公開から半年後の2008年8月に、Android 0.9がリリースされました。ついにAndroidに「Beta(ベータ)」の名称が与えられたのがこのAndroid 0.9です。ホーム画面とアイコンはこんな感じ。


ホームにアイコンを追加する操作の画面。


早くもウィジェット(左)が登場。


左からホーム画面、最近使ったアプリ、電源オプション、ロック画面。現在のAndroid OSの基礎となる機能やデザインはAndroid 0.9ですでに形作られていたことが分かります。


これはAndroid 0.9を最後に姿を消した「horizontal(水平)」ホームスクリーン。


アプリケーションへのショートカットアイコンをやめて、画面上部にセクションを追加した通知パネルを採用。


Android 0.5(右)にあった緑のラインは無色に。


ズームコントロールボタンやページ内検索ウィンドウは画面下に配置。片手での操作性も改善されています。


ダイヤル画面など通話画面はこんな感じに変化。


電話帳リストはあまり変化なし。


Android 0.9でアラーム・電卓アプリが登場。


Googleマップもかなり進化していることが確認できます。


ストリートビュー機能(右)も個別アプリからGoogleマップアプリに統合されました。


これはSMSアプリのチャットウィンドウ。写真・音楽などを添付することも可能。


音楽プレイヤーアプリはこんな感じ。


ギャラリーアプリは、透過デザインのフォルダ(左)やグリッド表示(中央)にも対応。


画像の編集機能もあり。


Android 1.0
2008年10月についにAndroid 1.0がT-Mobile G1(AKA the HTC Dream)で正式にデビューします。


デフォルトアプリは大幅に増加。


当時のアプリストアは「Android Market」


これはGmailの受信トレイ


Gmailのラベル表示画面


YouTubeアプリはこんな感じ。コントロールシークバーは自動で隠れる仕様でした。


カメラアプリはこんな感じ。なお、スマートフォンにシャッターボタンがあったので、画面にシャッターアイコンはなし。


カレンダーアプリ


設定画面はこんな感じ。


音声コマンドでのダイヤル操作やパターンロックにも対応。


Android 1.X
Android 1.0の登場から4カ月後の2009年2月にアップデートバージョンの1.1が公開されました。


2009年4月に登場したAndroid 1.5でオンスクリーンキーボードのデザインが洗練されています。


Android 1.5からお菓子の名前がコードネームに採用され、記念すべき最初のバージョン1.5には「Cupcake」の愛称が与えられました。


Android 1.5では初めて物理キーボードなしのスマートフォン「HTC Magic」が登場。


ムービーとカメラの切り替えはアイコンで分かりやすく表示。


カレンダーアプリもよりカラフルに。


テキストのコピー・貼り付けでは強調表示(右)されるようになりました。


パターンロックも透過デザインに変更。


Android 1.5で初めてYouTubeへのスマートフォンからの直接アップロードに対応しました。


Android 1.6(Donut)は2009年9月にローンチ。Android Marketはグリーンカラーにイメージ変更。


カメラアプリはこんな感じ。ただしビューアー(中央)は左右のスワイプ操作には非対応で、矢印アイコンをタップする必要があったとのこと。


左から、ウィジェット、上部の検索バー、通知設定画面、ギャラリーアプリ。


Android 2.0
Android 1.6のリリースから、わずか41日でAndroid 2.0(Eclair)がリリースされ、最初のメジャーバージョンアップが行われました。


これはAndroid 2.0搭載端末のMotorola Droid。


アイコンのデザインもフラットな感じに変更。


Android 2.0の目玉はGoogleマップのナビゲーション機能。


通話アプリ画面も洗練されたデザインに変更。


電卓はシンプルなままですが、ブラウザは情報量がアップしています


Motorola Droidではカメラ用のフラッシュを初めて搭載。


メールアプリも進化し、Microsoft Exchangeをサポート。また、異なるメールアカウントを統合できる受信ボックスも採用。


Nexusシリーズ登場
2010年1月にGoogleは自社ブランドのスマートフォン「Nexus」シリーズとして最初のモデル「Nexus One」を発表。製造はHTCが担当し、SIMロックフリー端末として、価格529.99ドル(約4万8000円)で「オンラインで販売する」というこれまでにないスマートフォンの販売形態をとりました。


このNexus Oneという物理キーボードをもたないフラッグシップAndroid端末の登場により、ついにiPhoneとの本格的な開発競争に突入します。


Android 2.X
Android 2.1にバージョンアップデートしましたが、コードネームはEclairを引き続き使用。


ギャラリーアプリもより洗練されたデザインに。


Android 2.1からはアニメーション機能も存分に活用しています。


時計アプリも刷新。


Googleは矢継ぎ早にアップデートを実行。バージョン2.2(Froyo)に。


Flash Player(左から2番目)も登場。Flashを使ったサイトの閲覧が可能になりました。


Android 2.2にはTwitterとGoogleのコラボレーションアプリがプリインストールされていました。


Android 2.2から7カ月後の2010年12月にAndroid 2.3(Gingerbread)がリリースされ、UIを一新する大幅な更新が行われました。Android 2.3ではSamsung製の「Nexus S」も登場。画面サイズは4インチに拡大。


ライブ壁紙を採用し、新しいアプリが追加されています。


Android Marketはよりグリーンカラーに。


アプリのページは折りたたみできるように設計変更。


ビデオ通話機能をサポート。


タブレット端末用OS、Android 3.Xをリリース
iPadの登場でタブレット端末に注目が集まる中、満を持してGoogleはタブレット端末向けに設計したバージョン3.0(Honeycomb)を2011年2月にリリースします。


Honeycombの最初のタブレット端末となったMotorola Xoom。


ロック画面とアプリのインターフェースを大画面向けに改良。


スマートフォン用のアプリは削除されたのでアプリの数は減少。


大画面をフル活用できるように画面分割レイアウトを採用しました。


Gmailのデザインもこんな感じに変更。


カメラアプリのデザインも一新。


Googleマップでは3Dビュー機能を搭載。


Android Marketは流行のカードデザインを採用。


YouTubeアプリはタブレット端末ならではの大画面を活かして大量のムービーを表示可能に。


Gmailやカレンダーアプリもウィジェットに対応。


Android 3.0の3カ月後に出されたアップデートバージョンAndroid 3.1でウィジェットやアプリ画面のサイズは自由に変更可能に。そしてAndroid 3.2で7~8インチの画面サイズのタブレットに対応。iPadからタブレット端末のシェアNo.1の座を奪取することに成功しました。


Android 4.0
2011年10月にメジャーアップデートされたAndroid 4.0(Ice Cream Sandwich)によって、スマートフォンとタブレット端末のOSを統合。スマートフォンOSとしてはAndroid 2.3から実に1年ぶりの更新となりました。


Android 4.0はSamsung製の720pムービーに初めて対応した「Galaxy Nexus」でデビュー。画面サイズは4.7インチまで拡大し当時は「大きすぎる」と批判されましたが、その後のAndroidスマートフォンの大画面化を考えれば正常進化と評価すべきものでした。


Android Marketはコンパクトながら見やすいレイアウトに変更。


アプリ使用履歴のサムネイルなどはAndroid 3.Xから引き継がれています。


Gmailアプリもよりコンパクトに情報をうまくまとめることに成功。


通話アプリはたいした変化なし。


YouTubeはムービーサムネイルを縦方向にスクロールするスタイルに変更。


データ使用量や各種チュートリアルなどの新機能もあり。


NFC・Google Earth・アプリケーション情報画面などにも対応。


2012年3月6日、Googleはコンテンツを「Google Play」ブランドとして統一。アプリショップのGoogle MarketはGoogle Play Storeに変更。


Android 4.0の登場から約半年後の2012年7月にAndroid 4.1(Jelly Bean)をリリース。アニメーション性能が格段に進化しました。


Android 4.1の登場と共に、7インチタブレットとしてASUS製のNexus 7をリリース。低価格・高性能で大ヒットモデルに。


Google Nowに加えて、予測検索機能を導入。


YouTubeのデザインは大幅に変更され、情報量は減少。


2012年11月にAndroid 4.2にバージョンアップ。なお、変更点が少ないためコードネームはJelly Beanのままです。


Android 4.2の登場と同時に、10インチタブレットのNexus 10と4.7インチスマートフォンのNexus 4が発売されました。Nexus 10は2560×1600のディスプレイ解像度を持ち、Cortex A15のデュアルコアに2GBメモリを搭載したハイスペックモデル。一方のNexus 4は販売から1時間で初回分を完売するほどの人気となります。


ロック画面と時計のデザインも変更。


Android 4.2では画面の明るさ・ネットワーク接続・データ使用量の設定画面に直接アクセスできる「クイック設定」を採用。


さらにロック画面にウィジェットを追加したり、スワイプ操作でカメラを起動させたりできるように。


また、独自のジェスチャーを登録することで複数のユーザーで利用することも可能になりました。


Jelly Beanはさらにマイナーチェンジを重ねてAndroid 4.3に進化。Google Playのデザインが微妙に変更され、コンテンツごとに色分けされる仕様に。また、カードデザインを駆使することであらゆる画面サイズに対応可能に。


Android 4.4
メモリ使用量を減らすことを目標として開発されたAndroid 4.4(KitKat)は2013年10月31日に登場。GoogleはNestleと提携してAndroidモデルのKitKatを発売しました。


Android 4.4の登場に合わせてNexusシリーズのハイエンドモデルはNexus 5に引き継がれました。他社製のハイエンドモデルが軒並み700ドル(約7万円)の価格であるのに対してGoogleはその約半額でNexus 5を販売。


青色だったタブの色は灰色に変更。


長らく続いたギャラリーアプリはPictureアプリに刷新。


次世代Android
Googleはウェアラブルデバイス用にカスタマイズされたAndroid Wearを発表。Google Glassやスマートウォッチの開発がさらに進む予定です。


7年間絶えず姿を変え続けたAndroid OSはiOS一色だったスマートフォン・タブレット端末市場を着実に奪い、ついには圧倒的なシェアを獲得することに成功。さらにGoogle GlassやスマートウォッチでもApple・Microsoftに対してリードを奪っているGoogleが、どのようにAndroidを育てていくのか、今後の進化にも要注目です。

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in モバイル,   ソフトウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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