レビュー

は虫類から哺乳類まで、300種類以上の頭骨をひたすら集めた魅惑の写真集「スカル」


昼は自動車内装用の化粧板を選び抜き加工することを仕事とし、仕事が終わると頭骨を集め出すという頭骨コレクターがアラン・ダドリー氏。長い年月をかけて国内外から集めたダドリー氏のコレクションを1冊の本にまとめたのが「スカル アラン・ダドリーの驚くべき頭骨コレクション」で、300点以上の頭骨写真をじっくり見られる珍しい本になっていたので、実際に購入して頭骨の世界をのぞいてみました。

グラフィック社 書籍詳細
http://www.graphicsha.co.jp/book_data.php?snumber3=1419

Amazon.co.jp: スカル アラン・ダドリーの驚くべき頭骨コレクション: サイモン・ウィンチェスター: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4766125940

これが「スカル アラン・ダドリーの驚くべき頭骨コレクション」


本は全256ページの大型本。横から見てもかなり分厚いです。


iPhone 5と比較すると大きさはこれくらい。


重さを量ってみたところ、重量はずっしりとした1451gでした。


裏表紙は表紙をひっくり返したようなデザインになっています。


この本は収集家のアラン・ダドリー氏が書いたものではなく、写真家のニック・マン氏が頭骨を撮影し、作家でありジャーナリストのサイモン・ウィンチェスター氏が紹介しているもの。


パラッとめくると、目次はこんな感じ。目次には「まえがき」「コレクションについて」などの次に「両生類」「鳥類」「魚類」「哺乳類」「爬虫類」といった分類ごとの生物の名前が並んでいます。


それぞれの頭骨写真に入る前に、まずアラン・ダドリーとはどういう人物なのか?という説明があり、コレクションルームの様子も公開されていました。子どもの頃から生き物が好きだったダドリー氏は、ある日、庭の柵に引っかかっていたキツネの死骸を持ち帰って解剖し、初めて頭骨を見てから頭骨収集に夢中になったとのこと。頭骨の処理法を学び、時間がかかりひどい匂いを放つにも関わらず、頭骨をあるがままの形にするためにウジムシを使う方法ではなくバクテリアに細かな肉を分解される方法を取り、ある時は匂いがひどすぎて妻が「コレクションを全部壊してやる」と言い切ったほどだったそうです。


また、ダドリー氏は剥製作りも行っています。情熱的に頭骨収集・剥製作りを行っていたダドリー氏ですが、2008年に「違法に標本を購入した」として逮捕・禁錮50週間の判決も受けました。


ということで、ダドリー氏のコレクションの一例は以下から。

ウシガエル

by Cdhowe

これがウシガエルの骨。眼窩と口が大きいため、ウシガエルの頭骨は非常に壊れやすいそうです。


前から見た様子と後ろから見た様子はこんな感じ。


◆双頭のオーロックス

by Charles Hamilton Smith

ダドリー氏のお気に入りの1つで、「火事が起こったら真っ先に持って逃げる」と言われているのがオーロックスの双頭の胎児。


1つの体に対して2つの頭を持つオーロックスの頭骨は、動物園で10年以上冷凍保存されていたもの。


ここから背骨へとつながっていくわけです。


1つ1つの頭骨はこんな感じ。


スベイモリ

by Palmiped

これはスベイモリの頭骨。ダドリー氏のコレクションの中で最も小さな頭骨で、大きさは小指の爪ほどもありません。


アナウサギ

by JJ Harrison

アナウサギ自体は珍しくなく、ダドリー氏もいくつか頭骨を持っているそうなのですが、中でもお気に入りなのがこの頭骨。


よく見ると異常に歯が長く、「ウサギが生きている間、一度も歯がうまくかみ合わなかった。その結果、歯はすり減ることなく、伸び続けたのだ。その異常さが好きだ」というのがダドリー氏の一言コメント。


アルパカ

by Yogi

ふわふわモコモコのアルパカ頭骨は以下のような感じ。


角のようなものが2本生えているのが特徴で、どことなく生前のアルパカの面影もうかがえます。


オオサイチョウ

by Crosa

これは東南アジア全域で見られるオオサイチョウ。体に比べて頭がアンバランスに大きいことが、骨格になるとよくわかります。くちばしの大きな鳥の多くが頭部を支えるために余分な筋肉を必要とします。


モモイロペリカン

by Uryah

くちばしの大きな鳥の頭骨は他にもたくさんあります。


その中でも目を引くのが、頭骨というより杖のようなモモイロペリカン。くちばしの長さは30cm以上もあるとのこと。


ニシアンコウ

by Citron

比較的少ないのですが、魚の頭骨もいろいろ並んでいます。


ページ左上にあるのは、正面から見るとほとんど口だけのニシアンコウ。


コイヌガオフルーツコウモリ

by AntanO

翼竜のようなコイヌガオフルーツオオコウモリ。


上下を引っくり返してみるとこんな感じ。


ライオン

by Kevin Pluck

百獣の王、ライオン。


「ライオンの頭骨は、多くの大型類人猿のものと同じく、滅多に手に入らない。もし見つけたら、それが完璧なものでなくとも、是非入手すべきだろう」というのがダドリー氏の一言コメント。


ライオンと虎の頭骨は酷似しており、2種は交配によってタイゴンライガーと呼ばれる特大の子どもを生み出すことが可能。


セイウチ

by Captain Budd Christman, NOAA Corps

このセイウチの牙は約35cm。


別角度から。


ダドリー氏の一言によると、「このセイウチは許可を得てカナダから入手したもの」。収集家として有名になったダドリー氏は国内外の動物園やキュレーターから声をかけてもらうことも多かったそうです。


後ろから見た頭骨。


カバ

by belgianchocolate

ダドリー氏のコレクションの中でも最大で、圧倒的な大きさと存在感を誇るのがカバの頭骨。


これは大きな牙が生えたオスのカバ。眼窩が頭骨の上部に突き出ているため、全身水面下にもぐったままで水上を見ることができます。


正面から見た様子。


反対側から。


アジアムフロン

by Stefan Jürgensen

偶蹄類の頭骨にもいろいろあります。


美しい角が目を引くのはアジアンムフロンです。


マントヒヒ

by Stavenn

霊長類も種によって頭骨の形はさまざま。


マントヒヒは面長で、頭骨も人間の頭骨とは大きく違います。


横から見た様子。


イリエワニ


世界最大の現生は虫類であるイリエワニ。


正面から。


横顔。


皮膚ではなく、骨の表面自体がデコボコしています。


アルマジロトカゲ

by Gerald Schneider

2種類のトカゲがページ上に現れました。


アルマジロトカゲはまるで竜の頭のような形。


後ろから。


正面から見るとこう。


アメリカドクトカゲ

by Jason

最後はアメリカドクトカゲ。歯が全て後ろ向きになっており、1度獲物を丸のみにしたら、口外に出さないようになっています。


噛まれると死に至ることもある毒を持っているアメリカドクトカゲも、ワニと同じく頭骨の表面がデコボコで覆われていました。


なお、Amazonでの価格は税込4104円となっています。

Amazon.co.jp: スカル アラン・ダドリーの驚くべき頭骨コレクション: サイモン・ウィンチェスター: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4766125940


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in レビュー,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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