空き時間にせっせとスパコンを開発してしまったTwitterのエンジニア

安価にスパコンを作ることが可能なオープンソースプロジェクトが出資を募っていたことがありますが、Twitterのエンジニアであるブライアン・グラッシーさんは、日常の空き時間を使ってスーパーコンピューターを開発しており、世界的に有名なスーパーコンピューター「Cray-1」と「コネクションマシン」やMac Proにインスパイアされたという開発中の実機や詳細が公開されています。

My Name is Brian and I Build Supercomputers in My Spare Time | Parallella
http://www.parallella.org/2014/06/03/my-name-is-brian-and-i-build-supercomputers-in-my-spare-time/

ブライアンさんは空き時間を利用して低消費電力の汎用コンピューティングクラスタを構築しています。Parallellaボードは計算能力に優れていますが相対的に記憶容量とメモリが制限されてしまうため、ブライアンさんは2つのインテルのネクスト・ユニット・オブ・コンピューティング(NUC)を追加。NUCはそれぞれIntel Core i3および、16GB RAM、120GB SSD、802.11ac WiFiを搭載しており、非常に低消費電力設計です。

NUCは、Ubuntuサーバー・ストレージのホスト・外界への主要なインターフェースを実行します。システムは8枚のParallellaボードとギガビット・イーサネットスイッチで共有され、最高で208GFLOPSのパフォーマンスを発揮。

物理的な設計の発想はCray-1とコネクションマシンという世界的に有名な2台のスーパーコンピューターおよびMac Proにインスパイアされたもの。高さ16インチ(約40.6cm)、直径12インチ(約30.5cm)、ベース高3インチ(約7.6cm)で、外観は8つのParallellaボードを効率的に冷却するためにMac Proのような冷却タワー型。さらに電源トランス・NUC2台・ギガビット・イーサネットスイッチ・Arduino・LEDストリップが取り付けられています。

冷却塔の外側に8本のAdafruit NeoPixel LEDストリップを取り付けた外装はコネクションマシンの精神から来ています。内部にある2台のNUCは19Vの電源を使用、外部電源としては180W 12Vの電源を使っているため、システムは3台の変圧器を備えています。想定電力消費量は30W×2(NUC)＋5W×8(Parallella)＋20W(LED)で平均120Wとのこと。

ベースに12インチ(約30.5cm)×3インチ(約7.6cm)、冷却塔に13インチ(約33cm)×6インチ(約15.2cm)のPVCチューブが使用されており、トップには140mmのファンが取り付けられています。ベースとタワーの内部にはアルミレールと超高耐熱性エポキシ樹脂が組み込まれています。

ベース内部に設置されている2台の19VのNUC本体および変圧器とDC-DCコンバーターによって、ParallellaボードとLEDに電力を提供します。ブライアンさんはParellallaボードをマウントするために必要なスペースとエアフローについて多くの時間を割いたとのこと。そこで解決策として思いついたのがギガビット・イーサネット・スイッチを一種の「支柱」として使うこと。Parallellaボードを簡単にマウントできて各種ケーブルの長さや提供電力の節約に成功しました。

スイッチの片面には無酸素銅の母線によって4枚のParallellaボードがマウントされています。母線は産業用マジックテープで固定され、モレックスの電線対基板用コネクターを通じて電源に接続しています。

このスーパーコンピューターは「Parallac」と名付けられており、現在も空き時間を使って開発が続けられています。今後ハードウェア拡張を持たせることや、並列計算アプリの構築などを計画しており、プロジェクトの全ては「parallac.org」が開設された後にドキュメント化される予定です。