ハードウェア

Raspberry Piで自作したバーコードから自動で調理を行える電子レンジ


スーパーやコンビニで買ってきた食べ物を電子レンジで温めようとしたとき、商品ごとにバラバラになっている調理時間をパッケージで調べて、いちいちボタンをポチポチ押してパワーと時間を設定して……という手順を踏む必要があって面倒と感じることも。さらに、調理時間の設定を間違えてしまって食べ物をレンジ内で爆発させてしまったことがある人もいるのではないでしょうか。

そんな面倒くささや悩みごとを解消したいと思い立ったある男性は、商品のバーコードを読み取らせると調理時間を自分で設定し、勝手に調理をスタートしてくれるという電子レンジを自分で作ってしまいました。

Raspberry Pi Microwave - Made by Nathan
http://madebynathan.com/2013/07/10/raspberry-pi-powered-microwave/

そんなレンジを自作してしまったのがこちらのネイサン・ブロードベントさん。普段はウェブアプリケーションの開発を行うエンジニア業務にあたっています。


ブロードベントさんが作った「バーコード読み取り式・オート電子レンジ」が動作する様子は、以下のムービーで見ることができます。

Raspberry Pi Microwave - Feature Demo - YouTube


こちらが自作のオート電子レンジ。本体は既製品を流用していますが、その心臓部には超小型PCモジュールのRaspberry Pi(ラズベリーパイ)が内蔵されています。


自分でプログラム可能なRaspberry Piを使っているので、あらゆる使用が自分好みに設定できます。ムービーを見ればわかるのですが、電源を入れるとまるでPCのような起動音が再生されます。


ネットにつながっているので、ネット上のタイムサーバーから自動で時刻設定を行います。


操作パネルのボタンを押すだけの「ワンタッチ調理」ができるのは言うまでもありませんが……


この電子レンジは、声で話しかけた内容を解析してくれる音声認識機能を搭載しています。「Microwave, 25 seconds on defrost(電子レンジ、解凍モードで25秒)」と話しかけると……)


「OK」と返答し、解凍がスタートしました。


iPadからコントロールすることも可能となっています。


メインの機能となる、バーコードを認識して調理にそって動作する機能で実際に料理を作ってみました。レンジ用のパスタをボウルに移し……


必要な水やミルクを注ぎ入れます。


そしてボウルをレンジに投入。


次に、付属のバーコードスキャナーで食品のパッケージに記載されているバーコードをピッ。


すると、PCの画面上にスキャンしたバーコード情報が表示されました。


スキャンしたデータは、こちらもブロードベントさんが自分で構築したオンライン商品バーコードデータベース「Microwave Cooking DB」上で検索されます。データベースには商品ごとの調理方法がバーコード別に保管されており、そのデータを電子レンジに送信することで自動設定を可能にするという仕組みになっています。

データベース上に商品が存在しない場合は、自分で追加登録することも可能。


データベースには、電子レンジの出力設定、調理時間を登録しておける以外にも、「まぜる(Stir)」や「放置する(Stand))という項目を入れておくことができます。電子レンジはこの登録情報にそって「中身をかき混ぜてください」や「しばらくこのままで放置して(冷まして)ください」と言った指示をタイミング良く声で教えてくれるようになります。


新規登録が完了してデータがレンジに送信されると、自動で調理が開始されました。


設定しておいた時間がたつとレンジが一時停止し、「中身をかき混ぜてください」と音声ガイドが流れます。なお、まだ試作段階のため若干の時間のズレが発生している模様。


中身をかき混ぜて再びドアを閉めると……


2回目の加熱がスタート。中身をかき混ぜる作業は自分で行う必要がありますが、一度正しい設定をデータベースに保存しておけば、間違った調理方法で失敗することが避けられる、というシステムになっています。


自作にあたっては、既製品の電子レンジを流用する方法が採られました。操作パネル部に内蔵される電子基板もそのまま使います。


必要な基板はエッチングで自作して……


右に写っているRaspberry Piの基板とドッキングさせたりしています。


プログラミングに必要な素材は全てGitHubからゲットできたとのこと。今回のプロジェクトでは、4つのメインコンポーネントを組み合わせることで1つのシステムを作り上げました。


ムービーの最後では、ラズベリーパイ(Raspberry Pi)を使ってラズベリーパイ(Raspberry Pie)を作ってみたというブロードベントさん。


おいしそうなラズベリーパイができました。左に置かれているのはラズベリーパイのメインコンポーネント基板です。


今回は自作でバーコード読み取り式電子レンジを作成したブロードベントさんですが、実はすでに同じ機能を持つ電子レンジは販売されているとのこと。ブロードベントさんの狙いは、世界初の電子レンジを作ることではなく、自分が欲しい機能をもった電子レンジを自分の手で作り上げるということのようでした。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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