自作マイコンとさまざまな装置でカクテルを作ってくれる「Drinkmotizer」
バーなどでカクテルをオーダーしたときに楽しめるのが、カクテルを作るバーテンダーの動きや手さばきですが、そんなカクテル作りを自作マイコンキットのArduinoや色んな動力装置を組み合わせて作り上げられた自動カクテルマシンが「Drinkmotizer」です。
Raspberry Pi Projects: The Drinkmotizer - a Ras... | element14
http://www.element14.com/community/community/raspberry-pi/raspberrypi_projects/blog/2014/01/17/raspberry-pi-drink-mixing-robot--aka-the-drinkmotizer
実際にDrinkmotizerが動いてカクテル「ロングアイランド・アイスティー」を作っているムービーがこちら。グラスにお酒が注がれていく様子を見ることができます。
Drinkmotizer -- the drink mixing robot platform - YouTube
まずはグラスを台の上にセット。
左から2番目のボトルからお酒が注がれています。
左に立っている人は何もしていないのに、グラスは右へ移動して、別のお酒が注がれていきます。
最後のチューブからは大量の水かソーダが注がれている様子。今回作っているはずの「ロングアイランド・アイスティー」はソーダや水で割ることはあまりないはずなのですが、味のほうは大丈夫なのでしょうか……?
「どう?」という顔で目配せをしてくる男性。
手元にグラスが戻ってきました。
グラスが行って戻ってくるまでをGIFアニメーションにするとこんな感じになります。
「こうやって作るのが一番うまいんだよ」といいながら飲んでみると……
ソーダを入れすぎたのか、水っぽくなってしまったようで大爆笑。ちょっと失敗しました。
このDrinkmotizerを作成したのはCabe Atwellさん。そのきっかけになったのは、金属加工などに使う「旋盤」の動きでした。
「この移動する台の上にジュースの缶を置いてみたらどうなるんだろう?」というところからスタートしたそうです。
台を移動させる動力には、旋盤と同じボールねじを使って細かい動きを実現できるようにしました。
各部のパーツは自作です。まず、グラスホルダーの土台部分の設計図を描いて……
工作機械を使って、金属の塊からの削り出し。
こちらは、お酒のボトルを逆さまの状態で支えるボトルホルダー。
このパーツは樹脂からの削り出しとなっています。
図面で描かれた本体のフレーム構造はこんな感じで……
組みあがっていくとこうなります。土台部分には、すでにボールねじの機構が組み込まれています。
樹脂から削り出したボトルホルダーは、最終的にこのような姿になりました。
これは、チェイサーとして出す水やソーダのボトルに取り付ける金具です。
金具には、2つの穴が開けられ、それぞれパイプを通す用の部品が取り付けられました。
ボトルに取り付けたところ
取り付けられた青いチューブを通して圧縮した二酸化炭素を送り、その圧力で中の液体がグラスへと注がれるようになっています。
ずらりとならんだボトルの数々。
ボトルホルダーには「BOTTLE MODULE」の文字と通し番号が振られ、なんだか物々しい雰囲気をかもし出しています。
本体の裏面に回るとこんな光景が。
チェイサーのボトルに送る圧縮空気をコントロールするためのバルブ機構も装備。
本体の横には小型のタッチディスプレイが備え付けられ、プリセットされたカクテルから好きなものを作ることができます。
友達が集まったときなど、こいつがあれば盛り上がることになりそうです。
このDrinkmotizerの土台となっているのは、オープンソースのマイコンボードであるArduinoで、GUIにはプログラミング言語「Python」用のライブラリであるTkinterを使用しているそうです。
ボトルからお酒をショットする部分には、自動車のドアのオートロックに使われているモーターが流用されています。
このDrinkmotizerはまだまだ完成形というわけではなく、製作者であるAtwellさんはもし時間とお金が余っていたら、以下のようなカスタマイズを進めたいと語っています。
・タッチスクリーンの改良。
・ボトルモジュールの改良。より少ない量を測れるようにすることと、稼働中にもボトルを交換できる「ホットスワップ対応」にしたい。
・台の駆動方式をボールねじから磁石で力で駆動するリニアモーターに変えたい。指を挟む心配がなくなり、移動のスピードも向上するから。
・ボトルモジュールにささっているボトルを感知するセンサー。ラベルやバーコードを見て、どのお酒が装着されているのかを検知できるように。
いろいろと夢の広がるカクテルマシンですが、試運転のし過ぎによる飲みすぎには気をつけてほしいところです。
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