サイエンス

妊娠中の運動は赤ちゃんの脳の成長をロケットスタートさせる効果がある

By brennaval

適度な運動は体の健康を保つために効果的なので、毎日続けたい習慣の1つです。ただし、妊娠中の女性が運動しているのを見ると、赤ちゃんにどんな影響があるのか、心配になってしまいます。モントリオール大学とサント・ジュスティンヌ大学付属医療センターの合同研究チームは、妊娠中の運動に赤ちゃんの脳の成長スピードを促進させる効果があることを発見し、妊娠中の運動が赤ちゃんにいい影響を与えることが判明しました。

Exercise during pregnancy gives newborn brain development a head start - UdeMNouvelles
http://www.nouvelles.umontreal.ca/udem-news/news/20131111-exercise-during-pregnancy-gives-newborn-brain-development-a-head-start.html

研究では、5~7カ月目の妊娠中期に当たる女性を「週3回20分程度の運動をする」と「運動を全くしない」2つのグループに分け、出産するまでタスクを続けてもらいました。先のグループが行なった運動は、ウォーキング・軽いジョギング・水泳など少し息が切れる程度のものです。

その後、被験者の女性が出産した赤ちゃんの脳波を調査。調査方法は生後8~12日目までの新生児を対象に行い、睡眠中の赤ちゃんの頭部に124個もの電極を着け、さまざまな種類の音を聞かせて、赤ちゃんの脳波を調べるというもの。赤ちゃんの脳波を調べて、脳が以前に聞いた音と、そうでないものをしっかり区別できているのかを判別し、脳の聴覚記憶能力を確かめて、2つのグループの赤ちゃんに差が出るのか調べたというわけです。


調査の結果、妊娠中に運動をしていた女性の赤ちゃんの脳は運動を全くしていなかった女性の赤ちゃんよりも効率的にさまざまな音を区別でき、聴覚記憶能力が優れていることが判明。つまり、妊娠中の運動が赤ちゃんの脳を通常よりも早いスピードで成長させたことがわかります。研究を率いたデイブ・エレンバーグ教授は「妊娠中に運動することで、赤ちゃんの脳が通常よりも早く成長することがわかりました。動物で実験を行なった時にも同様の結果を得られましたが、人間を対象にした同実験は初めての試みだったんです」と話しています。

エレンバーグ氏と一緒に実験を実施したダニエル・カーニア教授によると、妊娠中の運動が母体の産後の健康に影響を与えたり、赤ちゃんの肥満を防止したりする効果があることが以前の研究から判明しており、今回の実験結果を加味すると、運動が大人だけでなく生まれる前の胎児にもいい効果をもたらすと言えます。

By sean dreilinger

エレンバーグ氏率いる研究チームは、引き続き、被験者の赤ちゃんが1歳になったとき妊娠中の運動によって促進された脳の成長スピードがどうなっているのか、認知能力・運動機能・言語能力の3つの分野から調査しているとのことです。

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in メモ,   サイエンス, Posted by darkhorse_log

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