運転中に目線をそらさず機器操作ができるタッチ操作UIの提案モデル
自動車に搭載されている機器の電子化が進み、高級車を中心にエアコンなどのコントロールを含めてタッチパネルによる操作が増えてきました。しかし、画面に細かく表示されるボタンを操作するためには運転中の視線を画面に向ける必要があることも多く、安全性の面ではあまり褒められたものではないこともあります。そんな機器の操作を簡単に、しかも安全にしてくれるかもしれないユーザーインターフェイスとして提案されているのが「A New Car UI」です。
A New Car UI - Matthaeus Krenn
http://matthaeuskrenn.com/new-car-ui/
「A New Car UI」を提案しているのは、サンフランシスコ在住のデザイナーのマテアス・クレン(Matthaeus Krenn)さんです。
多機能化が進んだ自動車の操作画面は今やこんな感じに細かいボタンが多く表示されるようになってきました。クレンさんはこれを問題と考え、「指先の感覚で操作できていた従来のボタン式に比べ、画面タッチによる操作はそのたびに目を向ける必要があり、安全性の面ではあまり好ましいものではない」と語ります。
そんなクレンさんが発表しているのが、以下のようなマルチタッチ画面の機能を活用したUI画面のコンセプトです。細かいボタンの類いは表示されず、画面をタッチする指の数だけで操作する内容を切り替えられる様子を見ることができます。
A New Car UI: How touch screen controls in cars should work - YouTube
操作するには、このように2本の指を画面に添えて……
指を画面で上下させるだけで、ボリュームをコントロールすることができます。
2本の指を使った場合は……
音量ボリュームのコントロールが可能。
指の本数を変えると、コントロールする項目を変えることができます。3本の場合は……
ソース(音源)の変更が可能です。
4本の場合は……
エアコンの温度を上下させることができます。
そして5本の場合には……
風量調節を行うことが可能になりました。
また、指の間隔を広くすることで、同じ指の本数でも異なった操作が可能。2本指を広めに広げてスライドさせると、曲やプレイリストの操作ができます。
3本指を広げて上下すると、ラジオの周波数を調整することも可能。
このプロトタイプUIを以下のリンクから試してみることもできます。動作はiPad向けに最適化されているため、iPhoneやAndroidなどの端末の場合は操作が難しくなりますが、試してみることは可能です。タッチパネル搭載のノートPCなどには基本的に対応していないようです。
A New Car UI - Matthaeus Krenn
http://matthaeuskrenn.com/new-car-ui/prototype/
AppleがiPhone連動カーナビアプリ「iOS in the Car」を開発しているなど、今後はさらに自動車とコンピューターの連動が進められることになりそうですが、「A New Car UI」はそのような環境でも前を向いたまま視線を落とさずにいろいろな操作ができる便利なUIになりそうです。
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