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わずか半年で90万人以上のTwitterのフォロワーを得た「@HistoryInPics」が成功したワケ


「エイブラハム・リンカーンが息子に話しかける写真」や「モハメド・アリがアンドレ・ザ・ジャイアントと手の大きさを比べる写真」、「広島で原子爆弾が爆発した時に石畳に残された人の影」など、さまざまな歴史的瞬間を収めた写真をツイートしているのが「@HistoryInPics」です。アカウントには100万にも及ぶ多くのフォロワーが集まって人気を博しています。

The 2 Teenagers Who Run the Wildly Popular Twitter Feed @HistoryInPics - Alexis C. Madrigal - The Atlantic
http://www.theatlantic.com/technology/archive/2014/01/the-2-teenagers-who-run-the-wildly-popular-twitter-feed-historyinpics/283291/

こちらが「モハメド・アリがアンドレ・ザ・ジャイアントと手の大きさを比べる写真」を紹介する@HistoryInPicsのツイート。

トレードマークの「モンロースマイル」を見せていない素の状態のマリリン・モンローの様子や……

ニューヨーク・マンハッタンを練り歩く動物の光景など、さまざまな写真が一時間に1枚程度のペースで更新されされています。

@HistoryInPicsを立ち上げたのは、オーストラリア在住のザビエル・ディ・ペッタさんとハワイ在住のカイル・キャメロンさんの2人。年齢は記事執筆現在ディ・ペッタさんが17歳、キャメロンさんは19歳で、両者がまだ13歳と15歳の時にYouTube上で知り合いになり、それ以降は協力してソーシャルメディアにまつわるプロジェクトを立ち上げてきました。

2人はYouTubeアカウントを立ち上げ、広告を利用して収益化、Facebookで1000万以上もの「いいね!」を集めたページ「Long, romantic walks to the fridge.」を作り上げた後に売却することでも利益を得ています。また、ディ・ペッタさんが立ち上げたソーシャルマーケティング、モバイル向けアプリ開発を行う企業「Swift Fox Labs」は10数名の従業員を抱え、毎月5万オーストラリアドル(約450万円)の収益を上げるようになっています。

Swift Fox Labs - Social Media Marketing, Mobile Apps, iOS Development Swift Fox Labs – Specialize in Social Marketing & Mobile Strategy.
http://www.swiftfoxlabs.com/


そんな二人が立ち上げたこれまでで最大のプロジェクトが@HistoryInPicsです。このアカウントは、歴史的瞬間を収めた写真を簡潔なキャプションとともに投稿するというもので、2013年7月に立ち上げてわずか半年で90万以上のフォロワーを集めるという人気アカウントとなっています。Twitterなどによる優遇サポートを受けていないなか、これは驚異的な数値と言えます。

直近の100ツイートをThe Atlanticが調査したところによると、平均リツイート数が1600回、お気に入りに登録されたのは1800回にものぼるということがわかっています。アメリカのファッション誌「Vanity Fair」の公式アカウントでも、1件の投稿につき10リツイート程度であるのとは対照的な数値です。


また、フォロワーの質が高いのも特徴。平均的なツイッターアカウントでは、「ボット」と呼ばれる自動プログラムによってフォローされる確率が約34%であるのに対して@HistoryInPicsはわずか5%となっており、フォロワーのほとんどが実在する人物であることを示しています。

ディ・ペッタさんとキャメロンさんが新規プロジェクトを立ち上げる際に取っている方法は、まず伸びそうだと思ったトピックについてのTwitterアカウントを作成し、そのアカウントにフォロワーが付いたら今度は既に人気を博している別のアカウントで新規アカウントを紹介するというもの。ディ・ペッタさんによると「この方法を利用するとフォロワーが集まっていき、その数が5万から10万に達するまでになると、あとは他からの助けなしに勝手に成長する」という戦略であるそうです。

構想自体は特別なものではなく、他の多くの人が成功を夢見る際に採る方法と同じと言えますが、二人が優れているのは、「まるでオーディエンスが「今聴きたい」と思っている曲をピンポイントで流すクールなDJのようにトレンドを提供できる」点であるとThe Atlanticは見ています。

By Chris Petty

また、@HistoryInPicsが既存のメディアの手法とは異なる手法を採っているという点も大きく影響しています。@HistoryInPicsがこれまでにフォロワーを獲得してきた過程では、その写真のソースとなる作者に対する対価は支払われていません。ソース元の表示やリンク先なども記載されておらず、既存メディアのルールを踏襲せずに、近年台頭してきている新メディアのルールで成功を収めてきているのです。

この点に関してサブカルチャー系の話題を掲載するグループブログ「Boing Boing」の共同設立者であるゼニ・ジャーディンさんはTwitterで「@HistoryInPicsのツイートが好き」としつつも「もし、使われている写真すべてに作者名のクレジットを入れることになると、アカウント運営は行き詰まるのでしょうか?」と核心に触れる疑問を投げかけています。Atlanticの取材に対してディ・ペッタさんは「写真の多くは知的財産権が存在しないパブリックドメインだから」と説明しますが、実際にはそのほぼすべてにはドメインが存在していることが判明。「もしTwitterから連絡があれば、削除します」と言いながらも「カメラマンの多くは、自分の写真をたくさんの人に見てもらいたいと思っています」と主張しています。

さらにAtlanticが「もし、カメラマンが『自分の写真を金もうけに使われたくない』と言っているとしたら?」と質問したところ、「@HistoryInPicsは写真ではなく、フォロワーが生むトラフィック量から収益を得ています」と主張。さらに「『写真がなかったらトラフィックも生まれない』と言うが、掲載された写真が『A』であろうと『B』であろうと、トラフィックは生まれます。誰が何を見ているのかということは把握できません」と返答しました。

By SheffieldStar

このロジックは、FacebookやTwitter、Pinterestのような、著作権の存在する写真をユーザーが掲載することからも利益を得て、その対価を支払っていないケースも存在する他のソーシャルメディアと同系統の論法。@HistoryInPicsはこれら巨大SNSに比べると少ないものの、収益を得ているのは確かですが、@HistoryInPicsのトップページには「Images shared for educational purposes.(写真は教育目的でシェアされます)」と意味深な注釈が添えられています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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