Gmailで画像を表示するときの仕様変更でユーザーに及ぶ影響は？

By Tom Page

Gmailで受信したメールに画像が含まれている場合、初期設定では表示されないので「 下記の画像を表示(英語版：Display images below)」をクリックして表示させる必要がありましたが、今後はメールを開いた時点で全ての画像を開いた状態にすることに仕様が変更されます。ちょっとした見た目の変更のように思えますが、その裏側では実はいろいろな点が変わることになります。

Official Gmail Blog: Images Now Showing
http://gmailblog.blogspot.jp/2013/12/images-now-showing.html

With the New Gmail, People Will Know When You Open That Message | Wired Business | Wired.com
http://www.wired.com/business/2013/12/gmail-spying-explained

Gmail blows up e-mail marketing by caching all images on Google servers | Ars Technica
http://arstechnica.com/information-technology/2013/12/gmail-blows-up-e-mail-marketing-by-caching-all-images-on-google-servers/

How Gmail’s Image Caching Affects Open Tracking | MailChimp Email Marketing Blog
http://blog.mailchimp.com/how-gmails-image-caching-affects-open-tracking/

Gmailの発表では、今回の仕様変更によってユーザーは画像を表示させるのに「Display images below」をクリックする手間を省け、より安全にメールを読めるようになった、とされています。

しかしながら、Wiredは、今回の仕様変更がメールの送信者に大きな利益をもたらすと指摘しています。メール内の画像が読み込まれるとメール送信者のサーバーに通知が送られるため、メール送信者側で「受信者がいつメールを開いたか」などの情報を得られるようになるためです。

メールマガジンの配信サービスを行うMailchimpもWiredと同様に「メールを開けた時に画像が自動的に表示されることで、受信者が同じメールを開いた回数を把握することは難しくなりましたが、未読だったメールを一度でも読んだかどうか、より簡単に知ることができるようになります」と語っています。

By Coincoyote auvergne blog "l'autre pays du fromage"

一方で、Ars Technicaは今回の仕様変更によって、メール送信者が「いつ受信者によってメールが開かれたか」を知ることがより難しくなる、と他とは逆の見解を示しています。こちらの見方だと、メール内の画像は送信者サーバのものを読み込むわけではなく、Googleがメール内の画像を管理することになるので、メールマーケティングをしている企業からみるとユーザー情報を得にくくなり、一方でGoogleがユーザーのプライバシー情報を管理しやすくなるそうです。

「メール内画像からのマーケティングを難しくして、今までメールで広告を配信していた企業をGoogle AdSenseへ移行させることが、Googleがひそかに抱いている期待ではないか」とArs Technicaは予想しています。

By Angelo Su

今回の仕様変更はPCやスマートフォンでGmailを使用した場合のみ影響し、iOSのメールアプリなどでGmailを読んでも影響は出ないとのこと。Gmailは、画像表示方法の変更について、2013年12月13日からPCのGmailに、2014年初頭からAndroidのGmailアプリに実装すると公式に発表しています。結局、スパムに悩まされているユーザーの現状が何とかなるわけではなさそうです……。