ユーザーのPCでBitcoinを採掘させていたオンラインゲーム会社が明らかに

By BTC Keychain

P2Pの仕組みを利用することで簡単に送受信できる仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」はネット決済ツールとして日増しに存在感を強めており、ビットコインに対応したATMまで登場しています。ビットコインを手に入れるには、自分のPCで専用プログラムを走らせるマイニングという方法がありますが、マイニングはビットコインの埋蔵量に限界を設定した上で発掘ペースを一定にするという巧妙なアルゴリズムを採用しているため、新規発掘が日に日に難しくなっているとのこと。難易度が高くなってしまったビットコインの採掘に、ゲームのユーザーのPCを秘密裏に参加させるという方法を使用したオンラインゲーム会社E-Sportsが約1億円の和解金支払いを命じられるという事例が発生しました。

State of New Jersey
http://nj.gov/oag/newsreleases13/pr20131119a.html

Brilliant But Evil: Gaming Company Fined $1 Million For Secretly Using Players' Computers To Mine Bitcoin - Forbes
http://www.forbes.com/sites/kashmirhill/2013/11/19/brilliant-but-evil-gaming-company-turned-players-computers-into-unwitting-bitcoin-mining-slaves/

E-sports site settles covert Bitcoin mining case for $1 million | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2013/11/e-sports-site-settles-covert-bitcoin-mining-case-for-1-million/

事の発端は2013年4月、オンラインゲーマーがゲームのプレイ中に、自分のPCに必要以上の負担がかかっているのに気づいたことでした。不思議に感じたゲーマーがログを確認したところ、PCがチェコにあるビットコインのプールで他人のビットコインマイニングを手伝っていることが判明。さらに調査を続けたところ、ゲーマーのPCの動作は、E-Sportsのクライアントが原因であることを突き止めます。

ゲーマーは、すぐにE-Sportsのフォーラムに、他のゲーマーに注意喚起を促す内容の書き込みを投稿。E-Sportsは、1人の社員がエイプリルフールのジョークとしてクライアントに埋め込んだビットコインを手に入れるためのコードを削除し忘れた、と釈明しました。

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その後E-Sportsはビットコインマイニングをコードに組み込こんだエンジニアの1人を解雇し、不正に獲得した金額の2倍である7426ドル(約74万円)を米国ガン協会に寄付したとのことですが、解雇されたエンジニアは会社を相手取り訴訟を起こしています。

E-Sportsの事件はこれだけでは終わらず、2013年11月18日ニュージャージーの司法長官が「E-Sportsに対して起こされた刑事訴訟を終わらせるため、E-Sportsが100万ドル(約1億円)の和解金を支払うことで合意した」と発表。司法長官は「被告人は何千ものユーザーのPCに許可なくアクセスし、PCを監視して仮想通貨を獲得した」とコメントしています。

By SalFalko

E-Sportsには10年の執行猶予が与えられているため、和解金のうち、まず32万5000ドル(約3200万円)を支払い、残りは今後の行動によって支払いの可能性が出てくるとのことです。この処分に対してE-Sportsは「同意していません」と発表しています。

今まではフリーソフトのインストール時に、バンドルされた謎のツールバーやアプリのインストールを促すことでお金を儲けるというモデルがありましたが、今後はフリーで提供する代わりにソフトの起動中はバックグラウンドでCPUパワーを使ってBitcoinを生成する、というタイプのものが出てくる可能性がありそうです。