2013年11月12日 19時00分ネットサービス

Bitcoinがページにコードを貼るだけでゲットできる「Tidbit」

仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」は、取引所(両替所)で購入する以外にも、自分のマシンパワーを使ってマイニング(採掘)することができるという特徴があります。このマイニングを、ウェブサイトのアクセスを利用して行うというマイニングサービスが「Tidbit」です。

Tidbit
http://www.tidbit.co.in/

ビットコインのマイニングは、専用ソフト「miner」で計算したハッシュの数に応じて、新しく生成されたビットコインが分配されるという仕組みがとられていますが、マイニング競争は激化しており、現在、ビットコインをゲットするためにはマイニング専用のチップ「asic」を搭載した特別なマシンの使用が必須とされており、もはや素人がPCを使ってマイニングすることは困難な状況にあります。

このグラフは、赤色がマイニングの難しさを、青色がビットコインの市場価格を表しています。ビットコイン価格の上昇とともに、マイニングの難しさも上昇しています。

これに対して、Tidbitは、生成したコードを自分のウェブサイトに貼り付けるだけで、そのウェブサイトを人が訪れる度にハッシュが生成されるという仕組みを持ち、マイニングのために高性能なマシンを必要としないという、いわば他力本願なマイニングツールです。

◆コードの作成
さっそく、自分のサイトに貼り付けるビットコインマイニング用のコードを生成してみました。

Tidbitを利用するためには、ビットコインを管理する「Bitcoin wallet(ビットコインウォレット)」が必要です。ビットコインウォレットはビットコインを管理するウェブサービスで、モバイル端末からアクセスするためのお財布アプリも多数リリースされており、iOSでは「Coinbase」、Androidでは「Bitcoin Wallet」などのアプリから利用可能です。今回はBitcoin Walletを利用してビットコインウォレットのアカウントを作成してみました。

Google Playで「Bitcoin Wallet」アプリをダウンロードしインストール。

インストールしたBitcoin Walletを起動させます。「開く」をタップ。

Bitcoin Walletを起動させるとメイン画面が現れ、「Bitcoin Address(ビットコインウォレットID)」が表示されています。このID文字列はTidbitのアカウント登録に必要となります。

次に、Tidbitのアカウントを作成します。Tidbitの公式サイトで「Sign up」をクリック。

メールアドレス、先ほどメモしたビットコインウォレットID、パスワードを入力して「Sign up」をクリック。

サインインしたトップページの「Your embed code」にウェブページに貼り付ける専用コードが表示されました。

あとは、この専用コードを自分のウェブページに貼り付ければ、ウェブページに人がアクセスする度にマイニング(1アクセスあたり2万ハッシュが生成)できるというわけです。なお、このコードを貼り付けても、特にウェブページの表示に変化は見られないということです。

◆Tidbitの実用性
Tidbitの詳しい仕組みは明らかにされていませんが、他人のマシンのパワーを使ってマイニングをしようというアイデアはこれまでにも試されてきました。例えば、PHPとJavaScriptを組み合わせることで、他人のサーバーのマシンパワーを利用してマイニングさせようという「CurlyBrace」が考案されています。

PHP/JS Miner: CurlyBrace; Proof-of-concept
https://bitcointalk.org/index.php?topic=166417.0

CurlyBraceでは、JavaScriptを実装したウェブページにアクセスして偽のリクエストをウェブサーバーに送信しハッシュ値を計算させるという仕組みが採られています。しかし、そのマイニング速度は毎秒0.1M(10万)ハッシュという低速で、実用レベルには至っていません。

ちなみに、最新のマイニング専用マシンは1秒間に1テラ(1兆)以上のハッシュを生成します。例えばCointerra社の「TerraMiner IV」は2TH/s(毎秒2兆のハッシュを生成可能)というスペックを持ちます。