台風30号ハイエンの「気象津波」がすべて飲み込んでいく様子を目前で記録した貴重な映像がYouTubeで公開中
フィリピン中部を襲って5500人超の死者・行方不明者を出している台風30号「ハイエン」ですが、被害の原因の一つになった津波のような高波「気象津波」の様子を撮影したムービーがYouTubeで公開されています。
Eyewitness footage of Typhoon Haiyan washing house away - YouTube
この映像は、11月8日(金)の現地時間午前6時にサマール島南東部のヘルナニで撮影されたものです。撮影を行ったのは、途上国の子どもたちとともに地域開発を進める国際NGO「Plan(プラン)」の現地スタッフであるNickson Gensis氏。Gensis氏は海から数百メートル離れた宿泊施設の2階に避難していました。
「私たちは宿泊施設の2階部分に避難していました。私以外の5名は祈りをささげていましたが、私は記録を残すためにビデオを回し続けました」と語るGensis氏。
強烈な風が左から右へと吹き付ける光景。地面にはすでに水が押し寄せており、画面右上の建物は一部が損壊しています。
そこへ、最初の高波が押し寄せてきました。
建物を飲み込む勢いで押し寄せる高波。強風に巻き上げられて波しぶきが巻き上がります。
強風を受けて強く揺れるヤシのような植物。すべてのものは強烈な力によってなすすべもない様子。
いったん収まったように見えましたが……
再び強烈な高波。
先ほどとは比べものにならないぐらいの高さ・量の海水が押し寄せます。
波は、建物の屋根ほどの高さにまで達しています。
そして、さらに高波が襲いかかります
ついに丸ごと飲み込まれる建物
ムービーはここで終わりますが、とてつもない力が台風によってもたらされたことを実感させられる光景となっており、史上最大規模の台風の威力が実際に動いている様子を見るとよく分かります。
Gensis氏はその後の状況をYouTubeのコメント欄に次のように記しています。「まさに津波のような状況でしたが、すぐに水は引いていきました。昼になったころ、階下に降りて外に出てみました。建物の外に出て、私の命を守ってくれた建物に感謝して写真を撮りました。午後2時から、Planが支援している村落に向かい、被害状況の調査を開始しました。住民に被害の聞き込みを行っていた時、ふと気がつくと自分が震えていることに気がつきました」
なお、日本赤十字社では救援・復興のための救援金支援を呼びかけています。
【日本赤十字社】寄付・献血・ボランティア|2013年フィリピン台風救援金
http://www.jrc.or.jp/contribute/help/l4/Vcms4_00004046.html
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