長さ24メートルの巨大な鉄扉を降ろして橋を封鎖する「淀川陸閘」の閉鎖訓練に行ってみた
7~8階建てのビルの高さに相当する長さ24メートルの「防潮鉄扉」を動かして橋を閉鎖する防災訓練が行われる、ということなので現場に行って一部始終を写真とムービーに収めてきました。
今回、取材を行った訓練現場は大阪府の淀川大橋にある陸閘(りっこう)。
この中に「防潮鉄扉」が収納されています。
橋の前の交差点はこんな感じ。
橋の上には合計4車線の道路があり深夜でもかなりの数の車が行き交っていますが、訓練時には人も自動車も全て通行止めになります。
「よどかはおほし」と書かれたプレート。
両脇には以下の様な堤防がありますが、橋の部分は低くなっているので、そこから川の水があふれるのを防ぐために作られたのが今回の訓練で使われる「防潮鉄扉」です。
閉鎖が始まる2時間程前には赤色灯を回した車が集まり始め、現場はものものしい雰囲気につつまれます。
バスに乗って関係者と見られる人たちが集まってきました。
消防車も待機中。
背中に国土交通省と書かれた制服を着用した人たちも登場。
「防潮鉄扉」が格納されている建物に近づき何やら作業を行っています。
扉の根元部分が見えました。
遠くから見ると「防潮鉄扉」の先端が出てきているのが見えます。
工事現場でよく見かけるクレーン車のブーム(竿)を巨大化した様な、細長い鉄の塊が徐々に起き上がってきています。
この部分を始点に180度回転して、橋を封鎖する構造。
操作盤はこんな感じ。
3分程かけてゆっくりと45度くらいの角度まで上昇。
下に立っている人間と比較すると、扉の巨大さがわかります。
垂直になるとこんな感じ。
橋の上から見ると以下の通り。
実際に扉がゆっくりと立ち上がっていく様子は以下のムービーで見られます。
長さ24メートルの鉄扉で橋を封鎖する「淀川 陸閘閉鎖訓練」 - その1 - YouTube
扉がほぼ垂直になった時点で、橋が通行止めに。
訓練を知らずに橋を通ろうとした人が警備員に制止されてしまいました。
道路に向かって扉が降りてきます。
淀川大橋、閉鎖完了。
垂直に立っていた地面と平行になって道路を封鎖するまでの一部始終は以下のムービーでチェックしてみてください。
長さ24メートルの鉄扉で橋を封鎖する「淀川 陸閘閉鎖訓練」 - その2 - YouTube
少し離れてみると、道路が突然巨大な赤い塊で遮られているという異様な光景。
「防潮鉄扉」を間近でみるとこんな感じ。
扉の高さは3メートルあり、間近で見るとこれが動くことがにわかには信じられないほど巨大です。
上から見るとこうなっています。
正常に扉が降りたことが確認されると、今度は逆方向に扉を回転させて、元の場所へ収納する作業がスタート。
扉の下に隙間が見えてきました。
グングンと持ち上がっていきます。
1分もすると人1人が余裕で通れる位の空間ができました。
根元側から見るとこうなっています。
橋がゆっくりと持ち上がって行く様子は以下のムービーで見られます。
長さ24メートルの鉄扉で橋を封鎖する「淀川 陸閘閉鎖訓練」 - その3 - YouTube
5分もすると45度位の角度まで扉が上がってきますが、まだ橋は通行止め。
訓練を見守る人々。
扉はゆっくりと元の場所に戻っていきます。
ほぼ収納完了。
通行止めが解除されるといつも通りに何事もなかったかのように車が走り始め、訓練は終了。
なお、この訓練は2012年7月7日の深夜から8日の早朝にかけて大阪府などを流れる淀川、神崎川で行われたもので、淀川大橋以外でも伝法大橋、神崎大橋など合計17の防潮鉄扉の開閉が行われていました。
また、同じような内容の訓練は毎年行われており、見学するのに申請をする必要もないため当日現場に行くだけで大迫力の作業風景を眺めることができるので、興味のある人は現場に足を運んでみるときっと楽しめるハズです。
2015/07/10 18:15追記
読者からタレコミがあったので、2015年のムービーを追加しておきました。
淀川大橋 防潮鉄扉開閉操作訓練 2015年7月4日 - YouTube
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