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指定した場所の地盤情報などから地震危険度を教えてくれる「地震ハザードカルテ」


日本は環太平洋火山帯と呼ばれる地震多発地域に属しており、地震が多発する国で、2013年に入ってから震度5以上の地震が9度起きていたり、近畿地方では最大震度6弱の地震が発生していたりします。そんな地震の多い日本に住んでいるからこそ使っておきたいのが、指定した場所の地震危険度を教えてくれる「地震ハザードカルテ」です。

地震ハザードカルテ
http://www.j-shis.bosai.go.jp/labs/karte/


まずは地震ハザードカルテで調べたい場所の住所を入力します。今回は大阪府大阪市の地震危険度を調べてみる、ということで住所を入力したら「診断する」をクリック。


すると表示されるこれが、指定の場所の地震危険度情報を詳細に記した地震ハザードカルテです。


カルテ上部には地震ハザード情報を診断した土地の情報が表示されています、なお調査されるのは指定したポイントの約250メートル四方。


左上には調査した土地の地震危険度の「総合評価」を記したグラフ。簡単に説明するとグラフの赤部分が大きい程地震の危険が強い土地、といえます。なので大阪市内の調査したポイントはかなり危険度の高い地域だった模様。


地震の危険度が低い地点では総合評価グラフはこんな感じになります。ただし、グラフが小さいからといって地震による危険性がないことを示すわけではないので、そこには注意が必要。


なお、この総合評価グラフは以下の表に従って評価されており、総合評価グラフ以外のグラフたちはこれらの値を細かく表示してくれています。


続いてカルテの左側中央にあるのが「表層地層地盤増幅率」を示すグラフ。この値が大きければ大きい程、同じ規模の地震が発生しても地表がゆれやすくなります。大阪市は地盤増幅率2.15で、ゆれやすさは上位2%とかなりゆれやすい地点のようです……


地盤増幅率の低い地点では増幅率1以下の場所もアリ。


そして「深部地層」について記されたグラフはカルテの左下にあります。このグラフは地震の起こすS波(主要動)の速度を各地盤の深さごとに記したもの。ものが硬い程波は速く伝わりますが、このグラフの場合S波は地盤の深さ約1200~1400メートル付近で大きく速度を落としているので、ここの地盤がやわらかくなっておりS波の速度を大きく落としていることがわかります。深部の地層がやわらかければ地表は激しくゆれることになるので、「L」字型グラフに近づくほど危険な土地ということになります。


地盤深部も硬い地点(比較的安全な場所)のグラフはこのようになり、地表近くで一気にS波の速度が落ちているのがわかるグラフに。


これはカルテ右上に記された「30年、50年地震ハザード」表。表の通り、今後30年50年後にかけての超過確率・震度の値・地表の最大速度の値を表しています。


30年経過しても震度5以上の地震発生確率が22%以下の地点もあることを考えると、大阪市はかなり地震に警戒しなくてはいけない地域のよう。


そしてカルテの右側中央にあるこれは「ハザードカーブと影響地震カテゴリー」。これは各種地震ごとの超過確率を見たグラフで、グラフが上にいくほど一定以上の大きさの揺れが起きる確率が高くなることを示しています。


そして「長期間平均ハザード」がカルテ右下にあり、これは各年数が経過した際に1度は各値の震度の地震が発生する、ということ。この表でいうと「5000年に1度は震度7以上の地震が1度は起きる場所」ということになります。


あまり聞き慣れない言葉も使われていますが、視覚的に判断しやすいよう表やグラフを使って地震危険度についての情報が記されていたり、用語集が準備されていたり。このサービスを使用すれば、どんな場所の地震危険度でも詳しく見ることが可能なので、地震に備える前の予備知識として1度家や仕事場、学校などの近くを調査してみるのも良いかもしれません。

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by logu_ii

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