オバちゃんがオバちゃんをぶん投げるボリビアのオバちゃんプロレス

女子プロレスとは違う、オバちゃんたちによるプロレス、略して「おばプロ」。揺れる揺れる、中身が見えるフリフリのスカートを履いたボリビアのオバちゃんが、リングの上を駆けまわっていました。パンツが丸見えになるというハプニングも。毎週日曜日に繰り広げられるオバちゃんプロレスは、ボリビアを訪れるバックパッカーの間では有名なイベントで、首都ラパス郊外のエル・アルトという場所で行われています。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。ラパス滞在中にタイミングが合ったので、オバちゃんプロレスを観戦してきました。一つのエンターテイメントとして完成されていたオバちゃんたちの芸術。戦うオバちゃんたちの華麗な姿を御覧ください。
◆第一試合(主役は骸骨ライダー、悪役は覆面レスラー)
正義の味方を体現したカッコイイ主役

覆面レスラーに投げられる骸骨ライダー

主役もやられているばかりでありません

審判に向かっている間に覆面レスラーが後ろから迫って、観客が「うわぁーっ」。振り返って覆面レスラーを追いかけると、審判が後ろから迫って「うわぁーっ」と、お約束が繰り広げられていました。この審判も悪いやつで、覆面レスラーと共謀して主役を苦しめていました。

なので、主役に詰め寄られる悪役レフェリー。

思いっきり投げられてもいました。

◆第二試合(主役は緑のスカートの細身の女性、悪役は白のスカートの大柄な女性)
帽子のティアラが目を惹く主役の登場。

対する悪役女性の存在感。この女性レスラーの登場の際に手を引っ張られて一緒に軽いダンス、去り際に南米式の頬同士を刷り合わせる挨拶を求められたので応えます。でも、次の人は頬を指していたのに不意に唇にキスされていました。一気に周囲は盛り上がります。

みごとな悪っぷり

本当に悪い顔をしています

主役を担ぎ上げる悪役のオバちゃん

リング際で悶える主役

でも悪役レスラーに負けてばかりではありません。乗り上がって……

両脚で上半身を挟んで倒れ込みます。

悪役を締め上げる後ろ姿

悪役のオバちゃんが優勢だった主役の危機に、第三のオバちゃんがまさかの助っ人として参戦。そのままクライマックスとなり、主役の勝利で第二試合目の幕は閉じました。

◆第三試合(主役はニンジャマン、悪役は筋肉レスラー)
主役のニンジャマンは握りしめた拳をもう片方の手に合わせて頭を下げる東洋らしい挨拶で入場。ニンジャを意識したような衣装で親近感が湧きました。

対する筋肉レスラーは目潰しなど非道の限りを尽くします。

さらにチェーンを使う筋肉レスラー

チェーンでニンジャマンの首を絞めて攻撃

筋肉レスラーに持ち上げられる、ニンジャマンの細身の体。体格差があって不利な状況でしたが……

ロープを使って互いの体がスピーディーに入れ替わる展開となり、スピードに長けたニンジャマンがそのまま畳み込むようにして、筋肉レスラーを抑えこんで第三試合は終了。

第四試合(主役は緑のスカート、悪役は赤のスカート)
第二試合目と比べると、こちらのオバちゃん達のは大技が炸裂。動きのキレもあり見応えのある試合となっていました。
オバちゃんがオバちゃんを担いで放り投げます。





高く上がった足が喉ぎわを攻める


ロープを掴んでダイナミックな飛び蹴りを見せてくれました


コーナーに登ったオバちゃんは軽やかに宙を舞います

◆第五試合(主役はスーパースターと狼男、悪役は軍人と太っちょ)
スーパースターは登場の際に、腰をくねらせ女性陣の前でアピール。

えっ、狼男?

五試合目はタッグマッチでした。こちらが主役チームのスーパースターと狼男。

こちらが悪役チームの軍人と太っちょ。

リングに上がった狼男はかなりシュール

陸上スターであるウサイン・ボルトのポーズを決める狼男はノリノリです

悪役の軍人はボリビアガス紛争が起きた国内事情を感じさせます。

狼男と軍人による対決の構図



これは動物虐待!!

ロープの上に上る狼男

つかみ合う狼男と太っちょ

苦しむスーパースター

登場時のチャラチャラしたキャラとは違って、リングの上では真剣な眼差しを向けるスーパースター。かなり、冷え込んでいるのに彼だけ上半身ハダカですしね。

スーパースターと軍人の取り組みを見守る狼男

軍人と審判

狼男の勇姿は、観客席で見ているボリビアのちびっ子にも大人気でした。

試合終盤にはリングを囲む柵を使った攻撃もあり……


椅子も凶器となっていました

審判をぶん投げるスーパースター

存在感のある狼男もあって、このタッグマッチが一番盛り上がりました。
◆第六試合
第五試合目の熱闘に比べると、オバちゃん同士の痴話喧嘩といった感じがして盛り上がりに欠けます。観戦も長くなって疲れてもきてもいましたし、オバちゃん同士で髪をハサミで切るのもエンターテイメントというよりは痛々しくて。

ハサミを持ったままつかみ合い。

リング外で乱闘

オバちゃん同士の戦い



振り上げられた椅子は……

審判に投げられて損傷。レスラーと比べると目立ちませんが、全試合に出場していたこちらの審判もオバちゃんプロレスには欠かせない人物で、悪役レフェリーとして主役に蹴りを加えたり、そうかと思えばお金で買収されて主役と一緒に戦ったりと、見ていて楽しかったです。

全六試合を休憩を挟んで2時間近くの観戦。会場を出て行く頃にはすっかり暗くなり、すり鉢の底にあるラパス市街の夜景も輝いていました。
◆まとめ
ラパス市街からエル・アルトまでは乗り合いのミニバンに乗って2ボリビアーノ(約30円)で20分くらい。そこから、歩いて試合会場へ向かいます。エル・アルトは標高4000mを越えていて、プロレスの試合も夕方からの開始になるので、観戦中はかなり冷え込みました。防寒対策はしっかりとしていった方がよさそうです。チケットは外国人料金の50ボリビアーノ(約730円)と、現地の人より高い金額設定。ただ、その分だけ席も違いますし、スナック券やトイレ券といった特典も付けてくれるので、ここは黙って協力するしかないでしょう。

こちらがチケット

50ボリビアーノのチケットだと、試合終了のあとで一緒に記念撮影を撮らせてもらえます。
見るものを楽しませるためにリングに上がるオバちゃん達の真摯な姿には、胸が熱くなりました。オバちゃんプロレスは地元の人たちでも賑って、悪役には野次を飛ばしたりして、熱く盛り上がっています。ボリビアの日常が垣間見れる楽しい場所ですので、ラパスに訪れる際はぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?
街を歩いているとプロレス中継が入ったコピーDVDの映像が流れていますし、プロレスラーのポスターも売られているほど、ボリビアではプロレスが人気となっています。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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