取材

自分が同じ顔ができるかと不安になった、カメラを通してとらえたバングラデシュの人たち


「何しにバングラデシュへ」と尋ねてくる地元民に「なんとなく」と答えていた日々。いや、そこにバングラデシュがあるからなんです。国境を越えたら文化や風習も変わります。特に目的もなく散歩をする毎日でした。それだけで集まってくる人たち。こんな私でも人気者です。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。5月20日から6日間だけでしたが、バックパッカーとなってバングラデシュに行ってきました。インドを凌駕する人々が行き交う雑踏。街を歩けば誰かしら声をかけてくれます。「写真を撮って」「写真を撮らせて」と気がつくと、カメラは彼らの笑顔でいっぱいに。

◆バスがストライキ
ネパールの旅を終えて、インドに再入国したラクソウル(Raxaul)という町から、東の大都市コルカタ(Kolkata)まで移動。そこをベースにしてバングラデシュを往復します。インターネットの情報を頼りに、グリーンライン(Greenline)というバス会社を選択。コルカタからバングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)へ向かう便は、早朝5時半の出発でした。

12時過ぎに国境のイミグレーションに到着。バスを降りて、入出国の手続きを済ませます。バングラデシュはビザが必要な国なのですが、ベナポール(Benapole)の国境では無料でアライバルを発行してくれました。「バングラデシュに入国したらは別のバスに乗り換えて、ダッカまでのお金はそこで払って」というのが事前の説明。すぐに国境まで乗ってきたグリーンラインのオフィスをみつけたのですが「ストライキなのでダッカまでのバスはありません」というまさかの事態。

バングラデシュの国境。


それでも、責任は自分にないので、切り替えていきましょう。ちょうど、ベナポールの鉄道駅からクルナ(Khulna)という大きな町に、向かう列車があったので乗り込みました。クルナには2日間の滞在。ダッカしか行かない予定でしたが、別の町も見ることができたので、突然のストライキも結果としては良かったです。

ローカル列車での移動。


クルナの特産品となるエビのオブジェクト。


熱帯地方にやって来たと実感させる鮮やかな花と深い緑。


クルナからダッカまでは、バスが出ていました。ガンジス川の河口は広すぎて橋が架かっていないため、船で渡る必要があります。ダッカには4日間の滞在。思い立ったら街を散歩するのが日課でした。

バスを乗せたフェリー。


たくさんの人々で混雑していたダッカの商業地区。


富裕層が集まる地区には、巨大な高層マンションやビルが立ち並んでいてました。


ダッカから、再びコルカタに戻りたいのですが、ストライキは未だに継続中で、当てにしていたグリーンラインが使えません。でも、街中では長距離っぽい大型バスに人が乗り込んでいたりします。全部のバス会社がストライキに参加しているわけではないのかと考えていると、「WEST BENGAL SURFACE TRANSPORT」というバス会社を発見。通常運行されているようでコルカタまでのバスチケットも購入できました。

帰りの長距離バス。


約300kmの移動距離に、12時間近くかかるものの、ちゃんと帰ることができました。

◆バングラデシュの日常
ダッカの商業地区を歩いているのは男性が9割。そこで商売を営むのも、ほぼ男性。女性用の下着も男性が扱っています。ジーっと見ていると、笑顔で「お前も一つどうだ」と売りつけてきますが、そうじゃないんですよ。珍しいから見ているだけで。フリフリが付いた女の子の服も、顎ひげを蓄えた男性が販売しているから不思議です。バングラデシュはイスラム教徒が多数を占める国。アルコールは禁止されているので、他のイスラムの国と同様に、お茶が盛んでした。よってお茶に合う甘いお菓子も豊富。新しい国に入ると、日常の景色も変わります。

イスラムの国によくある道端の募金箱。「施し・喜捨」はイスラム教徒における義務の一つ。


買物をしたら、ビニール袋ではなく、なぜか網袋に商品を詰めてくれます。


橋の代わりに河川を行き来する渡し船。


このように、くたびれた状態のバスも、普通に道端を走っています。


道行く人に読んでもらうために、壁に貼られた新聞。


選挙の候補者には、読み書きが駄目な人でも投票できるように、サカナだったりヤカンだったり、シンボルマークが一緒に描かれていました。ニンニクだったり、ソファーだったり、いろんな図柄があって面白い。


底が丸いステンレス製の器を、縦に積み重ねて持ち運ぶ弁当箱だったり、男性たちが腰に巻くロンジーと呼ばれる一枚の布だったり、隣国ミャンマーの文化も入り込んでいます。

◆バングラデシュの食事
ハリムというカレースープ。とりあえず注文してみたのですが、味が濃いのでライスやチャパティと一緒に食べる方がよさそうです。


マトン(羊)の焼き肉とご飯。


ファストフードは1つ100円ほどのチキンバーガーが人気でした。衣につつまれた鶏肉から染み出す脂がたまりません。


ファルーダと呼ばれていた甘い甘いスイーツ。たくましい髭をはやしたイスラム男子が、夢中になって平らげていました。


◆カメラを構えて
レンズを通して、相手に心を開く必要があることから、旅を始めたころは、人にカメラを向けるのは苦手でした。そんな私をよそに、ずかずかと踏み込んでくる地元の人たち。悩む必要なんてありません。ちょっと話をして、一緒に笑ったりすれば、それだけでオッケーでした。人と人との距離が近いこともあって、バングラデシュでは、人物の写真ばかり撮っていました。街中で何か撮っていると「俺も撮れ、俺も撮れ」と催促されます。

移動図書館を管理していた男性。


公園を歩いていたら、若い女性陣に声をかけられました。思わぬ展開に、デレデレ。


元気のいいどもたち。


渡し船の写真を撮っていたら「こっちも撮りなさい」と頼まれて。


だったら、子どもの写真も撮りたい。


二人はポーズを決めるも、関係のないもう一人が邪魔をします。この笑顔ったら。


船を操る男性。


路上喫茶の店主。


日本でいうならアパレルショップ店員さん。


南アジアの男らしいタンクトップ姿。


バイクの部品を磨いてます。


顎ひげに帽子と、イスラム教徒の格好をした男性もほら。


少し、はにかんだ感じで。


ばれないように、こっそり様子を窺います。


これまでの国にはないビニール手袋を使った作業が新鮮だった、路上のパイナップル屋台。


サイクルリキシャの荷台に座る幼児。


公園に立ち寄ったら、子どもたちの注目の的に。


せっかくなので、一緒に写真を撮ります。


シーソーで遊ぶ小さな子どもを、眺めているだけで幸せ。


よくある商店の店先。


若者。


牛が階段を上ってきたので、急いでレンズを向けました。


マンゴー、マスカット、オレンジ、リンゴ、ライチと色鮮やかな果物がならぶ露店。


甘酸っぱくてプニッとした食感のライチが旬の季節でした。


下町のゲームセンターで遊ぶ子どもたち。


スコールが通過して大粒の雨が降っているのに、子どもたちはお構いなしで駆け回ります。


雨の中でも嬉しそうに、自転車のペダルもフル回転。


優しそうな顔つき。


美少女。


ドラえもんのTシャツです。


怪獣のように遊びまくっていた子どもたちを捕まえて。


もし、私がカメラを向けられたら、彼らと同じような顔ができる自信はありません。こうして記事として振り返ってみても、バングラデシュの人たちは素敵な表情を見せてくれました。特に観光もしなかったのですが、忘れられない国の一つになりそうです。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)

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in 取材,   , Posted by logc_nt

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