iPhone 5sとiPhone 5cの原価の差は約2600円であることが判明
By Martin Hajek
2013年9月20日から販売されている新型iPhoneの「iPhone 5s」と「iPhone 5c」の合計販売台数が3日間で900万台を突破し、好調な滑り出しを見せています。iPhone 5sはiPhoneの新型ハイエンドモデルとして、iPhone 5cは廉価版として販売されていますが、リサーチ会社のIHSが分解してコストを割り出したところ、2台の原価にそれほど大きい差はないことが判明しました。
Teardown Analysis Shows iPhone 5S Costs At Least $199 to Build - Arik Hesseldahl - News - AllThingsD
http://allthingsd.com/20130924/teardown-analysis-shows-iphone-5s-costs-at-least-199-to-build-173-for-the-5c/
IHSが公開したレポートによると、16GBのiPhone 5sの部品は191ドル(約1万9000円)で64GBのものは210ドル(約2万800円)であり、前モデルのiPhone 5とほとんど変わらないとのこと。この価格に8ドル(約790円)の組立費を追加して、iPhone 5s 16GBモデルの原価は199ドル(約1万9800円)ということになります。iPhone 5sの端末のみの販売価格は、容量にもよりますが、649ドル(約6万5000円)~849ドル(約8万5000円)です。
iPhone 5sの部品の中でも最も高価なのがディスプレイのパーツで41ドル(約4000円)。供給元はシャープやジャパンディスプレイ、LGなど。また、iPhone 5sの新機能である指紋認証センサーは7ドル(700円)でした。
一方、廉価版ととして販売されているiPhone 5cを分解して組立費を含めた原価を割り出したところ、173ドル(約1万7200円)~183ドル(約1万8200円)と判明。iPhone 5cの端末のみの価格は549ドル(5万5000円)~649ドル(6万5000円)となっています。
IHSのアナリストであるAndrew Rassweiler氏は、「指紋認証と64ビットのA7プロセッサを搭載していること以外、iPhone 5sと5cの間に大きな差は見つかりませんでした」と述べており、実際に2台は同じディスプレイ・カメラ・フラッシュメモリチップを搭載。大きな差であるプロセッサはA7・A6共にサムスン電子から供給されていて、値段は19ドル(約1900円)と13ドル(約1300円)。メモリーチップは韓国のSK Hynixやサムスン電子、エルピーダのものを採用しています。
Rassweiler氏によると、Appleは2つの新型iPhoneに搭載されているRFチップに多くの時間とお金を費やしているように見える、とのこと。AppleにRFチップを供給している企業はクアルコム・Skyworks・Avago・RF Micro Devices・TriQuint Semiconductorの計5社であり、Appleは複数の企業のRFチップを組み合わせることで、多くの周波数帯をサポートできるようになったようです。
実際に、iPhone 5がサポートするLTEバンドは5つでしたが、iPhone 5s・5cは13のLTEバンドをカバー。Rassweiler氏によると、Appleは近い将来世界中の周波数帯をカバーし、どんなタイプのワイヤスレネットワークにも対応できるスマートフォンを開発するかもしれない、とのことです。
・関連記事
iPhone 5sとiPhone 5cを分解してiPhone 5と比較したフォトレポート - GIGAZINE
NTTドコモの「iPhone 5s」スペースグレイ64GB速攻フォトレビュー、iPhone5ブラックとも比較してみました - GIGAZINE
iPhone 5sに搭載された指紋認証センサーとカメラ、iPhone 5c公式ムービー - GIGAZINE
切断された指ではiPhone 5sの指紋認証は突破できないことが明らかに - GIGAZINE
iPhone 5sの指紋認証は猫の肉球でも作動可能かを検証したムービー - GIGAZINE
iPhone 5sの指紋認証「TouchID」を突破する方法が判明 - GIGAZINE
・関連コンテンツ