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完璧なVR実現のためには8Kディスプレイでも物足りない理由とさらなる課題点

By mrgarris0n

完璧なヴァーチャルリアリティ(VR)を目指して開発されたデバイス「Omni」、さらにヘッドマウントディスプレイOculus Rift」というようにして、次々とVRを実現するハードウェアが手頃な価格帯で出現していますが、「Oculus Rift」の開発者は「8Kのディスプレイでも完璧なVRには物足りない」と語っています。

Virtual Perfection: Why 8K resolution per eye isn’t enough for perfect VR | Ars Technica
http://arstechnica.com/gaming/2013/09/virtual-perfection-why-8k-resolution-per-eye-isnt-enough-for-perfect-vr/


「失礼が無いように控えめに言っても、"Retinaディスプレイ"的な解像度のものは使い物にならないゴミだ」と衝撃的なことを語るのはPalmer Luckey氏。Oculus社の設立者であり、Riftの開発者です。ゲームや、とくにヴァーチャルリアリティの世界に多くの情熱を注いでいます。


「ディスプレイのピクセルサイズの小ささが一定のレベルにまで達すると、個別のピクセルを認識できなくなる瞬間があります。それでも人間の目は細かなディティールを見分ける能力を持っているのです」とLuckey氏は語ります。「Retinaディスプレイのレベルのものでも、細かなラインを表示するとエイリアスが発生することがあるし、たとえば人間の髪の毛を表示させたとしても、それは実物の状態を再現できるものではありません。ハイビジョンテレビも以前はとてつもないものと思われていましたが、今ではすっかり普通のものになってしまいました。なので、10年後には8Kのヘッドマウントディスプレイがあったとしてもおかしくはないのです」

これだけ聞くと、まるで重箱の隅をつつくような話のように聞こえますが、実際に体験するとその違いを感じることができるそうです。1080pディスプレイとさらに上の高解像ディスプレイを装備したプロトタイプの両方を比べてみると、高解像度タイプだとゲームへの入り込み具合が全然違ったものになると語っています。


同じぐらい重要になってくるのが、「レイテンシー」の問題だとLuckey氏は語ります。頭の動きと、それを受けて視界が変化するタイミングがずれると、世界への没入感に影響を与えます。「莫大な金額をかけずとも、ハードウェアでのレイテンシーを人間の知覚レベル以下にすること自体は可能です。しかし、問題になるのはハードウェア以外の部分にもあるのです」

「ゲームを30fpsのディスプレイでプレイしていると、VR的にはかなりのレイテンシーが生じていると言えます。なので、Team Fortress 2のようなゲームでは画面のリフレッシュレートを上げて、レイテンシーを感じさせないようにしているのです」

By Rantes

ほかにも、体の動きを「予測」する方法によって、レイテンシーを軽減することが可能となっています。「人間の体というものは予測可能な動きをするもので、それを読み取ることで人間の知覚を先回りした処理を行うことができるのです」

レイテンシーの低減は、位置検出の処理にも影響を及ぼします。いろんな動きを行った後に、正確な位置情報を取得することがVR品質に大きな影響を与えます。Luckey氏によると「これは、ハードウェアを買ってきて組み立てるだけで解決する問題ではなく、ソフトウェアの問題です。MicrosoftのKinectのハードウェア部分はPrimeSense社によるものですが、Microsoftが多額の資金を投入して商品としてのKinectが完成するということが、すべてを物語っているのです」

By Gwen Vanhee

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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