メモ

「STOP!! Amazon!!」、書籍の値引販売をAmazonが止めないので出版社51社が除外を要望

by Wolfgang Lonien

Amazonは学生向けに、書籍購入時に10%のポイント還元を行う「Amazon Studentプログラム」を2012年8月末から行っていますが、これが再販売価格維持制度に反しているとして、日本出版者協議会の会員社51社が自社商品の除外を求める要望書を提出する事態になっています。現時点での要望は「プログラムの対象からの除外」ですが、Amazonが拒否した場合、出荷停止指示もあり得るとのこと。

STOP!! Amazon!! ●出版社へ呼びかけ: 日本出版者協議会
http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/stop-amazon-087.html



これは出版社98社を会員とする日本出版者協議会(出版協)が発表したもの。

「Amazon Studentプログラム」というのは、Amazon.co.jpが学生向けに提供している会員制プログラムで、プログラムの対象となっている書籍を購入すると注文金額の10%のAmazonポイントが還元されます。このプログラムとは別にポイントキャンペーンを実施している書籍がある場合にも、キャンペーンのポイントとは別に還元されることになります。

対象となっている書籍の一例はこんな感じ。1680円の書籍であれば、168ポイントがもらえます。


「文学・評論」ジャンルの場合、12月21日に映画が公開となる百田尚樹さんの「永遠の0」がポイント還元アリで購入可能。


出版協の主張は、Amazon Studentプログラムが「安価な出版物を全国どこでも同一定価で皆さんに購入していただけるようにするシステム」と位置づけられている再販制度を脅かすというもの。Amazonに対しては実質的な値引販売であるこのポイントサービスの中止を求めてきたものの改善が見られないことから、出版協の会員社のうち51社がこのサービスの対象から自社商品を外すよう要望書を送付するに至りました。対象書籍は4万1740点で、Amazonの流通書籍70万点のうち約6%に相当します。

公正取引委員会の見解としては、ポイントサービスが1%程度の「お楽しみ」であれば問題にはならないそうですが、Amazon Studentプログラムは10%とかなりの高率。ポイントサービスが再販契約違反かどうかは出版社が判断してそれぞれに中止を求めることが可能だということで、今回の要望が出されたわけです。


出版協の会員社は、Amazonへの要望書を送付すると同時に、取次である日販と大阪屋へもAmazonがポイントサービス対象から要望対象書籍を除外するように指導を行って欲しいという要望書を送付しています。

Amazonへ送付された要望書の実例が出版協のブログで見ることができますが、これによると、Amazonが対象商品をサービスから除外しないと明言した場合には、取次店に対して出荷停止指示を出すこともあり得るとのこと。

Amazonへの要望書: 日本出版者協議会
http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/amazon-c64e.html



回答期限は8月20日となっています。

追記:
直接値引きを行ったりしている大学生協はどうなのか、という指摘があったため追記。大学生協は再販制度の根拠となっている独占禁止法の対象外なので再販制度には拘束されないとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
電子書籍の脅威から本屋を救うための10のアイディア - GIGAZINE

電子書籍は本嫌いの子どもの読書を促進する可能性を秘めている - GIGAZINE

セルフパブリッシング(自己出版)がここ5年間で約4倍に増加 - GIGAZINE

初期費用0円・在庫0冊で本が出版できる「中林製本所」 - GIGAZINE

楽天ブックスが「キャンセルをキャンセル」、限定版商品など発送開始でユーザー再激怒 - GIGAZINE

書籍「アインシュタイン その生涯と宇宙 下」が機械翻訳だったため回収へ - GIGAZINE

in メモ,   ネットサービス, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.