世界最小の原子単位で作られたアニメーション「A Boy And His Atom」

データの記憶容量の限界を調査するためナノスケールの素材を研究するIBMが、その技術を使い、数千個の原子を配置して動かすことで作った世界最小のアニメーションが「A Boy And His Atom」です。
IBM News room - 2013-05-01 IBM Research Makes World’s Smallest Movie Using Atoms - United States
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/40970.wss

原子を使ったアニメーション「A Boy And His Atom」は以下のムービーから見ることができます。
A Boy And His Atom: The World's Smallest Movie - YouTube

画面の真ん中に並んだ原子たち。

そこから1つの原子が飛び出しました。

飛び出した先で少年に出会います。

少年の前で飛んだり跳ねたりする原子。

すると、少年はくるっとこちらに向き直り……

踊りだしました。

再び向き合う少年と原子。

今度は1人と1つで踊りだしました。



飛び跳ねながら少年に近づいていく原子。

手のひらの上に着地。

ポンポンと地面に原子をついて遊びます。


手のひらの上から飛び出した原子は……

壁にぶつかり、跳ね返りました。


そして地面にぶつかり、水滴が跳ねるようにいくつもの原子が現れ散らばります。

原子がマットのようなものに変化。

そ~っと足を伸ばし……

トランポリンのようにジャンプします。


着地。

少年がトランポリンから降りると、原子は徐々にもとの姿に。

そして再び少年の手の上へと戻っていきました。


そして、再びふわっと浮き上がった原子。

今度は空高くへと上っていきます。

上空ではじけて……

どんどん広がります。

「THINK」

「IBM」

この世界一小さなアニメーションがどのようにして作られたのか?ということは以下のムービーで公開されています。
Moving Atoms: Making The World's Smallest Movie - YouTube

こちらはIBMの研究者Cristopher Luizさん。

「原子を使ってアニメーションを作る」というアイデアを聞いた時、メンバーの中には「クレイジーだわ!」と思った人もいたそうです。

このアニメーションを作るにあたって約250枚の画像が製作されたのですが、そのために数千個の原子を配置していったそうです。なお、このアニメーションはギネス記録の登録が検証されている最中。

これまでもIBMはデータの記憶容量の限界を調べるため、ナノスケールの素材を研究しており、「世界最小のアニメーションを作る」という試みはIBMにとって全く新しい試みではないとのこと。

実際に原子のモデルを持ち出して検証。

ムービーの制作にはIBMが開発した、物質の表面の電子状態や構造を原子レベルで観測する走査型トンネル顕微鏡が使用されました。

IBMの研究者であるAndreas Heinrichさんは「原子を捕らえてポジショニングし、形を整えて映像を作ることは新しく、そしてまぎれもない科学と言えます。IBMの研究者たちはただ本を読むのではなく、実際に行動に移すのです。このムービーは学生や、まだ科学や数学に足を踏み入れていない人々とも原子規模の世界を共有し、楽しく対話することを可能にします」と語りました。

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