Operaに訴えられて約3億円の賠償請求をされた元従業員がブログで経緯を明らかに
By SalFalko
ノルウェーにあるオペラ・ソフトウェアが元従業員に対して契約違反だとして起こした賠償総額2000万ノルウェー・クローネ(約3億3700万円)の訴訟について、訴えられた元従業員トロンド・ワーナー・ハンセン氏が、自身のブログで訴訟に至った経緯を明らかにしています。
So my former employer Opera Software has filed a... - trond werner hansen
http://trondblog.tumblr.com/post/49192504201/so-my-former-employer-opera-software-has-filed-a
ハンセン氏は、1999年から2006年の間デスクトップブラウザのリードデザイナーおよび開発者としてオペラ・ソフトウェアで働いており、ハンセン氏が当時担当していた仕事は主にタブブラウザ・統合型検索・スピードダイヤル・マウスジェスチャーに関することでした。
By Equilense
ハンセン氏は、2006年当時Webkitに基づいたウィンドウズ用オープンソースブラウザには主流となっているものがまだ無かったことに注目し、同年オペラ・ソフトウェアを退社後新しいブラウザ「GB」の開発に着手。2007年にはMozillaやGoogle、Flockなどの企業とブラウザの未来について話し合う機会があり、ハンセン氏はGBの開発に魅力を感じましたが、最終的に開発者とは全く違うミュージシャンとしてのキャリアを選択し、GBの開発からは手を引いたそうです。
翌2008年に当時オペラ・ソフトウェアの共同創設者でありCEOであったヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナー氏がハンセン氏にオペラ・ソフトウェアへの復職に関して連絡を取ってきた時、ハンセン氏は眠らせていた企画であるGBを新しいOperaブラウザとして開発することをテッツナー氏に提案。ハンセン氏によると、テッツナー氏はGBにかなり興味を示したものの、ビジネスの話となると条件面で折り合いがつかず、結局GBに関する案件は1つもまとまらなかったそうです。
By lhuiz
2009年初頭にハンセン氏はコンサルタントとしてオペラ・ソフトウェアと再び契約を交わし、2010年に契約が終了するまで勤務していました。ハンセン氏は当時CEOであったラーズ・ボリーセン氏にGBのアイデアや方向性にはまだ価値があり、Mozilla Firefoxのようなオープンソースプロジェクトに着手したい旨を伝えましたが、ボリーセン氏から了承を得ることはできませんでした。
Operaを再び離れた後、ハンセン氏は2012年の夏にMozillaとコンサルタントとして働く契約を交わし、タッチ操作をベースにしたブラウザのプロトタイプ「Junior」を公開しました。
By MyTudut
ハンセン氏によると、Juniorはオペラ・ソフトウェアによって起こされた訴訟に関して何の関係もないとのことですが、Mozillaの従業員が会見の動画内で公開したJuniorの機能の1つである「Search tabs」が今回の訴訟の原因とのこと。オペラ・ソフトウェアは、「Search tabs」こそハンセン氏が社外公開を禁止されていた情報をMozillaに譲渡した証拠であると主張しています。
MozillaがJuniorを公開したときの会見の様子は以下のムービーから確認できます。
Browser Junior for iPad from Mozilla - YouTube
ハンセン氏は、無実であり今回の訴訟は間違っていると真っ向からオペラ・ソフトウェアの主張を否定しており、今後どのような判決が下されるのか注目されるところです。
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