10代の少年が独学で3Dプリンター製の電動義手を開発、その目的とは?

メカニックな義手は高価な上、成長途中の子どもの場合付け替えが必要で、簡単には手が出せないもの。そこで3Dプリンターを使ってなるべく安価で高性能な電動義手を作る試みが10代の少年によって行われています。現在は義手の開発段階で、より高性能なものにするためクラウドファンディング・プラットフォームのKickstarterで出資が募られています。
3D Printed Robotic Hand by Christopher Chappell — Kickstarter
http://www.kickstarter.com/projects/anthromod/3d-printed-robotic-hand
実際に義手が動いている様子などは以下のムービーから見ることができます。
こちらが開発を行っているEaston LaChappelleさん。子どもの頃に抱いた電動の義手を作る夢を忘れず独学でエンジニアリングを勉強し、ピッツバーグで行われたエンジニアリングの大会では2位になったとのこと。現在はマンチェスター大学でナノテクノロジーを学んでいる最中です。

デスクに3Dプリンター製の義手を置いているのは、共同開発者のChris Chappellさん。

メカニックな義手はこれまでにも開発されているのですが、非常に高価で簡単には手が出せないものでした。Eastonさんは8万ドル(約750万円)の義手をつけた8歳の少女と出会ったのですが、成長に従い高価な義手を付け替えなければならないことに悩む彼女を見て、できるだけ安価で高性能な筋電義手作ることを決意、3Dプリンター製の義手作成に取り組んだというわけです。

デザインは何度も練り直されました。

義手が3Dプリントされている様子。

こちらがプロトタイプです。

義手は指や手首の関節を動かすことが可能。テスト作の最新版であるバージョン3.0はマイクロコントローラーとアンプ回路、Bluetoothを備えており、ユーザーは筋肉を収縮させてメニューを選択し、コントロールすることが可能。手首の角度は6段階で調整し、指は好きなように動かすことができます。また腱の動きを再現するためにゴムが使われており、スムーズに関節を動かせるとのこと。

こんな感じで握手もできます。

もちろん何かを握ったり、ということも簡単。

また、義手をコントロールする際のソフトウェアも無料で配布するとのこと。ソフトウェアはオープンソースで設定もシンプルなので、特別な技術がなくても誰でも義手を作ったり使ったりでき、また、もしパーツが破損したとしても手元の3Dプリンターを使うことによって修理や復元も簡単に行えます。

指のデザインをカスタマイズしたバージョンも作成する予定。

義手は現在開発のために必要な資金を募っている最中。集まった資金次第で各種センサーを取り付けたり、より軽量な素材で作成することも考えているとのこと。15ドル(約1400円)の出資で組み立て済みの指が1本もらえ、手のひらなら80ドル(約7500円)、ワイヤレスでコントロール可能な義手をゲットするためには500ドル(約4万7000円)の出資が必要です。

なお、締め切りは日本時間で4月10日18時1分となっています。
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in ハードウェア, 動画, Posted by darkhorse_log
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