HTML5で作られた「Firefox OS」搭載スマホの発売が決定、実機の最新デモはこんな感じ

無料で使えるオープンソースのブラウザ「Firefox」やメーラー「Thunderbird」などの開発、支援を行う非営利団体Mozilla Foundationがスマートフォン向けのOSとして開発を進めているのが「Firefox OS」です。今回はスペインのバルセロナで行われた記者会見に参加してきたので、その詳細をレポートします。

Firefox at Mobile World Congress 2013 - mozilla.org
http://www.mozilla.org/en-US/firefox/partners/

会場はスペインのバルセロナにあるHotel Arts Barcelona(写真右のビル)。

通路を進むとFirefoxの文字が見えます。

報道陣で混み合う受付前の様子。

会場の内部はこんな感じ。

TVカメラも用意されています。

「自分の道を切り開け」というキャッチコピーが表示されたスクリーン。

大混雑の会場内。

モジラ財団のCEOであるGary Kovacs氏が登壇。

ウェブは社会にとっての共有財産であるべきで、オープンスタンダードに基づいたFirefoxブラウザの理念と技術をモバイルOSの世界に応用する、と語るKovacs氏。

Firefox OSへの協力を表明している企業は30社近くあり、日本のKDDIも含まれています。なお、同OSを搭載したスマートフォンはブラジル、コロンビア、ハンガリー、メキシコ、ポーランド、セルビア、スペイン、ベネズエラで近々に発売される予定とのことですが、日本ではKDDIが2014年中の発売を検討中という段階で詳細は未定です。

欧州や南米の通信キャリア企業のCEOなどが登壇し、Firefox OSへの賛同を表明。

会場のスクリーンに手元をアップにした映像を流しつつデモンストレーションがスタート。

背後にあるロゴを撮影。

撮影したままのデータは以下の通り。

カメラアプリで撮影後に明るさなどを簡単に調節可能。

トリミングもできます。

インスタグラムっぽいエフェクトや枠も付けられます。

Facebook、Twitter、ディズニーやMTVなどの大手がアプリを提供する予定とのこと。

マップアプリはノキア製。

ゲームもプレイ可能。

開発者のサイトから直接アプリをダウンロードすることもできますが、ユーザーの利便性を考えてiOSのAppStoreのような「Firefox Marketplace」が用意される予定。モジラはここから収益を上げる予定はなく、アプリの売上代金は通信キャリアと開発者でシェアされるそうですが各国における正確な分配比率などはまだ決まっていないとのこと。

ZTEが製造したデモ機はこんな感じ。なお、この他にLGやHuawei(ファーウェイ)も端末を製作しています。

ホーム画面。

アドレス帳はFacebookと統合されており、ここから直接メッセージを送信したりウォールにポストすることが可能。

Firefoxブラウザを起動してみた所。

GIGAZINEを表示するとこんな感じ。

OSはマルチタスク対応で、複数のアプリを同時に起動したままホームボタンを長押しするとアプリを切り替えられるようになっています。

もちろん電話機能も利用可能。

背面はこんな感じ。

実際に操作している様子は以下のムービーで見られます。

Firefox OSを操作する様子 - YouTube


なお、モジラは公式サイトで

Firefox OS は、モバイルプラットフォームを既存の独占的なプラットフォームによる支配と制限から解き放つ新しい Web 標準を産み出します

と表明しており

HTML5 と Mozilla が提案する新しい標準 API を使えば、すべての開発者が素晴らしいアプリを作れるようになります。開発者は、もはやプラットフォーム固有のネイティブな API を学んで開発する必要はありません

ともアピール。

現地で同団体の広報担当者に確認をしたところ、タブレットやラップトップ製品の発売予定は今のところないものの、理論上はあらゆるデバイスで動作させることが可能で「メーカーがその気にさえなれば、Firefox OSを搭載した冷蔵庫だって作れる」とのこと。

ちなみに、モジラは「Firefox OS」を通信キャリアや一般ユーザーを含めた全ての人々に無償のオープンソースソフトウェアとして提供する予定とのことで、収益は同OSを使用してユーザーが検索を行った際に表示される広告をクリックした場合にGoogleやマイクロソフトなどのパートナーから支払われるレベニューシェアから上げるそうです。