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闇市場で約87億円の価値がある海賊版ソフトを販売した中国人が罪を認める

By Joe Gratz

産業用ソフトウェアの海賊版を世界61カ国の闇市場で販売したとして中国人男性が起訴されていましたが、被告人であるXiang Liは今週の月曜日に起訴されている46件の罪のうちの一つである著作権違反と電子詐欺の共謀に対し罪を認めました。Xiang Liが販売したソフトウェアは国防や宇宙テクノロジーで使用されるもので、1億ドル(約87億円)以上の価値があると検察は主張しています。

Chinese man pleads guilty in $100 million stolen software sting | Reuters
http://www.reuters.com/article/2013/01/08/us-usa-crime-software-idUSBRE90702L20130108


Xiang Liは2008年から2011年にかけてアメリカのメーカー推定200社からソフトウェアを盗んだとされており、政府報道官によれば被害にあった企業にはMicrosoftやOracle、Rockwell Automationなど世界的企業も含まれるとのこと。また、検察官によればソフトウェアの購入者の中にはNASAのエンジニアなども含まれているそうです。

審問中にXiang Liは、闇市場で販売したプログラムの価値が1億ドル(約87億円)を越えることを認めましたが、一方で弁護士はXiang Liは逮捕され裁判にかけられるまでその価値を理解していなかったと主張しました。

今回のケースで扱われたソフトウェアは娯楽用のものではなく、ビジネス用ソフトウェアを含んでいるため、わずかな量であっても非常に高価であるという点が特殊でした。通常、それらのソフトウェアは一つ数百ドルから1億ドルで販売されていますが、Xiang Liは自分のサイトなどで2000以上の海賊版ソフトウェアを20ドル(約1700円)から1200ドル(約10万円)で販売していたとのこと。

By noodlepie

国土安全保障省が2010年の初頭から18ヶ月にわたって行った捜査において、当局は少なくとも5つのソフトウェアをXiang Liから購入。その中にはAnalytical Graphics Incが販売する軍などがミサイルの発射や戦争をシミュレートするための「人工衛星ツールキット」の海賊版も含まれており、当局は15万ドル(約1300万円)の価値があるこのソフトウェアをわずか数千ドルで買ったとのことです。Xiang Liは中国・成都在住ですが、おとり捜査によって不正ビジネスの話を持ちかけられ、話し合いの場をサイパンに設けられることによってアメリカ領土内で2011年の6月に逮捕されました。

近年アメリカ政府は海外における海賊版ソフトウェアも捜査の対象としていましたが、海外で起きた犯罪の容疑者をアメリカ国内に連れてくることは困難でした。著作権違反の有名な事例にMegauploadの運営者7人が起訴されたものがあり、創設者のKim Dotcomは5000億ドル(約44兆円)相当の海賊版映画などを販売することで1億7500万ドル(約152億円)を得たと考えられていますが、Dotcomは当局の捜査が違法に行われたとして現在はニュージーランドで身元引渡しに抵抗しています。


弁護士のMingli Chenさんによれば、これは産業用ソフトウェアの海賊版を販売したビジネスマンがおとり捜査によって中国国外で逮捕された初めての事例であるとのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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