町長が自分の解任を要求していたウェブサイトをハッキングして逮捕
By joshuadelaughter
町長とその息子が、自分に対するリコールを求めて活動していたウェブサイトに不正アクセスを行ってサイトを閉鎖させたとして逮捕されました。皮肉なことに、この町長は前の町長をリコールして就任していたそうです。
USDOJ: US Attorney's Office - District of New Jersey
New Jersey mayor, son, arrested on charges they nuked recall website | Ars Technica
ニュージャージー州ウエスト・ニューヨークで町長(首長)が息子とともにFBIに逮捕されました。逮捕されたのはFelix Roque容疑者(55)とその息子、Joseph Roque容疑者(22)。写真はFelix容疑者。
FBIのIgnace Ertilus特別捜査官によると、2人は今年2月にRoque町長の解任を求めるサイト「www.recallroque.com」に気付きました。なんとかしようと、Joseph容疑者が正体を隠してサイトに書かれていたメールアドレス宛に連絡を取ってみたものの会うところまでいかず、もうハッキングするしかないと考えたそうです。
2人はGoogleでハッキングの方法を調べ上げ、ドメインレジストラのGoDaddyでドメインを登録するときに使用したメールアドレスをリセットするという方法にたどり着きました。2月8日16時49分、Joseph容疑者が「www.recallroque.com」のGoDaddyアカウントへのハッキング(不正アクセス)に成功。ドメイン登録を削除しました。これによって、「www.recallroque.com」は消えてしまうことになりました。このとき2人は、アカウントをハッキングしてから8時間にわたり、携帯電話で密に連絡を取っていたことが確認されています。
サイトのシャットダウンのほかに、JosephはメールアドレスやFecobookアカウントもハッキング。Felix容疑者はリコールサイトに関連した人たちへとメールを送りはじめました。ハドソン郡職員で、匿名でリコールサイトを立ち上げたAさんによると、Felix容疑者からAさんに対して「サイトのこともメールのことも、全部把握しているぞ」と電話があり、「私には政府高官の知人がいる。彼がサイトを閉鎖させたんだ」「私は陸軍の予備役だぞ」「私に反抗していたものは、みんな対価を支払うことになる」などと脅してきたそうです。
2人には不正アクセス、データ改竄(保護されたコンピュータを損傷させた罪)、これらについての共謀罪の容疑がかけられています。コンピュータに損傷を与えるための不正アクセスと共謀罪はそれぞれの懲役5年、罰金25万ドル(約2000万円)以内が課せられる可能性があり、データ改竄については最大で懲役1年、罰金25万ドル以内が課せられます。
ちなみにこのFelix町長、前の2011年にSilverio Vega前町長をリコールで解任して、町長に選ばれた人だったそうです。
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