取材

「ただのブタだ」とは言えない海外で見かけるブタの生き様


こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。

「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。」と有名アニメ映画の主人公が言いました。肥満や怠惰の蔑称として「ブタ」という言葉が使われますが、海外で見かけるブタさんの姿はそうは感じさせません。ガツガツとよく食べて、スヤスヤとよく眠る姿は、まるで少年漫画の主人公、雨に濡れながら薄汚れた体で路上をさまよう姿は、ハードボイルド小説の世界でした。男として憧れます。海外の途上国では「ごちゃごちゃいうな、腹が減ってしかたねぇ」とでも言いたそうな面で、餌を求めて人家の辺りをうろうろしていました。


旅に出て初めてブタさんをみつけたのは東ティモールでした。生まれて初めての海外であったオーストラリアから一転した2カ国目の東ティモール。コンテナの入国事務所、ワゴン車を改造した乗り合いタクシー、ペットボトルで売られているガソリン、何もかもが衝撃的でした。そんな光景の中でブタさんが路上で餌を漁っていました。飛びつきました。

東ティモールにて、ガツガツと残飯を漁るブタさん。


東ティモールの雑踏で残飯を漁るブタ - YouTube


東南アジアでも、たまにブタさんの姿を見かけました。これはインドネシアで、島から島への移動中にスヤスヤと眠っていたブタさん。


ラオスで見かけた、よちよち歩きのかわいい子ブタ


カンボジアでは緊縛されてしまったブタが……


牛より巨大なブタさんもカンボジアにいました。まるで怪獣をみているかのようでした。


まるで怪獣、カンボジアで見かけた牛より巨大なブタ - YouTube


雨に濡れながら、住民に石を投げられながらも、餌を求めて歩いていた中国のブタ。


馬車が現役のルーマニアを普通のヨーロッパと同じとは思わないで下さい。田舎の街でブタさんを発見。


チェリーを食べるブタさんはモルドバで出会ったもの。ちょっと可愛くないですか?


アフリカ北部のモロッコ、モーリタニア、セネガル、マリ、とイスラムの強い地域では禁忌であるブタの姿はみかけません。どんどん南に下がっていくと再び姿を現します。

ギニアビサウで出会った愛らしい赤ちゃんブタとお母ちゃんブタ


ブルキナファソでは気持ちよく泥水につかっていました。目をつむったその姿はとても幸せそう?


ガーナの市場でふらついていたブタさん


子沢山なガボンのブタ


コンゴ共和国でもブタさんが泥水にまみれていました


こうしたいろいろな場所で生きているブタさん。どこでも生きていける強い生命力を持つブタさんですが、そんな彼らの楽園がスペインにありました。「生まれ変るなら次はここで」と夢見ているブタさんも多いでしょう。スペインの原野を自由に駆け回る生活をしています。どうみてもエリート教育、それはイベリコ豚でした。

ブタの放牧という、あまり馴染みのない光景がとてもおかしく見えました。


こうした広い原野を駆け回ることで、美味しいイベリコブタが作られるのです。


川渡りをしているブタさんたち。


家畜なはずですが、警戒感も強く、こちらに気付くと一目散に逃げて行きます。しかも速い。


この群れはじっくりと観察できました。


ガツガツと牧草を食べています。


見渡す限りブタさんでいっぱい。真ん中に注目。死んでいるように見えますが、多分寝ているだけです。


スペインの原野を駆け回るイベリコブタの放牧風景 - YouTube


この記事を書くためにブタをWikipediaで調べてみると、驚くべきことがたくさん書かれていました。面白いですから、ぜひ全文を読んでみてください。

・豚の体の大半は筋肉であって、脂肪ではない。一般的に肥満させて育てる食用ブタでも体脂肪率は14パーセント、多くても18パーセント程度にとどまる。
・ブタの知能はイヌと同等か、それ以上とする研究者もいる。鏡の存在を認知できる「鏡映認知」が確認された数少ない動物である。
・人間のような丈の高い動物を敵と認識すると、突進して鼻先を股ぐらに突っ込み、頭部を持ち上げながら強くひねる。この行動を「しゃくり」といい日本で小規模養豚が多かった時代には、年に数人はこれによる死者が出ていた。

ただものではないですね。

ウシさんやヒツジさんはおとなしすぎます。男だったらブタさんのような生き方でしょう。よく食べ、よく眠る。「猪突猛進」という言葉もあります。突き進みましょう。海外で見かけるブタさんの生き方は実にたくましいものです。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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in 取材,   生き物,   動画, Posted by logc_nt

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