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モバゲーのDeNAがグリーを裁判で訴えることを決定


本日17時30分、Mobage(モバゲー)の運営元であるDeNAが東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービス上にて、グリーを裁判で訴えることを発表しました。

訴訟の提起に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120120131074493.pdf


内容は以下のようになっています。

訴訟の提起に関するお知らせ


当社は、本日、グリー株式会社及び同社代表取締役社長田中良和氏に対して、不法行為等に基づく損害賠償及び謝罪文の掲載等を請求する訴訟を提起しましたのでお知らせします。

グリー株式会社によるプレスリリース文面(2011年11月21日)及び田中良和氏の各所での多数の発言において、当社が違法行為を行っているかのような指摘がなされたことに対する法的措置です。

当社の主張は今後訴訟の場において明らかにしていきます。

以上

なお、グリーが昨年11月21日にDeNAに対して行った訴訟のプレスリリース文面は以下になります。

グリー株式会社 | ニュースリリース | プレスリリース 2011年 | 訴訟の提起に関するお知らせ
http://www.gree.co.jp/news/press/2011/1121_02.html


おそらく引っかかったのは以下の部分では無いかと思われます。

(5) 当社におきましては、上記排除措置命令確定後、DeNAによる上記違法行為に対し、どのような対応を取るべきか慎重に検討してまいりましたが、
・公正取引委員会という国家機関が違法であると認定した行為に対し、当社として何等の法的措置を講じないことは、株主様に対する当社経営陣の責任遂行という点においても問題があること
・上記違法行為は、当社の事業のみならず、数多くのソーシャルゲーム提供事業者、キャリアその他インターネット業界に対しても大きなマイナスの影響を与えており、その影響はいまだに続いていることから、健全な競争環境確保という点で大きな問題が継続していること
・そのため、今後の日本の産業界の牽引車と目されるインターネット業界自体の健全な発展を歪める恐れがあり、また、ひいては消費者の選択肢を狭めるという点でも公益を害しており、そのような意味で極めて問題のある行為であること
・DeNAは、昨年12月、上記違法行為を取りやめる方針を示しながら、その一方で、それ以後もMobageでゲームを提供しているソーシャルゲーム提供事業者がGREEでもゲームを提供しようとすると、これを妨害していると思われること
等の事情を勘案し、この度、DeNAに対して訴訟(以下「本訴訟」)を提起することといたしました。なお、当社と「au one GREE」を共同提供しているKDDI様におかれましては、上記の健全な競争環境確保の趣旨等にご賛同いただき、共同原告として本訴訟にご参加いただくこととなりました。

また、2011年11月29日の「TechCrunch Tokyo 2011」でグリーの代表取締役社長田中良和氏は以下のように発言しており、これも引っかかったのではないか?と思われます。

グリー田中社長、DeNA訴訟に言及 「ネット業界には罪を犯してでも勝てばいいという人が横行」 | ニコニコニュース
http://news.nicovideo.jp/watch/nw154083

「ネット業界の将来のためにならない」--グリー田中社長、DeNAを猛然と批判(BLOGOS編集部) - BLOGOS(ブロゴス)
http://blogos.com/article/25736/

【TechCrunch Tokyo 2011】 グリー田中社長「犯罪をしても勝てばいい」は絶対許さない -INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/tct2011/20111129_494194.html

 田中氏はDeNAの問題に関しては語気を強くして以下のように訴えた。

 「世の中に成熟している産業はいっぱいある。でも年がら年中違法な行為が横行しているかというと、そんな産業は存在しない。僕はネット業界で夢を持つ仕事をしているし、ネットは世の中を変える仕事だからやっているという誇りがある。以前はみんなでこの業界を作っていこうという発想だった。犯罪を犯してでも勝てばいいという発想ではなかった。この業界も10~15年経つなかで、そういう牧歌的な時代から犯罪を犯してでも勝てばいいんだという人たちが横行する時代になってきたというのが僕の感想ではある。」

 「一番危惧するのは、僕の愛するネット業界が10年後にこんなふうになったら嫌だということ。たとえば10年後、僕がある会社で働いていたら、若い人がやって来て、『田中さん、こういう会社といま競争しているので、どんどん違法な行為をして勝ちましょう』と言ってくる。『なんで? 違法行為はまずくないか』って僕が言うと、『だって、昔DeNAという会社があって、違法なことをばんばんやってグリーに勝ったらしいんですよ。だからぼくらも違法行為をした方がいいじゃないですか』なんてことを言われる。そうしたら誰だって、『そうだね、グリーはそれで負けたしね。違法なことをした方がよかったよね』って答えるしかなくなる。」

 「いま違法行為を見過ごして、僕らの事業がマイナスになったら、将来そういう世の中になってしまうと思った。僕は日本をそういう世の中にしたくない。そんなのは絶対に許せない。そういう気持ちがあるから、ぜひ今回の件を通じて、違法行為はよくないことだと言いたい。違法行為は世の中のためによくないんだとみんなに思ってほしい。僕らはネットを通して世の中を変えるというスローガンを持って事業をやっているが、これ(DeNAへの提訴)が日本に対して僕ができるいいことだと思って、自信と誇りをもって関与している。」

日経ビジネス2012年1月16日号 48~51ページでのインタビューでも以下のように答えています。

DeNAを訴えた真意:日経ビジネスDigital
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120109/225930/?ST=pc

 よく、訴訟を起こす前に、「なぜDeNAと話し合う機会を作らなかったのか」と聞かれます。しかし、ここでも大きな誤解があります。

 我々は損害を被っている被害者なんですね。一般に、加害者から被害者に謝罪や弁済をするのが常識です。僕らが何も言わないのがおかしい、というのは筋違いだと思います。

 確かに、僕が感情的になって、相手を非難しすぎたことがあったかもしれません。それは申し訳ないと率直に反省します。しかし、まずは加害者からの謝罪があるべきではないでしょうか。そうした感情は、ゲーム開発会社も抱いていると思います。

 けれど、実際に(訴訟などの)行動は起こせない。「もっとひどい仕打ちを受けるのではないか」という不安がよぎるからではないでしょうか。

 僕だって、やりたくて訴訟を起こしたわけではありません。本業に力を注いでいる方が、はるかに会社のためになります。

 しかし、「やっていいことと、いけないこと」を世に知らしめるのも、重要だと思うんです。インターネット業界は国内有数の成長産業です。今後、日本を代表する産業にするためにも、ここで問題を提起した方がいいと考えました。

 業界が一定の規模に成長した今、守るべきルールを明確にすることは重要です。急成長産業では適法か不適法か、境界が曖昧な部分がある。

 「正義」を追求しているわけではなくて、国内でビジネスする際の、法的な線引きを確認することが重要だと考えています。そのために、裁判は有用でしょう。

 もちろん、裁判所の判断がどのように下されるのか、予見は難しい。僕の思いと違うこともあるでしょう。仮にそのような判断が下されれば、我々はそれに従います。繰り返しますが、僕としては、新しい産業のルールをはっきりさせたい。今回の訴訟はそのような社会的意義があると思っています。

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in モバイル, Posted by darkhorse

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