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Firefox9はFirefox8より最大45%、Firefox3.6より最大10倍高速化する


Firefox 9」の目玉機能は一年以上も研究が続けられていた研究プロジェクトである型推論 (TI: Type Inference) が導入されたことで、これによってJavaScriptを使いまくるサイトでの高速化がかなり期待でき、Firefox8に比べて最大45%、Firefox3.6に比べれば最大10倍高速化するとのこと。

ほかにも、ダウンロードした画像を実際表示するまでデコードしないことでページ読み込みの高速化とメモリ使用量削減を行うなど、パフォーマンス面で大きな改善が行われるそうです。

Firefox 9 の主な新機能を紹介します Mozilla Developer Street (modest)

Firefox 9 の後方互換性に関わる修正のまとめ Mozilla Developer Street (modest)

型推論により Firefox Beta の JavaScript が高速化しました Mozilla Developer Street (modest)

リリース予定は12月13日、あるいは12月20日となっており、以下のような改良や新機能が反映されることになっています。

◆型推論JavaScriptエンジンによる高速化

この高速化に導入された「型推論」とは以下のようなものです。

SpiderMonkey JavaScript エンジンに導入された型推論とは、プログラムのコード解析と実行時の変数型監視を組み合わせて、JavaScript プログラムの型情報を得る機能です。得られた型情報はより効率的なコードを生成するため JIT コンパイル中に利用されます。Firefox 9 では、推論された型情報を JagerMonkey JIT コンパイラで活用するよう改良されました。Firefox 9 ではデフォルトとなる、型推論を利用したコンパイルモードでは、Kraken や V8 といった主要なベンチマークでは 30% 以上高速化され、JavaScript 処理の重たい Web サイトでは大きな高速化が期待されます。


高速化された結果のグラフはこんな感じです。


◆HTML5ビデオファイル再生UIの改善
ウインドウサイズよりも小さい縦・横サイズのムービーは白背景ウインドウの左上で再生されていましたが、これが以下の画像のように灰色背景のウインドウの中央で再生されるそうです。


◆Web開発者向けに開発者ツールとして「Eclipse Orion」を統合
Eclipseプロジェクトで開発されているJavaScriptベースのエディタ「Eclipse Orion」がFirefoxの開発者ツール「スクラッチパッド」に統合され、強調表示などにも対応します。


◆Androidタブレットへの対応
タブレット版では右にツールバーは表示されず、スターボタンやメニューボタンは右上に表示されるようになり、縦画面表示時にはタブバーは表示されず、左上にタブ切り替えボタンが表示されます。


さらに横画面表示時には左にタブバーが表示され、このタブバーとの境界をスワイプすることで非表示にすることも可能となります。


◆端末のカメラにアクセスして写真を撮るウェブアプリの開発が可能になる
利用者にとってすぐに便利になる機能ではなく、主にウェブアプリ開発者向けになるのですが、なんと「」などのタグを使って、写真撮影が可能になるとのこと。これにより、写真を撮ってから加工してアップロードするウェブアプリの開発も可能になるそうです。


段々と本格的に高速化されてきており、旧バージョンから一向にアップデートしておらず、今回の「Firefox 8」を見送った人も、次の12月に出る「Firefox 9」は検討に値するはずです。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse

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