超「深」層ビル、地下300mの巨大な建築物
超高層ビルは、限られた土地を有効に活用することができる反面、歴史ある景観を破壊してしまう弊害もあります。メキシコの建築家Esteban Suarez氏は、高層ビルの利便性を持ちながら、街並みを崩さない、逆ピラミッド型の超深層ビルをデザインしました。
Earth-scraper: Architects design 65-storey building 300 metres below ground | Mail Online
これがSuarez氏が提案する「アース・スクレイパー」。その深さは地下300メートルにおよび、65階建のビルに相当するとのこと。
上からのぞき込んだ時のイメージ。全体はろうと状の構造で、いくつもの階層に分かれています。
中央部は空洞で、周囲にショッピングエリアなどの施設が設けられます。
ガラス張りの天井によって自然光を採り入れ、地下でありながら豊かな緑地を備えています。
「アース・スクレイパー」はメキシコシティの中心部への建設を構想しているとのこと。下の画像は候補地の現在の様子。
首都メキシコシティはアステカ王国時代に「テノチティトラン」と呼ばれる巨大な都市でした。これにちなんで、地上から10階層分はアステカの文化を保存する博物館が設けられるそうです。
「アース・スクレイパー」の構造模型。
メキシコシティでは歴史ある景観の保存を目的とし、地上8階以上の建物の建築を制限する条例を施行しています。Suarez氏は、景観を破壊しない建築物として「アース・スクレイパー」は最適な構造だと語っています。
あまりにも突飛なデザインの「アース・スクレイパー」ですが、もし実現すれば単にスペースの問題を解決するだけでなく、メキシコシティの新たな象徴として、世界中から観光客を誘致する目玉にもなるはず。耐震性などに問題が無いようであれば、土地の問題に苦しむ日本でもひとつの参考にすることができそうです。
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