BD-BOX発売が決定した「キスダム-ENGAGE planet-」決起集会レポート
2007年に放送されたアニメにもかかわらずこれまで映像ソフト化が行われていなかった「キスダム -ENGAGE planet-」。2011年4月に予約入金数2000件以上でBD-BOXの生産が決定し、ついに7月に無事生産&発売が決定しました。
この「キスダムR-ENGAGE planet-」BD-BOX予約者の中から選りすぐられた“裏返り”たちが集まった「裏返り決起集会」が、7月16日に汐留スペースFSで開催されました。すでにある程度作品を見た人向けのイベントなため、結構なネタバレも含まれるので、BD-BOXでゼロから楽しもうと思っている人は気をつけて下さい。
そのオープニングは主人公、哀羽シュウとヴァルダによるアナウンスでスタート。ただイベントの開始を知らせるだけではなく「せっかくだからステージを記念撮影しても大丈夫か?」「失格。イベント中は撮影禁止だ。録音も禁止だ。カメラをかざされると、私が実体化してしまうぞ。」と作品の設定を活かした内容に、開始前から会場のファンの興奮は高まりました。
イベント出演者は哀羽シュウ役の小野大輔さん、ヴァルダ役の明坂聡美さん、流姫那乃亜役の遠藤綾さん、七生愁役の中村悠一さん、そして監督の佐藤英一(ひでかず)さん。
今回こうしてイベントが開催されたわけですが、2007年の作品なのに今盛り上がっていることにはキャストたちもちょっと驚きつつ、そこがキスダムらしいところだという感想を抱いたそうです。監督はこのソフト化の動きはもちろん知っていたので、出ると聞いて「やっとだな」と思ったそうです。BD-BOXの生産決定はこのイベントで発表されましたが、監督からは「長い道のりの頂点」であり、また一つのスタートラインとしたいという、今後を匂わせる発言もありました。
イベントでは、事前アンケートの結果も発表されました。「好きなキャラクター」で1位を獲得したのはヴァルダ(21.2%)。ヴァルダ役を演じた明坂さんは「真のヒロインですから」とこの結果に満足な様子でした。
主人公の哀羽シュウは2位(19.1%)、ライバルの七生愁(12.3%)で、ヒロインの一人、流姫那由乃は10位。シュウと愁はともに何かあると由乃の名前を叫んでいたこともあり、小野さんと中村さんは2クールの間あれだけ名前を呼んだのに?とちょっと首をかしげていました。ちなみに、1票獲得した「サラディン号の副長」は羽多野渉さんが演じた特徴的な髪型のキャラクターで、アフレコの時から話題になっていたキャラクターだったそうです。
哀羽シュウ
好きなキャラクターを聞かれた監督は、まずドラマ上はヴァルダがヒロインだったり、構成上は乃亜がヒロインだったりした中で、本当のヒロインはイエラも含めてみんなだったのではないかと語り、その上で「ドラマの中でもう少し幸せなところがあっても良かったかな?」という思いから玲の名前を挙げていました。
アンケートの質問2つめは「好きなセリフ」。これは大方の予想通り「失格」「由乃おおおおお(叫び)」が上位に入りました。3位には亜久里が1話でつぶやいた「そんなお前にノーフューチャー」がランクイン。まさかこのあと2話で全滅するとは思いもよらないわけですが、監督は小粋なセリフを入れてもらおうということでこのセリフを喋らせたそうです。
また、これも主役ではないながらも狼騎の「また守れなかった」が4位にランクイン。「裏返り」と化した狼騎が村を全滅させたあとにつぶやくセリフなため、小野さんから「お前のせいだろ!」とツッコミが入っていました。
佐藤監督はすでにシナリオなどがある程度固まった中で監督を引き受けたため、すべての決めぜりふに監督が関わっているわけではないそうですが、コンテチェックの際に足したものもあるそうです。どうしてもセリフは状況説明しがちですが、キスダムは「このハーディアンはこういうやつだ」「哀羽のパンチ力はどうだ」などの説明をしてもしょうがないので、それよりも戦っていて余裕のあるヤツを、と考えていたそうです。
各人、自分の役で好きなセリフを演じるというコーナーでは小野さんは「惚れた女の笑顔を見るためさ」を選択。シュウはとにかく行動理念が由乃一筋で、このキャラクターを端的に表しているということで選んだようです。
明坂さんは「私の名はヴァルダ。初めまして、ネクロダイバー」という最初の登場ゼリフをチョイス。このセリフは何度も何度も取り直しをしたセリフだそうで、感情がないヴァルダを演じることはかなり難しかったとのこと。
乃亜役の遠藤さんは「シュウーーーー!!」という叫び。あまり決めぜりふのようなものがない乃亜ですが、遠藤さんには「シュウ」「姉さん」「キャー!!」の3つがローテーションしていたような印象があったそうです。
そして中村さんが選んだのは「キスダム」第20話、愁と由乃が一緒にいるところへシュウが飛び込んでくる、いわば寝取りっぽいシーン。このとき愁にはセリフはないのですが「フゥ……」という息づかいでどれだけ表現できるかということに全力を出したとのこと。
こちらが中村さん入魂の1シーン。BS11では8月20日に放送されます。
今回のBD-BOXには新規エピソードが追加されます。監督は、番外編を望む声もあるけれど、個人的にはキスダムという作品がまだまだ消化不良で深めなきゃという気持ちがあり、しもべ3人娘を掘り下げたいということからこれを作ったそうです。また、作中では第4話でルクソールに行ったものの、そのあとはどこで戦っているのかが明確ではなく、背景などを見ているとどうやら冬音の回では中近東で、だんだんと東にやって来て、最後は日本にたどり着いているようなので、いわば「哀羽ご一行様、今日はドコでご宿泊」のようなノリでマップを埋めたいという思いもあり、エピソードの舞台を中央アジアにしたとのこと。
この時点で明坂さんと遠藤さんはすでに収録を終えていたそうですが、久々のアフレコながら1時間ぐらいで収録を終えられたそうです。中村さんはこの話を聞いて、特典映像として当時自分たちがどのような物作りをしていたか、アフレコ現場の様子を入れて欲しいと語りました。
締めにあたって、監督からはこの決起集会はあくまで始まりであり、キスダムはソフト化されて終わりではなく、キスダム神話はこれからだという心強いコメントが出されました。これを受けて、遠藤さんはひょっとすると魔○少女・乃亜イエラが実現するかもと期待をのぞかせ、明坂さんは「もし乃亜イエラをやるなら、契約して魔法少女になってよっていう子は私がやります」と立候補。さらに遠藤さんから「主題歌はお姉ちゃん(由乃役は水樹奈々さん)に歌ってもらおうよ」と大きな夢が飛び出しました。
自分たち若い世代の役者が熱量を込めていた作品だけに、DVD化がないと聞いたときにはショックだったという小野さん。それが裏返ったことが本当に嬉しいとのことで、最後にはみんなで一つになって気持ちを共有するべく「由乃おおおお!!」の絶叫が響き渡りました。
ちなみに、最後に「キスダムR-ENGAGE planet-」の「R」ってなんですか?と聞かれた佐藤監督は、これまで「なんなんでしょうね」とはぐらかしていましたが、Blu-rayの特典ブックレットの中で説明が行われているとコメント。「R」の意味が何なのか気になっている人はBOXが手元に届くのを楽しみにしていて下さい。
なお、8月7日13時30分から24時30分ごろにニコニコアニメスペシャル「キスダムR -ENGAGE planet-」 一挙放送があるので、ちょっと中身を見てから考えるということも可能です。この番組の前、12時30分から13時30分には一挙放送直前「キスダムR -ENGAGE planet-」 裏返り特番!もあり、佐藤英一監督、明坂聡美さん、宣伝担当の廣岡祐次さんが出演するので、こちらもあわせて確認してみて下さい。
「キスダムR -ENGAGE planet-」Blu-ray BOXは8月8日が申込締切。入金締切は8月10日で、価格は税込3万8000円。「完全予約受注生産」で、申込み期間を過ぎると入手できないので、気になる人は8月8日までに決断して下さい。
BOXイラストはすしおさん描き下ろし。また、レーベル7点、ジャケット4点、ブックレット用イラストなど14点もすべて描き下ろしとなっています。
©2007 BVSN・Project NES
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