どこにでもあるアイスが証明、西アフリカで一番経済発展が進むガーナ

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。日本だどこにでもありますが、西アフリカに入ってアイスクリームを手に入れるのは簡単ではありません。それよりまず冷えたコーラが欲しいです。
だからこそ、ガーナに溢れていたアイスクリームは衝撃的でした。それも庶民価格です。そこから発展を続けるガーナ経済について考えてみました。加えて、ケープコーストの観光に焼いても揚げてもバナナ、そしてついに発見したアフリカマイマイと、ガーナでの日々をまとめています。
西アフリカ、ガーナの首都アクラはこの辺り
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ぷかぷか雲が浮かぶガーナ走行は続きます。

巨大な巨大なカタツムリのアフリカマイマイを発見。これは「ブッシュミート」として食べるそうですよ。「ウギャッ」「キモチワル」と叫びながらも、この驚きが嬉しかったり。海外での発見は今までの常識を壊してくれます。こんな怪物みたいなカタツムリに出会えるんですから、だから旅は楽しいんです。

集落の子どもたちは迷い込んだ怪しいチャリダーマンを警戒しています。

一本橋でヤギが決闘していました。それだけでも興奮したのに……

この決闘、待ったあり。おとなしそうなヤギですが、たまに頭をぶつけて喧嘩しています。

閑散とした市場。日中の賑やかさから一転するこの静けさが好きです。

そこでガキンチョたち。いい顔しているじゃないですか。

そして、海に出ました。内陸マリのバマコから走り続けての海。シエラレオネから内陸に入ったので、リベリア、コートジボアールを大きく迂回したことになります。再びめぐり会えた青い青い海に、嬉しくなるばかりでした。

ここはケープコーストという場所。

砂浜

たくさんの椰子の木に、大きく海を感じました。

ケープコーストには城があります。観光地となっているので、ちらほらと観光客の姿もみかけます。

城内部の広場。

砲弾と建物。

海に向けて砲台が備えられています。

城壁と砲台と海岸線。

建物上部から、広場を見下ろして。

城全体が分かる構図。

ただここも、セネガルのゴレ島と同じく奴隷貿易の史跡になります。この薄暗い穴倉に黒人奴隷は押し込められていました。一方、城上部の明るい木造の建物に白人支配者が居たとなると、時代のこととはいえやるせないです。

城からはたくさんの漁船

たくさんの漁師たちの姿が見えます。

浜辺で漁の様子をみていました。沖に出た一隻の船から人が飛び込み、泳いで網を陸に揚げます。それから二十名ばかりの男たちが陸で網を引っ張っていきます。掛け声を一つにして、少しずつ少しずつ。童話「大きなかぶ」のようでした。
城から一望できたケープコーストの街なみ。

風をうけて進む小型の帆船。

左奥の建物がケープコーストで泊まっていた安宿。

放し飼いにされている鴨。

ケープコーストを出ると2日で首都アクラに到着しました。病状を絵にした看板ですが怖いですね。

市中心部の駐車場にて。

首都アクラではベナンビザの取得しました。その際には乗り合いバス「トロトロ」を利用しました。ハイエースのようなワゴン車に座席を設けて運行されています。それにしても「トロトロ」といかにも締まらない名前。それだけでなく東アフリカには同じ乗り合いバスを「ダラダラ」と呼ぶところがあるらしいです。「トロトロ」と「ダラダラ」、なんとも愉快なネーミングではありませんか。
アクラを出てからは進路は東に、隣国トーゴを目指します。海ぞいの砂州を走りました。幅が500メートルない場所もあり、右は外海、左も内海と奇妙なところです。辺りは水ばかりですので、集落が浸水しているような場所もありました。

椰子の木と海と、気持ちのよい道を走っていました。

ガーナの宿事情。ガーナの宿は15セディ(約900円)で泊まっていました。ガーナ人も宿に泊まっているからでしょうか、安宿が豊富で助かりました。セネガルやマリでは宿が高くて大変でしたから。

室内にシャワーとトイレがあり、扇風機つきで小さな机と椅子があれば十分です。自転車も部屋に入れていました。

ここはケープコーストで泊まっていた部屋。

こちらはゴルフ場併設のモーテルで広い広い部屋でした。

ガーナの食生活。ガーナではバンクーと呼ばれる食べ物を食べていました。

お餅みたいにこねられているけど、噛み切れる塊にスープをかけていただきます。

こちらは貝の串刺し。とても美味しかったです。

おばちゃんが道端で焼いているトウモロコシにはまっています。塩水につけてくれます。

おばちゃんはバナナも焼いていますよ。

焼きバナナは、まるで甘いお芋のようなです。焼いてるだけじゃありません、

バナナを油で揚げてもいます。揚げバナナに豆ソース、甘味と塩味が絶妙に合っていて気に入っていました。

バナナチップスも美味しいです。ここはバナナ三昧です。

ガーナの国産ビールはクラブになります。

でも、アイルランドの黒ビールギネスも飲めます。ギネスブックのギネスです。ガーナでの展開は英国、英語繋がりでしょうか。

そして忘れてはいけないことに、ガーナにはアイスクリームがあります。今までの西アフリカで庶民価格のアイスクリームが流通している国なんてありません。30円くらいで毎日アイスクリームが食べることができて幸せでした。全部で5種類。

ファンアイス。バニラアイスクリーム。唯一のアイスクリームで一番のお勧めです。毎日こればかり食べていました。

ファンヨーゴ。ストロベリーヨーグルトのアイスキャンデー。(0.6セディ、約40円)

ファンチョコ。チョコレートミルクのアイスキャンデー。(0.6セディ、約40円)

ファンドンゴ。オレンジのアイスキャンデー。(0.5セディ、約35円)

ファンポップ。こちらもアイスキャンデー。(0.3セディ、約20円)

街には、このようなフリーザーのあるアイスクリームステーションがあります。

この自転車やリヤカー、もしくは木箱に詰めてバス停や市場で売られています。もちろんフリーザーのあるところでも直接買えますよ。

「ガーナのアイスクリームは美味しかった」とそれだけじゃ終れません。どこにでもあるアイスクリームは良好な電力事情をあらわしています。停電が頻発していたら冷たいアイスクリームを保てません。ガーナのアイスクリームは西アフリカで一歩抜きん出たガーナ経済の好調さを表しています。そんなガーナ経済の魅力をお伝えします。
農薬の看板。まずギニア、シエラレオネの人は農業をしていません。マリ、ブルキナファソでは農業をしていることに驚きました。その上でのガーナの農薬ですから。走っているとポリタンクに霧吹きみたいなものを取り付けて、農薬散布をする人をよくみかけました。

携帯市場にイギリスのボーダーフォンが進出しています。加えて南アフリカからはMTNも。人口約2300万人の西アフリカではナイジェリアに次ぐガーナの市場は押さえておきたいところでしょう。他にも数社で競争が行われています。

自国で映画もつくっているようです。

ガーナには国内資本の百貨店メルコムがあります。インドネシアにもマタハリ、モロッコにもマルジャンといった国内資本の百貨店がありました。ガーナはそれらの国と同様に、途上国の中でも一つ進んでいます。

首都アクラには南アフリカ共和国資本のスーパーマーケット「ショップライト」とディスカウントストア「ガム」があります。ヨーロッパのショッピングモールみたいな場所でした。サハラ砂漠以南の西アフリカで一番最初にマクドナルドが進出するとなればガーナになる気がします。

民主政治が機能しているのもガーナの強いところです。ギニアやニジェールでは軍のクーデターが起こりました。そんな政治の不安定な国で経済が安定するわけがありません。

投票を呼びかける看板。

そして、石油まで出てきたんですから、加速的に経済発展が進むでしょう。石油による恩恵は、Everyone can invest (みんなに使うことができる)と看板には記されています。

これだけの下地があり、これからも期待できるガーナですが、一つだけ心配な点があります。それは西アフリカのどこより人が荒いということです。走っていると奇声を発してまで呼び止めようとするやら、歩いている手を取ってまで客の呼び込みをするやら、柄の悪さは西アフリカ一番で、ガーナの人は好きにはなれませんでした。それだけならまだしも、運転も荒いのかよく車が横転しています。ガードレールなんかも車がぶつかった後ばかりで、綺麗なものをみかけたことがありません。この社会意識の軽薄さが、いずれ足を引っ張る気がしてなりません。
アフリカに入ってからずっと南下してきたのですが、ここから先はカメルーンまで東に進みます。トーゴ、ベナンはいいとしてナイジェリアってどうなんでしょうか。いろいろと危ないらしいです。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)
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