ソフトバンクの通信障害、人為的に仕組まれていたものであったことが明らかに
by Ollie Crafoord
2011年5月25日にソフトバンクモバイルの通信障害が関西で発生しましたが、システムトラブルなどの機械的なものが原因ではなく、人為的に仕組まれていたものであったことが明らかになりました。
業務委託先の元社員の逮捕について | ソフトバンクモバイル株式会社
ソフトバンクモバイルのプレスリリースによると、同社の業務委託先の元社員が、監視や制御を行うサーバーを経由して基地局とネットワークセンターを結ぶためのATM伝送装置の回線設定データを改ざんし、2011年5月25日に大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県で約7万2700人のユーザーに対して通信障害を引き起こした容疑で本日逮捕されたそうです。
5月25日の通信障害については外部からの不正アクセスの痕跡もなく、人為的事故の可能性があると思われたことから、障害発生の翌日5月26日に大阪府警に相談、6月6日に被害届が提出されており、捜査協力の観点から公表を差し控えられてきましたが、被疑者の逮捕を受けて発表されたとのこと。
逮捕された業務委託先の元社員が従事していたのは、ソフトバンクモバイルの関西ネットワークセンターでの基地局とネットワークセンターを結ぶ伝送装置のデータ設定業務で、元社員は業務に使用していた制御用端末に不正プログラムを入力し、ATM伝送装置の回線設定データを改ざん。携帯電話用の基地局を停波させた疑いがあるとされています。
なお、同業務委託先の元社員は2011年3月15日に体調不良を理由に業務委託先を退職していますが、2011年3月8日~9日に、5月25日に各ATM伝送装置に対して設定情報を改ざんするプログラムが作動するよう設定。通信障害は5月25日午前3時58分に発生し、5月26日午前10時15分に復旧しています。
ちなみに元社員の犯行を裏付ける理由として、作業員のネットワークセンターへの入館は、センターの入口で監視員が1人1人本人確認を実施しており、制御用端末が設置されているオペレーションルームにはセキュリティカードを所持していなければ入室できず、また、外部から不正にアクセスされた形跡も無かったことが挙げられています。
ソフトバンクモバイルは同様の事態が発生しないための対策として、オペレーションルームや重要な通信設備が設置してあるスペースに設置している監視カメラの台数を現在の252台から1170台まで増設することや、端末の操作履歴対象の拡大などを挙げ、再発防止に向けて取り組んでいくことを表明しています。
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