インタビュー

Key最新作「Rewrite」音楽担当の折戸伸治さんインタビュー


keyの最新作「Rewrite」メインスタッフインタビュー、第1弾ではシナリオ担当の都乃河勇人さん第2弾では企画・原案の樋上いたるさんに話を伺いましたが、最後は音楽担当の折戸伸治さんへのインタビューです。

key作品の数々の音楽を生みだしてきた折戸さんが作曲を始めたのはPC-98時代。そのあたりから最近まで、いろいろなお話を伺ってきました。

G:
最後は折戸さんです。すみません、かなりお待たせしまして。
音楽についてのお話を伺っていきたいと思うんですが、そもそもいつごろから音楽を始めたんですか?

折戸伸治(以下、折):
音楽をやり始めたのは高校の1年ですね。

G:
何かきっかけがあったんですか?

折:
高校の入学祝いにX68000を買って、最初はマイコンBASICマガジンとかでプログラム、ゲームを打ち込んで「できたー」って遊んでたんです。

あるとき、パソコン仲間がMMLっていう音楽のBASICみたいなやつを使って「ちょっと聞いてみいや」ってソーサリアンを打ち込んで、聞いてみたら確かに鳴っているんですよ。それはもうゲームの製品そのままの音が鳴って「すげぇやん!」って。そこからコンピューターミュージックに興味を持ちはじめたんですね。


G:
そこで衝撃を受けたって感じなんですか?

折:
そうですね、もうそれからはマイコンBASICマガジンを見てMMLを打つようになって。ただね、マイコンBASICマガジンはPC-98ばっかりだったんですよ。で、Oh!Xっていう雑誌のほうにたまにMMLがのってたり。基本はやっぱり譜面を見て……譜面読めなかったんですけど、こんな感じかなぁっていうので。

G:
オリジナルの曲を作り始めるきっかけっていうのは何だったんですか?

折:
高校3年生か、社会人1年生かちょっと覚えてないんですけど、当時はインターネットが普及していなくてパソコン通信がメインだったんです。そこの音楽系のBBSで、有志でオリジナルアルバムをカセットテープで出そうっていう企画があり、じゃあ出してみようと思って書いたのがきっかけですね。それまでも、断片的にフレーズとかっていうのはちょこちょこっと遊びで作ったことはあったんですけど、1曲作ったことはなくて、それがきっかけで1曲完成させたというのが最初でしたね。

G:
それまでの間に、独学で勉強したり、自分で本を買ったりっていうのは?

折:
一切してないです。

G:
一切せずに!?

折:
一切せずにですね。

G:
じゃあ、ぽちぽちと打ち込みしていた延長線上で1曲出来てしまったっていう。

折:
そうですね。

G:
すごいですね!これを聞くと天才だとしか……

折:
今に至るまでそういうノリで来ていますね。

都:
まさに息をするように曲を書く。

G:
できる人は最初からできるっていう典型みたいですね。

折:
すごくね、最近困っているんですよ。


G:
というと?

折:
音楽の外注さんと会話してる時の事なんですけど、相手はやっぱり音楽の基礎があるちゃんとした方ばかりなので、普通に音楽専門用語を使うんですよ。僕はたまにその専門用語がわからないんですよね。でも「わからない」とは言えないから、わかったふりをして(笑)

G:
そんな……!(笑)

折:
そういう背徳感というか、罪悪感というか……勉強しておけばよかったなって、最近すごく後悔してます。

G:
逆向きの叩き上げなんですね、パソコンで作り上げてきた方の。

折:
そうですね、感覚で作ってるので。

G:
感覚を音にする技術ではしりのころからやってきたっていうことですね。なんか、パソコンで音楽やってるひとに一筋の光が見えてきますよね。

折:
まぁ、特殊なケースですかね。

G:
特殊というか、先駆者みたいですね。

折:
うーん……自分の場合は、周りには結構そういう人達ばかりだったんですよね。なので、それが普通なのかなって当時思ってましたね。

G:
曲のああいうフレーズとかって作ろうと思って書けるのか、それともお風呂に入ってて思いつくんですか?

折:
そうですね。思いつくまで待つ、とにかく電波待ちみたいな(笑)
音楽に関して、自分の基礎となるベースみたいなものがないから、パズルのように組み合わせて音楽を作り上げていくというのが苦手で、いいフレーズが思いつくまでぼーっとしてる(笑)そんな感じですね。

G:
思いついた瞬間にバーッと書く感じですか?

折:
そうですね。書き留めたり、打ち込んだり。

G:
じゃあ、BGMとかの発注を受けたりしたときはかなり困るんですか?

折:
うーん……ケースバイケースだと思うんですけども、わからないときは、その既存曲とかに近いサンプルをちょうだいって言ってそれを聞かせてもらって、方向性がわかったらそのイメージを固めていくというのはやりますね。

G:
音楽はジャンルを特定せず雑多に聞くんですか、それとも好みのジャンルばかり偏って聞くんですか?

折:
えっとね、基本的に音楽って聞かないんですよ。

G:
ええ!?すごいですね。聞かないっていうのは、聞きたい曲がないからですか?

折:
いや、そういうわけじゃないんですけど、なんか……聞くのがめんどくさい(笑)

都:
折戸さんに薦めてもらった曲ってゼノブレイドが初めてなんですよ。

折:
むちゃくちゃ最近やん(笑)去年か今年ぐらいか。ゲームをやってて「うわ、この曲いいな」っていうことでサントラを買ったりはするんですけど、このアーティストだから買うというのはないですね。

G:
やっぱり、ゲームからはじめたから、ゲームをやってて気に入ったりすることが多いんでしょうか。

折:
そうですね。

G:
それでフレーズを思いついたりするというのは、すごいですね。

折:
いや、大変ですよ。すごい時間かかります。出てこないときは、とことん出てこないんで。

G:
出てこない時ってなんかしたりするんですか?

折:
いや、何もしないです。

G:
なんか、修行僧みたいですね(笑)

折:
無理やりスケッチだけでもしておこうと絞り出して書いたとしても、次の日に聞いたら「没!」ってなるのが多々あるんで、もうできないってわかったらその瞬間にやめてぼーっとしておきます。

G:
ぼーっとっていうのはほんとにぼーっと?

折:
ほんとにぼーっと(笑)

都:
腕組んでイスに座ってますよね。

折:
そうそう、こうやって(ちょっと斜め上ぐらいを見上げて)ぼーっと。そんな感じですね。

G:
すごい作り方ですね(笑)たくさん作って没にしてその中から選ぶんじゃなくて、神が降りるのをひたすら待つと。

折:
そうですね。だから、没っていうのがほとんどないんですよ。

G:
その作り方だとそうなりますね。一度降りてきて、曲がある程度完成して、そこから細かく作りこんでいくんですか?それとも、はじめからある程度がっちり作れてしまうんですか?

折:
それも、曲によりけりなんですが、基本はもう1から10まで、10ってことはないか……8、9まで作っちゃいますね。で、期間があれば、ちょっと聞きなおして、ここをもうちょっとやろうかなとかちょこちょこ作業しますけど、基本的にもう、最初の段階で8割9割は確定ですね。

G:
おおー……聞いてるとすごいですね。音楽の素養なんかは関係なく天賦の才か何かじゃないかという気がしますね。高校生までで音楽って1度もやったことないんですよね?

折:
全くないですねー

G:
ちなみに、学校での音楽の成績は?

折:
いや、音楽嫌いでしたからね。

G:
嫌い!?

都:
授業だと演奏したり歌ったりとかですからね。

折:
そうそう。だってあんな、クラス40人の前で1人で歌うなんて「何の罰ゲーム!?」って。もう大嫌いだった。

都:
音楽が好きな人って基本的にプレイヤーのほうになるじゃないですか。

折:
僕は全然楽器もできないし譜面も読めないし、コンピューターがないと音楽らしいことが何もできないという状態で、今に至ります。

G:
譜面とか知識が不要なコンピューターの音楽作成ソフトって、例えばACIDみたいにブロックを並べていって、ループシーン計算するやつとか、ああいうのを片っ端からやっていったんですか?

折:
そうですね、僕は打ち込み系、テクノとかトランスとかのほうが好きなので、そういうサンプリングのフレーズを切り貼りして組み合わせて音を作っていくっていうのは大好きなんですよ。なので、そっちは意外と簡単に作れたりしますね。

G:
作曲に使うソフトって固定されているものなんですか?

折:
そうですね。今はCubaseを使ってますね。

G:
確かに、スタジオうろついたときに箱が転がってましたね(笑)Cubaseに行きつくまでには変遷とかありましたか?

折:
むちゃくちゃありましたよ。おそらく音屋さんでそういう苦労された方、多々いらっしゃると思うんですけど、昔はMS-DOSでレコンポーザーっていうソフトがあって、それがもうすっごい特殊なソフトで、全部数値でみるんですよ。数値で入力するのですべてキーボードだけで完結するので慣れるとむちゃくちゃ早く入力ができるんです。

そのレコンポーザーの後継が存在していなくて、世の中ではCubaseだとかDigital Performerだとかのように、いわゆるピアノロールというピアノの鍵盤があってそこに棒のようなやつをペタペタ貼って作曲していくツールに移行していったんですが、その画面に慣れなくて慣れなくて……


2006年か2007年ぐらいまではMS-DOS版のレコンポーザーを使っていましたね。ただ、さすがにサンプリングフレーズだとか、最近のソフトシンセっていうのは全く使えないので、無理矢理PC-98をぶっ壊して移行しました。置いてあるとついつい電源入れてしまう自分がいるので、そこは強制的にでしたね。

G:
移行した当初はどうでした?

折:
最初はもう「潰すんじゃなかった!!」って思いましたよ。

G:
(笑)

折:
思いましたけど、もう我慢して我慢して、ストレス溜めながらやってなんとか移行ができました。

G:
修羅場みたいな道だったんですね。

折:
やっぱりそういう風にレコンポーザーを使ってる知り合いの音屋さんは結構いて、皆さん苦労してるんですよ。

G:
もしもレコンポーザーの後継ソフトが出てたら必ず使ってました?

折:
そうですね。come on musicがソフト開発をやめてなかったらその可能性はありましたね。今は楽器を売るオンラインショップになっていますが。

G:
インターネットを席巻して今や定着したVOCALOIDってあるじゃないですか。そういうものを傍から見ていて、どうでした?

折:
VOCALOIDに全然興味を持っていなくて、つい最近ですね、触りだしたのは。近年、歌を書く機会が増えて、歌のニュアンスとか、歌詞だけを見て自分の頭の中だけでメロディーを追いかけているだけじゃわかりずらい事もあるので、ちょっとミクに歌わせてみようかな、というので使い始めました。凄いですよ、どんな譜割りだろうと自在に歌ってくれるので。

都:
凄く便利なツールですよね。今まで仮歌とかで、人相手で気を使っていた事が、黒い言い方になりますけれど、道具として割り切って扱えるので楽ですね。

G:
皆さんそう言いますよね、VOCALOIDの凄さって。では一番最近使ったソフトの中で一番衝撃的というか、これは良かったなというのがコレですかね。

折:
ですね。まだ持ってないんですけど(笑) 今は最近入った音楽の後輩に「ミク化して」って、頼んでデータ書き出してもらってます。

都:
折戸さんのじゃなかったんですか?

折:
違うよ、竹下くん。全部竹下くんにやってもらってる。

藤:
そう簡単に調整できませんよ、結構手間かかる。

折:
そうそう、細かいニュアンスとか調整しないといけないし、普通に歌わせると音痴に歌うので。

G:
部屋にギターがあって、友達から借りているって言ってましたが、弾けるんですか?

折:
ギターはちょうど一年半くらい前からやり始めました。打ち込みで弦楽器の再現っていうのが一番難しいんですよ。一番再現しにくいジャンルだったので、それならギターを少しでも弾けるようになろうと。前からパワーコードくらいできるようになりたいなっていうのもあって、練習しだしました。

G:
今はどうなりました?

折:
デモ音源を録るくらいまでは弾いてますよ。本番では、本職のギタリストの方にお願いしてるんですけど、「ざっくりこんな感じのニュアンスで」っていうときは自分で弾いた方が早いので。仕事には役に立ってると思います。

G:
ちなみに今回のRewriteの音楽作成で、どういう風にやっていったんですか?例えば発注がきて作ってっていう風になってると思うんですが、その手順とか……

折:
手順としては発注がきて、シナリオを見せて貰うんですが、やはりそのシーンのシナリオがない事も多々あったので、基本は都乃河がイメージする既存の曲を聞かせてもらって、それでイメージを固めていくっていうやり方で、進めていきましたね。

G:
では、都乃河さんは山ほど元になる曲を聞いて知ってたって感じですか?

都:
超聞きました(笑)
前に麻枝さんが参考になる曲を資料化してくれてたんですよ。それを借りてきて、延々と……

折:
意外とスーファミ時代の曲とか多くて(笑) 「こんなレトロなのでいいの!?」って(笑)

都:
これ出来たら良いなぁって思うんですけど、良すぎるんですよね。ゲームミュージックはゲームミュージックであってほしいっていうのがあって、例えば映画ミュージックとか、そういうのはここぞというときに、イメージががっちりできてるようなときしか出さないですね。結局、二ヶ月くらい麻枝さんの資料をずっと聞いたりするんですけど、難しいですね……。

そういう雰囲気でゲームを作れれば良いんですけど、今回は意外と学園生活とかバトルとか、そういうものが多いので。楽しめる曲とかはね、ゲームミュージックの方が良いです。

G:
そういう風にして発注を受けて曲を作っていって、そこから後はCubaseで作っていくって感じですか?

折:
そうですね。

G:
ではある程度出来た段階で一度聞いてもらうのか、それともこれで良いだろうって完成まで作ってしまうのかというところはどうでしょうか。

折:
メロディーと簡単な、最低限バッキングができた段階で聞いてOKならば、そのまま作り始める、って感じでやってます。


G:
メロディーラインまでできた段階でボツっていうのはあるんですか?

折:
全部ボツっていうのはない、ですね。

都:
基本的にボツなんて一言も言ったことないですよ。アレンジについてはこういう方向性にしてほしいみたいなのは、言ったりしますけど。折戸伸治さんが作った曲に文句言うわけには(笑)

折:
言ってくれて良いよ(笑)

都:
完成するまで分からないですしね。

G:
最上階のスタジオを取材したとき「折戸伸治オススメヘッドフォン」っていうのが転がっていて、それを撮影したんですけれども、ヘッドフォンとかには割とこだわるほうですか?

折:
基本ずっとSONY MDR-CD900STっていう超定番のスタジオのものをずっと使ってたんですけど、割と耳への圧迫感が強くて耳が疲れるんですよね。それで何かもっといいもの無いかなと思ってヨドバシカメラに行って聞いてると、あれが良くて。ULTRASONE HFI 680っていうやつです。

都:
俺のは780ですけど。

折:
そう、俺より良いやつを(笑)

都:
聞き比べしたいからって買ったら、あんまり変わらないなって結論が出たじゃないですか。

G:
他に音楽関係で愛用しているものは何かあります?

折:
愛用……、意外と機材関係は変わるので……

G:
結構機材はごろごろ変える方なんですか?

折:
そうですね。常に機材、特にソフト関係はチェックしてて、変えますね。後は何やろう……

都:
キーボードとか?

折:
あぁ、そっか。Windowsマシンで、ずっとMacのキーボードを使ってるんですよ。タッチが好きで、ずっとMac使ってますね。だから、別の人が僕のPCを触るときにCtrlのつもりでCapsLockを押すんですよね。CtrlはPC-98と一緒でちょっと上の方にあるので。

都:
変換をどうすれば良いかわからなくなるんですよね。

折:
それくらいかなぁ。

都:
食べ物は?

折:
食べ物はよくGIGAZINEさんを参考にさせてもらってます。

G:
ありがとうございます(笑)

折:
一日三回くらい見てて、物凄く昔からめっちゃ見てるので。

G:
物凄く昔ってどれくらいですかね?

折:
2005年とか

G:
もしかして、リニューアルして直後くらいからですか?

折:
ですかね。それからずっと見てます。

G:
ちなみに、どういう理由でGIGAZINEを読み始めたんですか?

折:
ジャンクフード関係の記事に凄く惹かれて。情報源の七割八割は大体GIGAZINEさんから仕入れてますから。

都:
言われた覚えあるわ、「これ美味いんやでー」って

G:
(笑)

折:
凄いやっぱり、情報が早いんですよ。必ずチェックします。

G:
おー、ありがとうございます

折:
たまに「何でこれ取り上げへんのかな?」っていうのもあるんですけど

G:
取り上げないのは大体売ってないやつですね(笑) どこを探しても売ってないっていうのがあるので。試食の記事以外に読んでるときもありますか?

折:
食べ物以外ですか?たいていは目を通してますね。一通りは。

G:
なるほど……。

今まで、曲作るので降りてこないとなかなか、みたいな話があったんですけれども、今までの中で大苦戦したり、一番時間がかかった曲ってどれくらいあります?

折:
うーん…色々あったとは思いますが、今回に関しては、やはりオープニング曲ですかね。歌曲が基本時間がかかるので……それでも大苦戦ってほど苦戦した感じでも無かったですね。

一番困ったのは、今回シンフォニック的な要素、今までのKeyではなかったジャンルの曲もあったので、ストリングスの打ち込み方というか、フレーズの作り方ですね。楽器ごとにバイオリン、ビオラ、チェロ、バスとかあるんですけど、そういうのをどう関連させていけば良いとか、全く分からなくて。結局、「ごめん無理」って言った気がします。

都:
ありましたね、そういう曲。

G:
今までのお二方の質問と被るんですけど、前に比べて良くなったとか成長したとか、良く出来るようになったってわかる瞬間ってありますか?

折:
まさにいたるさんと一緒なんですけど、過去の自分の曲を聞いて、「うわ、過去の曲凄いな」って思うんですよ。よくこんな打ち込みやってたなって。年々技術の進歩に反比例して自分の打ち込みレベルが退化していってるようで。KanonとかAIRとかのデータ見たら「うわぁー、こんな面倒な事よくやってるわぁ」みたいなことが多々あって。ほんと、言い方悪いですけど、今はいかに負担掛けずに良く聞こえる様に仕上げるかっていうのを追及している感じですね。

G:
効率化を追求する、みたいな感じですかね?

折:
まぁ、どう誤魔化すかってことですよね。やっぱり文明の利器に頼れるところは頼って、こう、自分に優しくいきたいなって(笑)もういい歳なんで。昔の曲とか聞くと「凄い真面目に打ち込んでるわ!」って、思うことがありますよ。これ言うとあれだな、ブラックなイメージつくな(笑)

都:
職人の、手練れの技って感じで、物を作るときに最良の方法を最短の方法で、行動をとるみたいなもので。

G:
結果が同じであれば最短ルートの方を選ぶってことですよね。

折:
そうですね、まさにそれです。

G:
(笑)

そんな感じだっていうのは話を聞いてわかりますね。同じことをするなら誰も好きこのんで苦しいことをしたりはしないので。より簡単にできて結果は同じなら誰でもそっちを選びますしね。

都:
キリッとした顔で「苦しいことでもそれが必要ならやりますよ」って言っといてくださいよ(笑)

折:
映像じゃないやん(笑)まぁ、頑張りますよ。

G:
今後、音楽で新しい方向というか、こういうのをやりたいっていうものはありますか?

折:
ウチの社長が前にTwitterで、僕のオリジナルアルバムを、過去にまだ作ったことがないので、それを作って欲しいな、みたいなことを書いた事があったんですが、結構反響があって、ユーザーさんからよく言われます。もう、やるしかないなって感じですね。Rewrite終わったら、オリジナルアルバムの制作に取り掛かろうかな、と思ってますね。

G:
遂に、って感じですね。

折:
それでTwitter始めたんです僕は。麻枝くんが「社長こんなこと書いてるで!」って見せてきて、「オリジナルアルバムを作ってもらうのが私の積年の夢だ」みたいに書いてて。

都:
凄い強制力が働くんですよね。

G:
それで社長を見張るためにTwitterを始めたんですね(笑)

都:
公開したらユーザーが見るじゃないですか。そうするとユーザーの皆さんの期待に答えなきゃいけないみたいなところが我々にはあるんで。

折:
つい最近も似たような事がありましたね。Key Sounds Labelっていうレーベルがあるんですけど、それが今年で設立10周年なんですよ。ユーザーさんから「10周年記念にイベントしないんですか?」って社長に質問がきて、社長が「折戸と相談します」って答えて。相談ってきたらユーザーさんはやっぱり期待するじゃないですか。その時点で、僕はもう、ある意味追い込まれつつある訳ですよ。そういうことがあったりとか。

G:
ちなみに、このインタビュー記事内で、社長に何かメッセージってありますか?ちょっと反撃ということで。

都:
「具体例を出すのはやめてほしい」とか(笑)

折:
もうちょっと、「にやっ」とか、そういう感じで濁してほしいですね。

都:
「社内で検討します」とか。社内というのを上手く使ってほしいです。

G:
特定人物名を出さずに(笑)

都:
あと意外と、サイトで特典を公開するって話があるんですけど、「都乃河がなんとかします」みたいになって。それをやるのは別に俺ではないんですけど、でも公開できてないから俺のせいになっているっていう。僕悪くないよーってなったりするんですよ。

G:
つまり、社長のTwitterは、社長個人のツイートなので、そういう風に見ておいてほしいってことですかね?

都:
そういうこともない、寧ろ期待していてほしいです。ユーザーの皆さんは自由に社長のツイートを見て頂ければ良いんですけど、社長に自重してほしい。

G:
社長自重しろと(笑)

都:
それはそれで面白いからまあ良いやー、っていう結論には達してるんですけど(笑)

G:
ということは、社長のTwitterがちょっと暴走気味だっていうのは本当だということで良いですか?

都:
凄い自重してくれてますよ、今は。

G:
今は(笑)

都:
直談判の成果でしょうか(笑)

G:
社長がTwitter始めたのっていつ頃でしたっけ?

都:
去年ですよね

折:
いや、去年よりもっと前。俺が始めたのが去年より前で、一昨年にはやってたよ。

G:
じゃあ二、三年の年月を経てようやく自重を覚えたって感じなんですかね(笑)

都:
自重しない方が面白いと思うんですけどね。社長なりのエンターテイメントだと思いますし、我々も基本的には楽しいので。

G:
折戸さんに最後の質問なんですけど、同じように音楽に興味がある、曲を作りたい、けれども音楽の専門的な勉強とか特にやってないし……みたいな人に何かメッセージってありますか?

折:
とにかく、発表の場を作るってことですよね。未完成でも何でも良いので、人に聞いてもらうってことが重要だと思います。今はニコ動だったりとかで、ユーザーが簡単に色んな人に聞いてもらえる場っていうのがあるので、そういうものを利用しない手はないと思います。

G:
なるほど……

あと、都乃河さんに一つ聞くのを忘れてたんですけど、シナリオを書くときに使ってるソフトって何ですか?

都:
ソフト……?

G:
人によってはテキストエディタでこんなの使ってるよ、とかあると思うんですけど。

都:
俺、自宅だとサクラエディタを使ってるんですよ。

G:
フリーソフトのやつですね。

都:
どっか他のところで作業するときは普通のエディタでテキストを打ったりもするし、全然選ばないです。

G:
縦書きでも横書きでも、原稿のときは関係ないですか?

都:
原稿のときは関係ないです。流石にスクリプト作業のときはエディタじゃないとつらいところがあるので。文章は打てれば良いんで。

G:
ちなみに使ってるパソコンは、ノートパソコンでやってるんですか?

都:
デスクトップですね。ノートはほんとに緊急時しか使わないです。デスクトップパソコンが大好きなんです、基本的に。

G:
キーボードはこだわる方なんですか?

都:
前はなんでもいけたんですけど、麻枝さんに仕事中はこれを使ったほうが良いよってパンタグラフの、ぺたぺたするのをもらったんですけど、それをずっと「リトルバスターズ!」の間使っているとそれが一番良いと思うようになっちゃって。同じのを欲しいんですけど、今売ってないんですよ。今そのぺたぺたするのを5、6枚買って、その中で一番いいやつを見つけて今それで統一してます。

G:
なるほどなるほど。
長い時間、ありがとうございました。

ということで、keyの最新作「Rewrite」は好評発売中。期待作だけあって発売日には早朝販売が実施され、多くのファンが集結したそうです。本作は全年齢対象版で18禁版は絶対に出さないとのことなので、後で何か出るかも……と身構えずに、欲しい人は今すぐに買いに走って下さい。

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in インタビュー, Posted by logc_nt

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