ヨガが不整脈や脳卒中の予防に効果的、新たな治療法として提案される
心房細動が原因で脳卒中や不整脈を起こしてしまう患者がヨガをすると、その発現率が2分の1にまで低下するという調査結果が発表されました。
これまでは薬物や手術などによって治療が試みられてきたのですが、ヨガをすることで発症率が低下するのであれば、体を動かすことのできる患者にはヨガを推奨することで、治療を促進することもできそうです。また、心房細動だけでなく、うつ症状などの改善などその他の利点も見られたということです。
ヨガがもたらす治療効果は以下から。Yoga halves irregular-heartbeat episodes: study | Reuters
心房細動は脳卒中の主要な原因で、高齢者に起こりやすい症状です。調査によると、ヨガをしていると心房細動の発現率が2分の1になり、うつ症状も改善していくことが分かりました。
「心房細動を治療するためには、患者に多大な負担をかける方法か、あるいは薬物療法しかないと思われていたため、この発見は非常に重要と言えます」と、この研究を行ったカンザス大学病院のDhanunjaya Lakkireddy准教授はコメントしています。彼はニューオリンズで開催されている米国心臓病学会の年次会議で、ヨガによる心房細動の治療についての調査結果を発表しました。
この調査は、これまでヨガをやったことのない、不整脈に悩まされている49人の被験者を対象に行われました。調査期間は6ヶ月にわたり、その間被験者たちの不整脈の発現率は記録されました。
調査を開始してから3ヶ月目までは、被験者たちにはどんなスポーツでも自分が好きなものに取り組んでいいということが伝えられました。そして残りの3ヶ月間は、呼吸法やヨガの姿勢、ならびに瞑想(めいそう)を含むヨガを体系的に行うよう指示されました。被験者たちは、講師の指導を受けて行うヨガのプログラムは週に3回取り組み、それ以外にも毎日家でヨガをするように勧められました。また、調査中、被験者の脈拍は心電図で測定され、うつ症状や生活の質についてもヒアリングが行われました。
平均して、ヨガを行うことで不整脈の発生率は2分の1にまで減少し、うつ症状や気分の落ち込みは著しく軽快しました。また、運動能力や活力なども向上したとのこと。これらの結果から、ヨガは患者の脈拍を整えるのに大きな影響を及ぼし、それだけでなく生活の質全体を改善しているという結論が導かれました。
心房細動は、凝固した血液が心房にたまり、それが脳まで運ばれてしまうと脳卒中が引き起こされます。それを防ぐための薬物療法として、抗血液凝固剤のワルファリンを毎日服用している患者も多いそうです。
毎日薬を飲み続けるコストを考えると、ヨガを行うことで脳卒中や不整脈を予防できるのであれば、ローコストで健康的なので、体を動かすことのできる患者にはヨガを勧めるというのも新たな治療へのアプローチとして有望なものかもしれません。
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