生後19日で誘拐された女性、23歳になって両親と再会
1987年にニューヨークの病院で看護婦を装った女に誘拐された赤ちゃんが、「娘は生きている」とずっと信じていた母親のもとへ、23歳の美しい女性として姿をあらわすという出来事があったそうです。生後19日で誘拐された女性の方は両親のことは当然まったく覚えていないのですが、「生まれ変わったような気分。本当にうれしい」と感激しています。
解決までに最も時間がかかった誘拐事件の一つとも言えますが、世界中の行方不明者の家族に希望を与える事例なのではないでしょうか。
詳細は以下から。Woman snatched as a baby reunited with parents after 23 years - Telegraph
ニューヨークのハーレム病院で1987年8月4日に生後19日で誘拐されたCarlina Whiteさんは、Pettwayという姓の麻薬常用者と疑われる女に育てられ、主にコネチカット州ブリッジポートでPettwayの娘「Nedra Nance」として育ちました。
子どものころはよく暴力をふるわれていたというCarlinaさんは、10代のときに運転免許取得のため出生証明書が必要だった際に『母親』が渡してくれなかったため、不審に思うようになったそうです。「いつも自分と『お母さん』の共通点を探そうとしていたけれど、何一つ見つからなかった。外見的にはまったく似ていないことに気付いたの」とCarlinaさんは語っています。
問いただされるとPettwayは遺伝的な母ではないことを認めたものの、「生みの親は麻薬中毒者で子どもを手放した」「AIDSで死んだ」などと食い違う説明を繰り返したそうです。
6歳になる娘とともにアトランタへ移住したCarlinaさんは、昨年12月に思い立ってNational Center for Missing and Exploited Children(NCMEC:全米行方不明・被搾取児童センター)へ電話し「自分が誰なのかわからない気がするんです」と相談しました。1984年に設置されたNCMECに保管されているファイルの中でも最も古い部類に入るこの未解決事件をよく知る捜査員がCarlinaさんに誘拐前の写真を見せると、その赤ちゃんは、「Nedra Nance」として赤ちゃんのころ「家族」に撮影された自分の写真にそっくりなものでした。
一方、23年間「娘は生きている」と信じ続けてきたという母親のJoy Whiteさんは、年が明けて1月5日、仕事中にNCMECから連絡を受け、大人になったCarlinaさんの写真を見せられたそうです。「見た瞬間に彼女だとわかりました。職場にいたのですが、叫んで、泣いて、階段を駆け下りました」と語っています。その後DNA検査により「Nedra Nance」として育てられた女性がJoyさんの娘Carlina Whiteさんに間違いないと確認されたとのこと。
また、Joyさんと離婚したCarlinaさんの父Carl Tyson氏も、やはり「何か進展があるかもしれない」という希望を捨てていなかったため、新しい住所を知らせるためつい最近NCMECへ連絡していました。先週日曜日にニューヨークのラガーディア空港でのCarlinaさんと親族一同の再会に駆けつけたそうです。
現在は「新しい」名前や「新しい」家族に慣れようとしている最中というCarlinaさんは、「本当に幸せです。でも何もかもが新しくて、ちょっと不思議な気分です。生まれ変わったみたい」と語っています。
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