ボールを追いかけて1300kmを旅した少年、4ヶ月の時を経て家族と再会
線路の近くで遊んでいた7歳のインド人の少年がけったサッカーボールが停車していた列車の貨車に載ってしまい、ボールを取り戻そうとした少年を乗せたまま列車は動きだし、少年は家から800マイル(約1290km)も離れた町の駅で鉄道警察により発見されたそうです。
家出人を保護する施設に預けられた少年は、そこからさらなる曲折を経て、4ヶ月後にようやく家族と再会することができたとのこと。なんだか壮大な冒険のように聞こえますが、いったい何がどうなったのでしょうか。
詳細は以下から。
Boy reunited with family 4 months after ball hunt carried him away - Telegraph
ボールを追いかけて列車に乗ってしまったMohammed Fazlu君(7歳)が発見されたのは、タミル・ナードゥ州ヴェールール県にある鉄道駅。地元の児童福祉局により家出人のためのホームに一時的に預けられ、Mohammed Fazlu君の家族捜しが始まったのですが、「ムンバイから来た」というMohammed君の証言とは裏腹に、いくら探してもムンバイにはMohammed君の家や家族、親せきは見つかりませんでした。
Mohammed Fazlu君(7歳)。
Mohammed君がカンナダ語(カルナータカ州の公用語で、主にインド南部で話される言語)を話せることに気付いた施設の職員が、捜索をカルナータカ州へ広げたところ、そこでもMohammed君に該当するような行方不明者の届け出はなかったのですが、地元のテレビ局に協力を依頼したことで、進展があったそうです。
Mohammed君の3歳の弟Roshan Zameer君が、バンガロールの自宅でテレビを見ながら「Mohammedがテレビの中に入ってしゃべってるよ!」と両親を呼び、駆けつけてテレビに映った息子の姿を見た両親は当局へ連絡をとり、先週木曜、ラマダーンの終わりを祝うイド・アル=フィトルの祭を前にMohammed君は家族と再会することができました。
捜索を担当した児童福祉局のRuby Nakka氏によると、「ムンバイから来た」というMohammed君の証言が捜索の回り道につながったとともに、Mohammed君の両親が警察に捜索願いを出していなかったことが、捜索をほとんど不可能にしていたとのこと。これに対しMohammed君の両親は「警察は頼りにならないし、わいろを要求するだけだ」と発言しています。
Mohammed君は信仰心のあついイスラム教徒で、とても利発な子どもとのことですが、家の住所や捜索に役立つような両親についての情報を当局に提供することはできなかったそうです。Nakka氏によると、Mohammed君を乗せた列車がムンバイ経由でヴェールールへ到着したとも考えられるものの、列車に乗ったのはムンバイではなくバンガロール東部のベッドタウンVarthurにある自宅付近と考えて間違いないだろうとのことで、この「ムンバイから来た」発言は不可解なようでもありますが、7歳くらいの子どもだと、自宅の住所を言えなかったり、自分が住んでいる市町村名を知らないということは案外多いのかもしれません。
Mohammed君の父で自動車修理工であるBashir氏と、母のDilshadさんは、Mohammed君が失跡してから眠れない夜を過ごしたとのことで、地元メディアの取材に対しBashir氏は「再会はわたしたちにとって歓喜に満ちた瞬間でした。Mohammedが消えた時にはうちのめされ、バンガロール中を探しました。わたしたちは警察には頼らず、自分たちでMohammedを探す決断をしたのです」と語っています。
インドの警察がどれだけ「頼りにならない」のかはわかりませんが、さすがに今回は捜索願いを出していればもっと早くに再会できたような気もします……。
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