次元を超えて2Dの世界へ、アーティストの手によるボディペインティングで絵画に溶け込む人々
平面を立体に見せるトロンプ・ルイユは昔から多くの画家により描かれてきましたが、それとは逆に立体物を平面に見せる試みというのは珍しいのではないでしょうか。
ワシントンDCを拠点に活躍する23歳のアーティストAlexa Meadeさんの作品は、立体物である人間に巧妙なボディペインティングをほどこすことにより2次元の絵画のように見せ、人が絵画に溶け込んだとも絵画から人が飛び出してきたともとれる、新鮮なだまし絵的効果を得ています。
詳細は以下から。ALEXA MEADE \\ PORTFOLIO
「Curated」という、24×18インチの写真作品。
別バージョン。
作品が撮影されたインスタレーションの様子。右の女性がアーティストのAlexa Meadeさんです。
上の作品の背景にあるこの絵画は……
「Jaimie」という、やはり女性にアクリル絵の具で描画して撮影された作品でした。
「Flux」(2010年)
「Mediation」(2010年)
インスタレーションの様子。見えない位置に設置されたビデオカメラで撮影したモデルの映像をリアルタイムでテレビに映し、目の前にいる立体のモデルと平面になった姿を同時に見ることができるようになっていたそうです。
「Natura Morta」(2009年)
インスタレーションの様子。
「Power Exchange」(2010年)
胸から下はこのようになっていました。
「Spectacle」(2010年)
撮影もAlexaさんが行っています。
これまでの作品とは異なり、3次元空間を撮影した写真の上に、男性の絵を描き込んだかのように見える「Transit」という作品。
2009年に行われた、ペイントをほどこされた男性が地下鉄に乗るパフォーマンスアートを撮影したものです。
後ろ姿も絵画のようです。
白と青のモノクロームの男性は、「Blue Print」という作品。
ワシントンDCのIrvine Contemporary Galleryで行われたインスタレーションの様子。上の写真だけではわからなかったかもしれませんが、靴も背景に描き込まれた2Dではなく本物のスニーカーに色を塗った立体物です。
制作の様子を以下の動画で見ることができます。
YouTube - Incredible pop-out painter
服の上からペイントするのではなく、あらかじめ塗ってあるものを着るようです。ごわごわしてちょっと履きにくそう。
「わたしがやっていることは、ある人の肖像をその人の上に直接描くってことなの」というAlexaさん。この作品では白い下塗りが残った制作中の絵画に見えるような効果を狙ったそうです。
モデルの男性Blakeは白人と黒人のルーツを持ち、初対面の人には「何人」だかちょっとわからない、分類に困る、という反応をされることも多いそうです。そこを遊んでみると興味深いと考えたAlexaさんは、「白人」と「黒人」を象徴するような白とブルーのモノクロームにすることにしました。ペイントをほどこされたBlakeは「白」でも「青」でもなく2つの色のコンビネーションで、完成した作品は一目見てもモデルの人種を特定できないような肖像画に仕上がっています。
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