日本食研ソーセージ工場見学:ピンク色に輝く「プロージット」生地に職人魂を見た
愛媛県今治市にある日本食研の工場を訪れ、工場見学に来たはずがはからずも宮殿を見ることになるという衝撃を体験したわけですが、今回の訪問の本来の目的は、思い出すだけでよだれが出る超本格派ハム・ソーセージ「プロージット」が作られる現場を目撃することにあったはず……。
というわけで「宮殿工場」の興奮も冷めやらぬまま、引き続き「食品研究工場・ハム研究工場」に潜入し、「プロージット」のソーセージ作りを中心に見学してきました。
見学レポートは以下から。
宮殿工場の方から食品研究工場・ハム研究工場の方へ向かうと、日本食研創業者・大沢一彦氏と「晩餐館焼肉のたれ」のキャラクター・バンコの姿が。
宮殿工場の庭園がウィーンのベルヴェデーレ宮殿の庭園をイメージしているのに対し、ハム工場前の庭園はヴェルサイユ宮殿の庭園がモチーフとのこと。
ランプを掲げるバンコ。敷地内にバンコが全部で何体いるのかは、社員でも把握しきれていないとか。
焼肉のたれのボトル型の噴水を発見。この日は風が強かったため噴水は止められていましたが、たれを噴き出すというわけではないようです。
噴水を支えるバンコ。
工場のエントランス。
ポーチ横にテーブルやイスが置かれていました。ハム工場というよりホテルなどにありそうな雰囲気かも。
左側の棟は食品研究工場。
右の棟はハム研究工場。
左右対称になっているのですが、本社社屋との位置関係により、正面から左右の棟を含む全体像を見ることはできないそうです。
エントランスホール。宮殿工場がオーストリアだったのに対し、ハム研究工場はドイツがテーマとなっている模様。
食品研究工場2階の電気室から、宮殿工場の全容を見ることができます。
ヴェルサイユ風の庭園。
正面ゲート方面。
本社社屋やバンコと大沢会長の銅像も見えます。
ハム研究工場は「世界ハム・ソーセージ博物館」も兼ねていて、見学コース沿いにさまざまな展示があります。一見拷問器具のようなこれは「ハムホルダー」という道具。
ロース型リテーナー(左)と花型リテーナー(右)。ハムにする豚肉の形を整える道具です。
ロース型リテーナーの断面。
世界のハム・ソーセージのパッケージや実物も展示してありました。こちらはドイツのもの。
瓶詰めのソーセージというのはドイツでは一般的とのこと。日本ではあまり見かけないのではないでしょうか。
ハム研究工場の見学ルートでは加工室でハムやウィンナーソーセージが加工されているところや、ソーセージをスモークしているところなどが見られるようになっています。肉は地元愛媛県産の豚肉を使用しており、軟骨などをきれいに取り除いて使用。あまりの処理の丁寧さに、見学に来た同業者が驚くほどなのだそうです。
ソーセージ作りでは材料を調合し細かく刻みながら生地を練っていく「カッティング」という作業が最もセンスや技術が要求される部分となっており、本場ドイツでは10年以上修行した熟練の職人しかカッターには触らせてもらえないそうです。ここで完成した肉を、ノズルを通して羊腸に詰めていくとソーセージになります。最近では人工腸を使う製品が多いそうですが、「プロージット」のソーセージはすべて羊の腸を使っているとのこと。
ソーセージ作りの見学を終えたところで2階の研究開発室へ向かい、ソーセージやベーコンの試食をさせてもらいました。
商品の開発を行うこの部屋にはミニサイズのスモーカーなどの設備がそろっていて、ハムやソーセージの試作・試食ができるようになっています。
まずは先日試食した際に「これがベーコン!?」と衝撃を受けたベーコンから。とにかく分厚く切って味わってみて欲しいという理由で、自信があるからこそあえてスライスでの販売は行っていないそうです。職人みずからカットしてもらいましたが、「え、そんなに……」と思うほどの厚切りです。
脂身の中に血管が見えるのが、一度も肉を冷凍していない証拠。冷凍肉を解凍して作ったベーコンでは解凍の際に血が抜け、脂身が真っ白になっているそうです。
脂にくさみがないプロージットのベーコンは生でも食べられるとのこと。脂に甘みがあり、サラダのトッピングなどによさそうです。ヨーロッパでは生のラードのスライスをチーズ感覚で食べることもあるそうですが、それに近い感覚かもしれません。
焼いたものがこちら。ぷりぷりで甘みがあり、肉の味もしっかりあり、ベーコンというより何か別の料理のようです。朝食に卵と一緒に食べてもよさそうですが、ビールやワインにも合いそうな味。塩味は割としっかりしているので、このベーコンでカルボナーラなどを作ってもかなりおいしそうです。ジャーマンポテトなどのいため物や、ポトフなどの煮物も味が出ておすすめとのこと。煮物の際は大きめに切って塊肉感覚でも使えそうです。
さきほどカッティングから充てん・結紮を見学した「ヴィーナー・ヴルスト」。ボイルでいただきました。
折るとパリッと良い音がします。非常になめらかな絹挽きの生地が空気を細かく含んでいて、独特の食感です。
続いて、マジョラムなどの香辛料が効いたあらびきソーセージの「ペルツァー・ヴルスト」。こちらはフライパンで焼いたものをいただきました。
かなりジューシーで、先ほどのヴィーナー・ヴルストよりは濃い味付けですが、ハーブのさわやかさもあって非常に食べやすく、ビールが欲しくなる味です。
最後に、牛肉入りの「クライナー・ヴルスト」を試食。こちらもフライパンで。
かみごたえがあり、肉がぎっしり詰まっています。3つの中で1番特徴的な味で、うま味も強い分アクもあって、好みがわかれる味かもしれませんが、肉を食べているという実感がしっかりあるので、肉好きの人にはたまらないかも。
なお、10月28(木)・29(金)に大阪市西区江戸堀の愛媛県大阪事務所にてプロージットの試食販売が行われるほか、新橋にある香川・愛媛せとうち旬彩館でもプロージットの商品が販売されているそうです。
・続き
オーシャンビューな日本食研本社社屋で食品サンプルがいっぱいの博物館を見学し、社員食堂でご飯を食べてきました
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in 取材, 動画, 食, Posted by darkhorse_log
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