鉄道博物館所蔵の御料車展示室に潜入、目と鼻の先の距離で撮影してきました
10月9日(土)から鉄道博物館で行われている「御料車~知られざる美術品~」展ですが、御料車自体は鉄道博物館に常設展示されています。
それ自体が美術品級に貴重な車体のため、御料車は他の展示車両とは異なり、温度や湿度が一定に保たれたガラス張りの展示室の中にあります。そのため周囲の状況がガラスに映り込んでしまい、写真撮影をする者にとってはかなり苦しい状況であるわけです。
そんな折、展覧会の開催を記念してガラスの展示室内に入って間近に御料車を拝むことのできる「プレス撮影会」があったため、参加して写真をこれでもかと撮ってきました。展覧会で豪華絢爛(けんらん)な調度品を見たばかりですが、やはり車内に置かれていると稼働当時に思いをはせることができ、よりロマンを感じられるものとなっていました。
御料車に肉薄して撮った写真たちは以下から。鉄道博物館 - THE RAILWAY MUSEUM -
今回ガラス張りの展示室内部に入ることを許可されたのは赤枠で囲った「10号御料車」「12号御料車」「9号御料車」「7号御料車」の計4台が収蔵されている室内でした。御料車はあと3台収蔵されているのですが、展示の状態などからかんがみてそちらはNGとのことでした。ちょっと残念。
◆10号御料車
車両の端に外の景色を眺めるための展望室が設けられているので、他の車両よりも開放的な印象がある車両です。
・外観
ちょっと洋風なデッキがついているのが印象的。
結構広いスペースがあります。数人並んで外を眺めたりもしたのでしょうか。
・展望室
天井灯には花菱(はなびし)の文様が蒔絵で描かれています。
・御休憩室
・供奉員室
・供奉員化粧室・厠
◆12号御料車
この御料車から洋風の文様が多く使われるようになり、天井には洋風にアレンジした花襷(はなだすき)文が用いられるなど、、御座所に特にその特徴が現れています。
・外観
扉の取っ手には繊細な装飾がされていました。
・御座所
「御料車~知られざる美術品~」の第3章で展示されている「野菊と薔薇」という油絵や、群れなす馬の彫刻「駿良ぐん遊」はこの場所に飾られていました。
美しい鳳凰のレリーフが扉に取りつけられています。金閣寺などにも彫像が見られるモチーフではありますが、この車両全体の洋風な雰囲気に合わせてなのかちょっと雰囲気が異なります。
◆9号御料車
御食堂室がある車両で、料理人の休憩室などそれに即した機能の部屋があるのが特徴です。
・外観
・休憩室
・料理人休憩室
・献立室
・御食堂
妻に配置された2枚の鷹の刺しゅうが画がこの食堂の最も大きな特徴で、圧巻の出来栄えではありますが制作者は残念ながら不明ということです。
天井に配された文様などが非常に神々しく、ここで食事をするのは高貴な人にしか許されないといったオーラを放っています。
◆7号御料車
大正天皇の即位礼のために製造された御料車で、それにふさわしい日本の伝統を重んじた内装が施されています。
・外観
他の車両とはわずかに異なり、金色の文様があしらわれています。
鳳凰と菊の御紋。
・御剣璽奉安室
ここに神剣を置くのでしょうか。
・候所
・御座所
色鮮やかな「波に千鳥」の図の織物が飾られています。よく似た図柄ですが部屋中に8枚少しずつ違う柄の織物が飾られていて、玉座の背を北と見て東側から順番に朝から夜の図になっていくよう配置されているそうです。
・女官室
・御化粧室兼御休憩室
壁紙も天井も無地に見えますが実は細かな刺しゅうが施されています。
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