本邦初公開の展示品だらけ、鉄道博物館の「御料車~知られざる美術品~」内覧会レポート パート1
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天皇や皇后、皇太子、皇太后が乗るためだけに作られた客車「御料車」は明治時代から作られ始めたもので、各時代の最高峰の技術と工芸美術を用いて作られる、とてもゴージャスなものだといいます。
しかし用途が用途なだけに内部の調度品などはほとんど公開されてこなかったのですが、それらを見ることができる展覧会「御料車~知られざる美術品~」が埼玉県・大宮にある鉄道博物館にて2010年10月9日(土)~2011年1月16日(日)まで開催されます。今回は開催に先駆けて展示内容を見られるプレス内覧会があったので、貴重な工芸品や織物などを撮影してきました。
会期は3つに分かれていて、今回撮影したのは第一期のものにあたります。通期で合計130点あまりの工芸品を展示するなど、鉄道博物館3周年記念企画ということでかなり気合いの入った催しになっているようです。
御料車内部の再現や、実際に使われていた機関車の装備などの写真は以下から。鉄道博物館 - THE RAILWAY MUSEUM -
鉄道博物館駅に到着。駅構内の壁面に大きく「御料車~知られざる美術品~」の告知が。
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駅から鉄道博物館までの短い通路にも垂れ幕が大量に下がっているなど、展覧会のアピールはものすごい勢いです。
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館内入り口にもやはり垂れ幕と立て看板が。まだ会期前で、この日はあくまでプレス内覧会だったのですが、この気合いの入りように鉄道博物館の本気を感じます。
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会場外のパネルにも展示品が印刷されています。
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それではさっそく内覧会の会場、すなわち展覧会の内部へ潜入します。展覧会は鉄道博物館の入場料さえ払えば、追加料金なしで見ることができるので良心的です。
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第一章は「御料車の歴史」
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会場に入ってすぐ目につく旗は、2001年3月26日にノルウェー国王夫妻が来日した際、北鎌倉への行幸啓お召し列車の前面に取りつけられていたものです。
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ノルウェー国王夫妻来日の際のお召し列車の写真。
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「東京汐留鉄道御開業祭礼図」は日本最初の鉄道が新橋~横浜間を運行した際の様子を描いています。この時はまだ御料車は作られていませんでしたが、車両には皇族のための装飾が施されているのがわかります。
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御料車の変遷が図解されています。
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ここからはお召用機関車の装備の展示です。これは1文字で「田端機関区(現在の田端運転所)」、「東京機関区(東海道本線の車両基地で、現在は廃止されている)」を表していて、その機関車の所属を示す仕業札。
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お召し列車をよく牽引していた機関車の車号切り文字(EF58 60)。本体は1983年5月18日に解体されたのですが、現役中はよくお召し列車の牽引のために稼働していたため、記念として車両前面のこの切り文字が保存されているのだとか。
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お召し列車を牽引する機関車の側面につける仕業札。
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こちらは「御召予備」の仕業札。万が一のために予備で走らせているお召し列車を識別するためのものです。
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これは御召用伝言砂袋といって、電話などの通信手段がまだなかった明治時代中期ごろまで使われていたもののお召し列車専用版。駅と車両との連絡に用いるもので、駅に向かって伝言をくくりつけた砂袋を投げて使っていたそうです。
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お召し列車というのは必ずしも皇族専用に作られたもの(=御料車)を指すのではなく、皇族が乗り込む列車がお召し列車と呼ばれるので、一般の列車、たとえば新幹線などに皇族が乗り込んでもその列車は「お召し列車」と呼ばれます。これは一般の電車に皇族が乗り込む時に使われていたサインボードで、主に横須賀線で運転されたクロ49形などで使用されたものとされています。
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御召列車運転記念盾(秋田県下御視察)
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平成に入ってお召し列車が運行されることは以前よりも減ったものの、天皇皇后両陛下がお召し列車に乗り込んだ際の写真もいろいろと撮影されていて、展示されていました。
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ここからは第2章「明治・大正・昭和の御座所」。御座所というのは玉座や貴人のための座席のある部屋のことで、御料車の中でももっとも華やかな内装であるといいます。これは1号御料車(初代)内の、御座所から次室へ続く扉を再現したもの。「右近の橘」の図柄が雀と一緒に描かれていて、花や実、幹の一部、そして雀には刺しゅうがほどこされていたそうです。
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7号御料車の御座所の再現コーナー。7号御料車は鉄道博物館に常設展示されているのですが、製造当時の意匠とは異なる部分があるので今回はより制作当時に近づけた状態で再現しているとか。釘隠しはJR東日本が保管していたものと、それをもとにした模造品を作って使用するなど、かなり当時の様子に近づけています。
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傍らに置かれた刀台。
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2号御料車(初代)内部の模型。この御料車はドイツから九州鉄道が貴賓車として輸入した車両がもとになったもので、九州で御料車が必要になった際に九州鉄道が内装を改造したものだといいます。そのため他の御料車に比べて欧風の雰囲気があります。
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御料車の御座所内部の貴重な写真も数点展示されていました。
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こちらは現1号御料車の御座所の模型。それまでの装飾に文様が多様されてきた御料車とは一線を画するタイプで、シンプルながら窓の壁面にはビロードで菱形の格子型を描いたり、天井灯の格子型もそれに合わせたりと細やかにデザインされています。
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続いて、この展覧会の目玉である御料車内の美術工芸品を紹介していきます。こうご期待。
3回通うとゲットできる記念グッズも、鉄道博物館の「御料車~知られざる美術品~」内覧会レポート パート2 - GIGAZINE
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