乗り物

運賃1円で乗れる「1円電車」が23年ぶりに常設で復活へ


かつて日本に運賃が1円という全国最安の鉄道がありました。それが明延地区の鉱山鉄道(明神電車)です。これは、兵庫県にあった明延鉱山への輸送のために作られた鉄道で、1987年に鉱山が閉山となったことで廃線となりました。

その後、長らく使われていませんでしたが、2007年に経済産業省の近代化産業遺産認定遺産リストに選定されたこともあり、「ふるさと明延まつり」で仮軌道を敷いて20年ぶりに運転が行われました。その後も1年ごとにイベントで運転が行われていましたが、いよいよ常設の線路を設置して復活することになったそうです。

詳細は以下から。
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住民の夢実現、「一円電車」常設軌道で復活 兵庫・養父市 - MSN産経ニュース

兵庫県の明延鉱山は日本一の鉱量を誇るスズ鉱山で、平安時代には採掘が始まっていたそうです。鉱山から神子畑にある選鉱所まで鉱石を輸送するため1912年にロープウェイが設置され、1929年に輸送力増強のため鉄道が開業しました。


鉱石輸送用の鉄道でしたが、鉱山で働く人のために人員輸送も行うようになり(当初は無料)、1949年から50銭、そして1952年からは1円で乗れるようになりました。このため「1円電車」と呼ばれるようになりましたが、このことが広く知られたことで興味本位で訪れる人が多くなり、運行に支障を来して正常業務ができないという状況にまで陥ったため、やがて部外者の乗車は禁止になりました。

鉱山の最盛期には鉱山関係の人口が4000人、娯楽施設には芸能人が訪れてショーをするほどの規模を誇りましたが、1985年のプラザ合意で急激に円高となりスズなどの市況が下落して赤字を出すことになり、鉱山としてはまだ採掘可能でしたが、1987年に閉山されました。1円電車もこのとき同時に廃線となりました。

鉄道は長らくそのままとなっていましたが、2007年に経済産業省が(PDFファイル)近代化産業遺産認定遺産リストに「生野・明延・神子畑鉱山関連遺産(通称:鉱石の道)」の一つとして「明神電車と蓄電池機関車」を挙げたこともあり、同年に行われた「第1回 ふるさと明延まつり」で仮軌道での復活を遂げました。

その後は1年ごとにイベントの中で機関車をレンタルして運転を行ってきましたが、今年からは常設軌道を敷き、機関車を購入して本格的に復活することになったそうです。軌道は旧社宅跡に敷かれ、全長は70mでカーブも体験できるJ字形。ちなみに、明神電車は現在も軌道が600mほど残されているそうで、地元としてはいつか600mを走らせたいと考えているそうです。

お披露目は10/24(日)開催の「第4回 あけのべ一円電車祭り」で行われます。当日は無料で1円電車に乗ることができ、乗車した人には復刻1円切符がプレゼントされます。このほか、近代化産業遺産に認定された総延長600mの明延鉱山探検行動の見学会(入坑料が必要)や、あけのべ探訪スタンプラリーなども開催されることになっています。

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in 乗り物, Posted by logc_nt

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