レーダーに映りにくく超音速で飛べる次世代戦闘機F-35B、垂直着陸実験にも成功
(Photo by Locheedmartin)
映画「ダイ・ハード4.0」で、高架道路にそってホバリングしつつ車で逃げるマクレーン刑事に機銃掃射を浴びせたシーンが印象的だった、ロッキード・マーチン社のF-35戦闘機。
軍で使われているあらゆる戦闘機・攻撃機をこの1機にまとめ、大量生産して調達コストを抑えようという「統合打撃戦闘機(JSF)プログラム」の結果生まれたこのF-35の中でも、B型は垂直離着陸が可能なモデルですが、計画は遅れに遅れこの3月17日にやっと垂直離着陸に成功したそうです。
果たして待っただけの価値はあったのでしょうか。実験の動画は以下から。
Lockheed Martin F-35 Joint Strike Fighter Succeeds In First Vertical Landing | Lockheed Martin
3月17日に行なわれた実験では、プラット・アンド・ホイットニー社のF135エンジンを搭載したBF-1プロトタイプ機が、まず時速約150kmというセスナなど小型航空機並の低速で離陸。1分ほどホバリングした後、30m四方の着陸パッドに向かっての垂直着陸を成功させました。
実験機を飛ばした元英国空軍で現在はBAE社のテストパイロット、グラハム・トムリンソンは「垂直着陸におけるコックピットでの作業量がこれまでS/VTOL機と違って圧倒的に少ない。低速でも扱いやすいため、空母艦隊の能力を飛躍的に拡大するだろう」とコメントしています。
超低速で離陸を行なうF-35。
(Photo by Locheedmartin)
こちらが実験当日の動画です。
YouTube - F-35B First Vertical Landing
F-35はアフターバーナーを使った超音速飛行が可能な上、ある程度のステルス性を持つように設計されており、将来は現在軍で使われているF/A-18やA-10、同じ垂直離着陸機のAV-8Bなどと入れ替えられることが検討されています。実現すれば量産効果によって調達価格は低下し、機種を統一することによって整備コストも抑えられることが期待できます。
ちなみに、F-35Bの垂直離着陸の基本構造の元となったのが、旧ソ連で開発が進められていたYak-141。ソ連崩壊によって開発は停止しましたが、近年復活したという噂もあります。
YouTube - Як-141 Як-41 Yak-141
F-35は「最強」と名高いF-22と比べると中途半端な性能であったり、調達価格も、計画段階の5千万ドル(約45億円)から倍近くなるなど当初の目論見からは道を外れてきている感もあります。航空自衛隊でもF-35が40機導入されるという噂がありましたが、どうなるのでしょうか。
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