ハードウェア

かざすだけでデータを高速転送できる「TransferJet」をさまざまな機器に搭載できるLSI、ソニーが商品化へ


ソニーが携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの機器に保存されている写真やハイビジョン映像といった大容量ファイルを、パソコンやテレビなどにかざすだけで高速転送できる近接無線転送技術「TransferJet」に対応したLSI(集積回路)を商品化しました。

USB2.0の最大転送速度480Mbpsを上回る560Mbpsという高速転送を実現した「TransferJet」ですが、このLSIの商品化により、「TransferJet」に対応したさまざまな機器の登場が望まれます。


なお、上記の画像は今年10月に開催されたアジア最大となる家電業界の見本市「CEATEC JAPAN 2009」で展示された「TransferJet対応ケータイ」です。

詳細は以下から。
Sony Japan | プレスリリース | 世界初 「TransferJet」規格対応LSIを商品化

「TransferJet」は最高560Mbpsの高速データ通信が可能な次世代無線通信技術で、搭載した機器同士を近づけるだけで通信を行うという直感的なインターフェースが採用されています。リリースによると、ソニーはこの「TransferJet」に対応したLSI「CXD3267AGG」と「CXD3268AGW」を商品化したそうです。サンプル価格はそれぞれ1500円。

これが「CXD3267AGG」と「CXD3268AGW」


「CXD3267AGG」と「CXD3268AGW」はソニーが長年培ってきた高速伝送技術をベースに、広帯域無線技術を近距離無線技術として応用・開発するとともに、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)プロセスを用いることにより、高速通信に必要な無線機能、信号処理機能、およびホストインターフェースなどを単一パッケージに収めることに成功したもの。要するに、「わずかな外付け部品で小型機器に「TransferJet」を搭載できるようになる」というわけです。

また、携帯電話やデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダといったさまざまな電子機器への搭載を容易にするために、開発者向けにリファレンスキットとソフトウェアディベロップメントキットが用意されるほか、これらのLSIを搭載したモバイル機器向け小型モジュール、ノートパソコン向けPCI Express Mini Cardモジュール、USB接続用モジュールもラインナップに加えるとしています。

「CXD3267AGG」と「CXD3268AGW」の特長。「CXD3268AGW」はSDメモリーカードと同じ端子・形状のカードスロットを拡張カードとして利用する規格「SDIOインターフェース」に対応しており、大きさはPSPなどが採用している「メモリースティックPRO Duo(20mm×31mm×1.6mm)」や携帯電話などで普及している「microSDカード(11mm×15mm×1.0mm)」よりも小さい8.0mm×5.5mm×0.78mmとなっています。


これだけ小さいと、ソニーがアメリカの連邦通信委員会(FCC)に提出した資料から明らかになった「TransferJetを採用したメモリースティック」の登場は十分に考えられるほか、SDIOインターフェースに対応していることから、microSDメモリカードにTransferJetが採用される可能性も十分に考えられますね。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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