カリフォルニア州バークレー市議会、「猫の爪抜き手術禁止」を満場一致で決定
カリフォルニア州バークレーの市議会が、猫の爪抜き手術を禁止することを満場一致で決定したそうです。
猫は爪を研ぐ際に柱や壁を引っかいてしまうため、家で飼う際には注意が必要になってきます。そこで考えられたのがこの爪抜き手術。ちょっと前までアメリカでは結構ポピュラーなものだったそうですが、猫にとって爪を抜かれることは人間の指の第一関節から先を切断するようなものだそうで、猫への負担が大きいため積極的に施術する獣医は最近はいないそうです。
詳細は以下から。
California Cities Ban Cat Declawing : Discovery News
北カリフォルニアのバークレー市議会が昨日、猫の爪抜き手術禁止を満場一致で決定しました。法案は、爪抜きを「猫の飼い主だけのためのぞっとする処置だ」と断じるJesse Arreguin議員が、Susan Wengraf議員と共に提出。Arreguin議員はこの法案が通るとき、バークレー市が歴史的にすべての創造物に人道的であり、これからもそうであると付け加えました。同様の法案はカリフォルニア州の他の6都市(ウエスト・ハリウッド、ビバリーヒルズ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンタモニカ)でも議会を通過しています。
「爪抜き」はただの爪のお手入れとはわけが違う、とArreguin議員は語ります。「爪抜きは、足の先端の骨を除去する、複雑でとても痛い手術です。しかも、飼い主のためだけに行われるものです。私の理解では、例えば足にガンが転移したなど医療目的であるなら爪抜きも認められると思います。しかし、今行われている大部分の爪抜き手術は、猫が家具を引っ掻いたり、爪を変に使ったりしないようにという目的です。」
カリフォルニア獣医医師会などは、医療についての裁定を議員の手には委ねられないという理由で爪抜き手術禁止に反対。医師会は爪抜き手術を行うべきだと考えているわけではありませんが、今回の禁止決定が前例となることを懸念しているようです。
Carl Singer医師は「私は今、猫に爪抜きを行うか、安楽死させるかという状況に置かれているんです」と語っています。彼のもとへは爪抜き禁止を支持する獣医がやってきて、爪抜きの弊害をとうとうと語ったそうです。
バークレー市では今後、猫の爪抜きは軽犯罪扱いとなり、行うと1000ドル(約9万円)の罰金か懲役6ヶ月となる見込み。Discovery Newsの記者は、おそらく今後数週間で他にもいくつかの都市が爪抜きを禁止するだろうと推測しています。
爪抜き禁止決定に関して問題となってくるのが「カリフォルニア州の都市は獣医によって行われる処置を制限してはならない」というカリフォルニア州法(SB762)で、この法律は2010年1月から施行される予定となっています。この州法が成立すると、たとえ都市が禁止を決めても獣医が爪抜きを断行した場合に止める術はなくなってしまいます。
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