原爆をテーマにしたマンガ「はだしのゲン」作者の中沢啓治氏、視力回復が見込めないためマンガ家を引退
原爆を投下された広島の町で強くたくましく生きていく少年・ゲンの姿を描いたマンガ「はだしのゲン」の作者・中沢啓治さんがマンガ家を引退することにしたそうです。中沢さんには「はだしのゲン 第2部」の構想もあったそうですが、今後は油絵や自作の映像化によって思いを訴えていくとのことで、続編が描かれることはなくなったようです。
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「はだしのゲン」の作者、視力の衰えで引退 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「はだしのゲン」は作者の中沢啓治さんが自らの被爆体験をもとに描いたマンガで、1972年から1974年まで週刊少年ジャンプに連載され、その後「市民」「文化評論」など掲載誌が移り、最後は日本教職員組合の機関誌「教育評論」で連載を終えました。累計発行部数は1000万部以上で、単行本が小学校に置かれていることが多かったため、部数以上の読者がいると考えられています。
中沢さんは1985年に「はだしのゲン」を第一部完として終わらせたあと第二部を執筆する予定で下書きまで進めていましたが、ゲンがその後どうしたのかは読者が考えて欲しいと判断して中止していました。第二部は東京を舞台にする予定だったほか、ゲンがフランスで絵の修行をする話だったそうです。
もともと中沢さんは糖尿病を患っており、2000年ごろには左目が見えにくくなったほか、右目も白内障が進行。2009年1月に手術を受けたものの視力は回復せず、マンガを描く際に繊細な線が描けなくなったことからマンガ家引退を決意したものです。
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