KDDI、ケーブル不要でUSB機器同士の高速ワイヤレス通信を実現する技術を開発
外付けHDDや通信端末、マウスやキーボードなど、ありとあらゆるものに用いられているUSBですが、高速通信を維持したままワイヤレス化する技術が開発されたそうです。
この技術を利用することで、現在市販されているモバイル機器やUSB周辺機器のハードウェアとソフトウェアに一切変更を与えず、ワイヤレス化が実現できるとのこと。
詳細は以下から。
(PDFファイル)高速赤外線技術を使ったUSB 2.0のワイヤレス化に成功
~ケーブル不要の簡単操作のUSB通信を実現~
このリリースによると、KDDI研究所は高速赤外線技術を利用することでUSB2.0をワイヤレス化することに成功したそうです。
この技術はUSB2.0の電気信号を赤外線信号に変換し、高速赤外線通信によりワイヤレス化するというもので、電気信号と赤外線信号の変換器にUSBの通信を模擬的に行う機能を持たせることで、これまでに市販されているモバイル機器やUSB周辺機器のハードウェアとソフトウェアに一切変更を加えることなくワイヤレス化が実現できるとのこと。
これが赤外線通信を利用したワイヤレス通信のイメージ図。USBと赤外線を変換する装置が必要。
また、赤外線通信が持つ高いセキュリティ性によって、事前の接続認証を必要としない瞬時のワイヤレス接続が可能となるほか、USB周辺機器を接続するだけでシステムを再起動することなくすぐに利用できる「ホットスワップ機能」も利用可能となっているため、ユーザーは接続したいUSB周辺機器上の赤外線通信インターフェースとモバイル機器の赤外線通信インターフェースを向き合わせるだけでUSB周辺機器が利用できるようになるとしています。
ちなみに今回開発されたシステムではUSBと赤外線を変換する装置は外付けとなっていますが、将来的には機器に内蔵することもできるとのこと。そして高速赤外線通信モジュールは一般的な赤外線通信にも利用できるため、このモジュール一つでUSBと赤外線の両方の通信に対応できるようになるそうです。
なお、2006年に発売されたワイヤレスUSB機器の通信速度は、USB2.0の最高速度が480Mbpsなのに対して、パソコンと近接した状態でも19Mbpsという低速な結果となっていましたが、今回利用されている高速タイプの赤外線通信モジュールは最高1Gpsの通信速度をサポートしているため、比較的高いパフォーマンスが期待できるようです。
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